道の駅紹介
徳島-06 わじき
第14回(1998年4月)登録、1998年4月開業
所在地:徳島県那賀郡那賀町中山関ヶ原34-56
峠道にある小さな道の駅。駅内に「釜揚げうどん まるお」がオープン
ったく… あんたって人… いや、なまこは平然と人の車に乗るんだから…
いいじゃないですか!道案内しますから!
目的地は全部一本道の国道沿いなのよ。むしろ集中が切れるから山道では話しかけないでくださーい。
阿南市と高知市を結ぶ国道195号線。海沿いの橘地区から西に向かって進んでいくと、程なくして山登りが始まります。急カーブや急勾配を注意深く運転していると、阿南市と那賀町の境の峠に道の駅わじきが見えてきます。
駐車場にある「なかはなかなかいいいなか」という看板が素敵です(笑)
わじきは売店とフードコートから構成される小さな道の駅でした。売店の品揃えは加工食品等のお土産がメインとなっています。フードコートではソフトクリームやジビエなどを提供していた時期もありました。
おっと。今、僕はあえて「でした」と書きました。それには理由がありましてですね。
どうでもいいでーす。それよりメシにせん?
……おっ。「釜揚げうどん」だって!食べたーい!
ああっ!これから説明しようと思っていたのに!!
2021年4月に、道の駅わじきのフードコートはリニューアルオープンして「釜揚げうどん まるお」といううどん屋になったのです!
まるおは、羽ノ浦にあった同名の人気うどん店の味を再現した店とのことです。小麦粉「讃岐プレミアム」と軟水で仕立てた麺を、打ちたて、切りたて、茹でたての最高のタイミングで提供しています。この麺を最高の状態で味わってほしいから、釜揚げうどんの専門店として営業しているのだとか。
メニューは基本の釜揚げうどんに、各種釜玉うどん、たらいうどんが揃っています。サイドメニューにはちくわとかしわ(鶏肉)の天ぷら、卵かけご飯、「阿波牛の匠 のべ」の肉を使用したのべ牛飯があります。
うどんを茹でる匂いがしてくるわ。
この小麦の匂い、いいですよね!
今回はオーソドックスな釜揚げうどんを注文しました。
釜揚げうどんには生姜が付いてきます。それも、自分ですりおろすシステムです!
おろしたての生姜はとても香りが良いです。早くうどんにかけたいぞ!うどんはまだか!
……なんて考えながらしばらく備え付けのテレビで「せやねん」を見ながら待っていると、お待ちかねのうどんがやってきました!
アチアチのつゆと、
アチアチのうどん!
まずは、つゆとうどんの味を確かめてみましょう。それでは、いただきます!
うーん!あったか~い!美味しいわぁ~
柔らかい中にもコシを感じられますね!
ハイブリッド小麦粉と軟水で仕上げたこだわりの麺は、釜揚げなのでソフトではあるのですが、その中にもしっかりとコシを感じられます。小麦のふくよかな味をダイレクトに感じられる、優しい味わいですね。
そして、そんなうどんをつゆが良い感じに引き立てます。鰹と利尻昆布の出汁とブレンド醤油を合わせたつゆは、甘味と豊かな風味を感じられる味わいです。うどんのふくよかな味わいを邪魔しない絶妙なバランスです。
卓上のねぎと揚げ玉および、先程すりおろした生姜を加えて頂いてみました。薬味が加わったことで味が引き締まりましたね。体も温まりました。
渡り蝶「アサギマダラ」の飛来する道の駅
食った食った~ 腹ごなしの散歩でもしよーっと。
ところで、道の駅わじきの売店およびうどん屋のまるおがある建物の名前は「のぎくの館」と言います。
この「のぎくの館」という施設名は、このあたりに自生する希少植物のナカガワノギクおよびワジキギクに由来しています。道の駅記念きっぷにもナカガワノギクのイラストが描かれています。
ナカガワノギクおよびワジキギクは地域の「那賀川野菊・鷲敷菊保存会」によって保存活動が行われています。
道の駅の入口にもナカガワノギクの鉢植えがあります。白い小さな花はどこか素朴な雰囲気で、飾らない美しさがありますね。
那賀川野菊・鷲敷菊保存会は活動の一環として、道の駅周辺の花壇の整備も行っています。彼らの整備により、道の駅わじきの花壇は訪問時(2021年10月下旬)、とても素敵なことになっていました。
花壇に植えられたフジバカマの花をよく見ると…
へぇ!綺麗じゃない!
浅葱色の美しい羽を持つ蝶がたくさん止まっていました!
これはアサギマダラという「渡り蝶」で、春は東北方面に北上し、秋に沖縄や台湾などの温暖な地域に南下するという生態を持っています。道の駅わじきの花壇は、このアサギマダラが飛来するのに適した環境に整えられているのです。
フジバカマの花に夢中になっているアサギマダラたちの様子は、とても絵になります。毎年10月から11月にかけてが見頃なので、この時期に道の駅わじきにお越しの際にはぜひ花壇も散策してみてください!
道の駅わじき まとめ
わじきは一見すると小さな道の駅で、目立つ施設や特産品があるわけではありません。
ですが、豊かな自然に触れることのできる道の駅です。地域の人々の取り組みによって、花壇は蝶たちも憩うささやかな花の楽園となっています。
また、まるおの釜揚げうどんも本格的な絶品です。道の駅のフードコートでこのレベルのうどんを食べられるのは、なかなかすごいことだと思います。那賀町にうどんのイメージは無い方も多いかもしれませんが、だからこそここは「穴場」だし、ぜひ一度試してみてほしいです。店内はガラス張りとなっていて、開放的な雰囲気の中で自然を見ながら食事を楽しむことができます。
阿南方面から国道195号線を西に進んでいく場合、長い道のりになります。わじきで自然に触れて、釜揚げうどんで腹ごしらえをしてから高知方面に向かってみるのも良いかもしれませんね。
コメント