「健康ランド」は、世代を問わず楽しめる人気の娯楽施設の一つです。お風呂に入れるだけでなく、レストランがあったり、マッサージを受けられたり、カラオケコーナーやゲームコーナーがあったり、大衆演劇を見られたりもします。体を癒やしながら楽しい体験をたくさんできるというのは文字通り「天国のような場所」ではないでしょうか。現在の「スーパー銭湯」よりも至れり尽くせりな感じがします。
名古屋にも、スーパー銭湯とはひと味違う健康ランドがあります。その名も「平針東海健康センター」です。最寄り駅は地下鉄鶴舞線/名鉄豊田線の赤池駅です。
赤池駅周辺のスポット巡りをしていたときにここにも立ち寄ろうとしたのですが、たまたま施設メンテナンスによる休館日だったため、予定変更を余儀なくされた… というのが先日の話です。
代わりにこちらへお邪魔しました↓
このまま行けずじまいでは消化不良なので、リベンジしてきました。すると、レトロな香りだけでなく、刺激的すぎるお風呂や、様々なふれあいを楽しむことのできる、面白すぎる施設であることがわかったのでした!
令和に残る昭和レトロ
平針東海健康センターは、愛知県道56号線(名古屋岡崎線)沿い、名古屋市天白区と日進市と東郷町の境界付近に位置しています。
郊外の2車線道路を進んでいくと「平針東海健康センター」と書かれたレトロな看板が見えてきて、駐車場の奥の方を見ると年季の入った大きな建物が姿を現します。こういう昔ながらの施設って、まずはフォントから歴史を感じますよね。現代のありがちなプリセットのフォントではなく、一からレタリングして作っている感じがたまらないです。
入口のところには「昭和ストロングスタイルサウナ」の文字があります。これはかなり楽しみですよ!
最初に下足箱に靴をしまい、券売機にて入場券を購入します。そして、下足箱キーと入場券をフロントに渡すと、館内着・タオルのセットとロッカーキーを渡してもらえます。大人の入場料は時間帯によって異なっており、10~17時が1500円、17~翌2時が800円(平日)/850円(休日)となっています。
外観がレトロなだけでなく、館内も匂い立つほどに昭和です。目に映るもの全てがレトロです。館内に居酒屋とスナックがありますよ。ちょっとした裏路地みたいになってます!
スロットゲームだけでなく、明らかにレトロな麻雀ゲームの筐体もありますよ!
いやぁ、これはすごいですね。そのへんのスーパー銭湯ではまだまだ出せない空気ですよ。平針東海健康センターのオープンは1984年で、今年で丁度開業40周年となります。オープン当時からある古い設備を、今の今まで大事に使っている感じが良いですね。
レストラン兼大広間「百々厨(ももくりや)」では、大衆演劇の公演や舞踊ショーが開催されています。タイムスケジュールは昼の部が13時から、夜の部が17時からとなっており、なんと、平針東海健康センターの入場客は無料でショーを見ることができます。
2階には仮眠室、休憩スペース、喫茶店、ゲームコーナー、トレーニングルームがあります。こちらも入場客は無料で利用可能です。至れり尽くせりっぷりがすごいです!
刺激的な中国漢方薬湯!熱々の薬草スチームサウナ!記憶に残りすぎるお風呂
続いてはお風呂の中を紹介していきます。フロントで受け取った番号のロッカーに荷物をしまい、お風呂に入ります。
浴室はなかなかの広さです。内風呂には天然温泉の浴槽2つ(1つは檜風呂)、水風呂、中国漢方薬湯、バイブラバス、そして噂の「昭和ストロングスタイルサウナ」こと高温サウナがあります。湯温は40℃ほどで、熱すぎずぬるすぎず快適に入れます。泉質は美肌の湯として知られるアルカリ性単純泉です。お肌がトゥルトゥルします。
高温サウナのサウナ室は非常に広く、35人ほどは余裕を持って座れる感じです。なんなら僕が住むワンルームの部屋より広いかもしれません(え) 室内は広いのですが、ガス赤外線ストーブが強力で、ストーブから遠方の場所もとても熱々です。室内は90℃あります。水風呂はサウナ室を出てすぐの場所にあるので、すぐに体を冷やせます。
露天風呂には天然温泉の岩風呂と檜風呂があるほか、薬草スチームサウナもあります。露天風呂からは荒池というため池と、その周囲の林を一望できます。自然を眺めながらの入浴はとても気持ちが良いです!屋根の下にインフィニティチェアも置かれているので、サウナ後の外気浴もできます。
施設と同様に、お風呂も年季を感じる見た目ではあるのですが、床や洗い場、露天風呂スペースの段等、こまめに改修の手が加えられています。やはり創業時からの設備を大切に使っている感じがして好印象です。
一方で「昭和の風情あるお風呂」だけで終わらないのが平針東海健康センターです。ここには強烈な「クセ強お風呂」と「クセ強サウナ」が待ち構えているのです。それは「中国漢方薬湯」と「薬草スチームサウナ」のことです。
まずは「クセ強お風呂」こと、中国漢方薬湯に入っていきます。漢方薬を使った類似のコンセプトのお風呂は他のスーパー銭湯でもしばしば見かけることがありますが、平針東海健康センターのものは濃さが違います。
緑褐色に濁った浴槽の中を見て、脳裏に浮かんできたワードは「魔女の釜」や「創業以来注ぎ足してきた秘伝のタレ」でした(笑) その中に恐る恐る入ると、独特の苦い匂いがします!
中国漢方薬湯は、12種類の薬草等の成分が体の外部・内面に心地よい刺激を与えることで、人間本来の自然治癒力に働きかけ、様々な良い効果をもたらすのだそうです。
しばらく浸かっていると、異変は下から始まったのでした…
ん?
肛門が!?
浸かっているうちに、肛門がヒリヒリしてきました。突然の想定外の刺激に戸惑っていると、今度はちょっと日焼けした首の後ろ側や「下のなまこ」の裏側までヒリヒリしてきたのです。
えっ、何これ!「心地よい刺激」ってこういうことなの!?
……と言いつつも、この刺激も慣れてきたらそこまで悪いものではありません。あっという間に体はぽかぽかになりましたね。この刺激は他の漢方薬湯とは段違いです。皆様にもぜひ体験していただきたいです!
続いては「クセ強サウナ」こと薬草スチームサウナに入っていきます。露天風呂スペースに設けられた小屋がスチームサウナとなっています。早速小屋の扉を開けて中に入ったわけですが…
あっつ!!!
中は蒸気で真っ白でした。小屋の入口には「サウナ内部には穴が開いているので足元に注意」と恐ろしいことが書いてあったので、おっかなびっくりしながら椅子に腰掛けたのですが、スチームが本気の熱さで驚きました!座る姿勢に気をつけないと、腿の裏をやけどしてしまいそうです!
スチームサウナは、熱さで言うと高温のドライサウナには一段劣るイメージがあったのですが、この薬草スチームサウナはそんなことはありませんでした。できたての高温スチームが直接吹き付けられます。さらに、スチームが小屋の天井にへばりついて水滴になって、それが頭上にぽたりと落ちてきます。熱い雨漏りみたいなのが不意打ちしてくるんですよ。気分は蒸し器の中の肉まんです!!
このように、昭和を感じられる古き良きお風呂でありつつも、一部がすごく尖っているのが平針東海健康センターのお風呂の良さだと思います。
お風呂上がりは喫茶店や居酒屋でグルメ!
お風呂上がりにグダグダと過ごす時間が楽しいのは、平針東海健康センターも他のスーパー銭湯と同じです。平針東海健康センターには、様々なグルメが待っています!
最初に紹介するのは、2階にある喫茶店「Roll Up」です。
店内はアメリカンダイナーを意識した内装となっており、ビビッドな内装や、ベティー・ブープのグッズが印象的です。一方で、提供しているメニューはからあげ定食やハンバーグ定食等、家庭料理的なものが中心です。
数あるメニューの中から「ボロネーゼ」を注文しました。きしめんのような平打ち太麺のパスタです。タリアテッレというやつですかね。むっちりとした噛み応えのパスタに絡むコクのあるソースは、どこか落ち着く味わいです。
オロポもこちらで提供しています。大きなジョッキで提供されます。
こちらは百々厨の「どて煮丼」です。
甘辛い味噌の味が染みきったどて煮とご飯は最高の相性です!真っ茶色に染まった大根やこんにゃくにそそられますね。あっという間にペロリと平らげましたよ。
夕方には「居酒屋 あかり」にてちょい飲みをしてきました。
レモン酎ハイのお供に頂くのは、こんがりと焼かれた串焼きです。ねぎまのサイズに驚きます!ネギがぶっとくて長すぎませんかね!!
滴る脂に、食感に、肉の旨味が最高に酎ハイを飲ませてくれます。
名物メニューの「チャンポン」は具沢山の本格的な仕上がりです!コクのあるスープに、柔らかい太麺に、野菜とシーフードがたっぷりと入っていて、思わず唸る味わいです。
なお、各テナントでの飲食料金はロッカー番号で管理しており、退館時に精算するシステムとなっています。
平針東海健康センター まとめ
平針東海健康センターは、天白区・日進市・東郷町の境界付近にある健康ランドです。1984年に創業し、創業以来多くの常連さんに愛されています。
お風呂は天然温泉です。池を見ながら入浴できる露天風呂や、広々とした高温サウナ、熱々のスチームサウナがありますが、一番の目玉は刺激的な「漢方薬湯」です。「こりゃ、効くな!」と思えるような漢方の刺激を全身で感じられます。港区の「白鳥の湯」は、むしろサウナブームが来る前の平成のスーパー銭湯の空気がそのまま残っている感じが良かったのですが、平針東海健康センターは古い設備を大切にしつつも、インフィニティチェアを置いたり、オロポを提供したりして、最近の流行にも柔軟に対応しているところが素敵だと思いました。
施設は10:00~翌9:00までの営業であり、休憩スペースや仮眠室のみならず、レトロなゲームコーナー、スナック、居酒屋、アメリカンダイナー風喫茶店、トレーニングルームを備えています。また、大広間では大衆演劇の公演や歌謡ショー、カラオケ(1曲200円)を楽しむことができます。
公共交通機関でのアクセスの際には、地下鉄赤池駅および地下鉄徳重駅との間を結ぶ無料送迎バスの利用が便利です。
入場料は、
大人昼料金(10~17時):1500円
大人夜料金(17~翌2時):800円(平日)/850円(休日)
深夜料金(2~9時):1800円
子供(4歳~小学6年生):400円
となっています。入場はチケット制で、下足箱のキーとチケットをフロントに渡すと、館内着・タオルのセットとロッカーキーをもらえます。館内飲食テナントの利用料金はロッカー番号で管理しており、退館時にまとめて精算します(退館時にはカード決済も可能)。深夜に滞在する場合には深夜料金の支払いも必要です。
全体的に、創業時からの古い設備を大切に使いつつ、各所が現代仕様にアップデートされている感じです。香り立つような昭和レトロの空気がたまりません!そして、様々な同好会が活動しており、地域の常連さんたちが集うコミュニティの中心にもなっています。これからもこのままの雰囲気であり続けてほしいですね…
平針東海健康センター
愛知県名古屋市天白区天白町大字平針荒池下1-3
営業時間:24時間営業
※訪問時点での情報です。
平針東海健康センターのWebサイトはこちら↓
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