あまり取り柄の無いまま30代を迎えてしまったなまこマンの中の人ですが、最近ようやく確信を持てた取り柄が一つあります。それは激辛耐性です。世の中の「激辛」とされているものを、割と余裕を持って食べられることがわかりました。全く辛いと感じないわけではなく、全身の汗腺という汗腺から滝のような汗を流しながら食べるのですが、それでも、他の人が食べるのを断念してしまうような辛さのものを、僕は食べられてしまうようなのです。ブログで「旨辛」として紹介している料理も、あくまで僕の外れ値の辛さ耐性が基準なので、辛さ耐性が一般的な方には少々辛い(つらい)かもしれません。
そんな激辛好きの僕がかねてより挑戦してみたいと思っていたのが「赤から鍋」です。赤からは全国各地に店舗のある激辛鍋の店なのですが、その発祥は名古屋で、本店も名古屋駅の桜通口の近くにあります。今回は満を持して、最も辛い赤から鍋の「10番」に挑戦してきました!
一人で来る場所じゃなかったかも…?

というわけで、名古屋駅前の飲み屋街にある赤からの本店にやってきました。


メニューを見ると「赤から鍋」と同じぐらいの熱量で「赤から焼き」なる焼肉メニューが掲載されていました。その名の通り、辛味ダレを塗った旨辛焼肉なのですが、各席にコンロが一つしかなく、鍋を煮込むか、肉を焼くかのどちらかしかできません。なので、基本的には鍋か焼肉か、どちらかを頼むことになるでしょう。

今回の目的はもちろん、赤から鍋への挑戦だったので、席に備え付けられたタブレットから赤から鍋を注文していきます…。

ん?

ウヒョー!!!
なんと、赤から鍋は基本的に2人前からしか注文できないのです…!嗚呼ーっ!これは盲点だった!!でも、確かに他のお客さんは皆、グループ客でした。
そもそも赤から鍋への挑戦自体ができないという、企画丸つぶれの危機が一瞬脳裏を過りましたが、恐る恐る店員さんに尋ねてみると、二人以上で来なければ注文できないわけではなく、あくまで「2人前から」注文できるとのことなので、一人で来ても2人前を食べきれるのなら、頼んでも何ら問題はなかったようです!いやぁ、よかった!
気を取り直して、赤から鍋を注文します。赤から鍋はココイチのように辛さのレベルを選ぶことができ、全く辛くない0番から、一番辛い10番まで、11段階の辛さを選ぶことができます。冒頭で述べたように、激辛耐性には自信があるのですが、それでも若干迷いがありました。「めちゃくちゃ辛かったらどうしよう…。」と。おそらく、口は大丈夫なんです。味わって咀嚼して飲み込むところまでいけるんです。でも、肛門が大丈夫じゃない可能性があるんです。
それは激辛耐性があるとは言わないのでは?
あれだよ!積んでいるプロセッサの性能はとても高いはずなのに、ケースやファンの排熱性能が追いついていないせいで十分なスペックを発揮できてない自作PCみたいな!!
あとは、あまり辛くしすぎると、辛味がノイズになってしまって、辛味以外の美味しさをうまくジャッジできない可能性もあるんですよね。それこそ、ココイチのカレーが良い例です。僕の大好きな中区矢場町店の赤みそカレーは、あまり辛くしすぎてしまうと、赤味噌とココイチのポークソースのマリアージュが、辛味に覆い隠されてわかりにくくなってしまうんですよ。
ゆえに、赤から鍋という料理を知るために、今回は定番とされる3番よりも少し辛い、5番を注文することにしました。日和ったわけではありません。リスクマネジメントです。体を張ろうにも、張る体が無くなってしまったら元も子も無いじゃないですか!

イカしたデザインの土鍋が運ばれてきて、コンロに火が点けられます。蓋の隙間から蒸気が噴き出してきたら、食べ頃のようです。
(海鼠待機中…)


「噴き出す蒸気が辛すぎる」なんてこともなく、良い具合に煮えました。追加の「肉盛合せ」も入れて、もう少し煮込みます。

同時に、よく煮えた箇所を取り皿によそいます。見るからに赤くて辛いですが、ライスを傍に控えさせているので、バックアップ体制は万全です。対戦よろしくお願いします!

辛いです。確かに辛いのですが、辛味と同時に深いコクのある甘みも感じます。決して辛さ一辺倒ではありません。例えるならコチュジャンのように、スープのベースとなっている辛味噌自体に甘味や旨味がありますし、煮込まれた具材の野菜やホルモンからも甘味が出ており、それらが折り重なった結果、辛いけれどもあと引く旨味があって、癖になる味わいに仕上がっているのです。
同時に「こんなものか」という思いもありました。獄激辛ペヤングや、味仙の台湾ラーメンや、ココイチの10辛と比べると、赤から鍋の5番は口に入れた瞬間に出合い頭で殴ってくるような辛味はなく、むしろ甘味やコクのほうが先行している印象です。
具材は白菜、白ネギ、ニラ、豆腐、軟骨入り鶏つくね、牛ホルモン、豚バラ肉、油揚げ、豆腐の9種類です。真っ赤な辛いスープをしっかりと吸い込んだり、あるいは辛味に負けない旨味や食感があるものだったりと、赤から鍋に合うものだけが厳選されたのが伝わってくるような、とても絶妙なチョイスです。
1口目は「こんなものか」と思いましたが、2口目からはしっかり辛く感じました。それでも、正しく「旨辛」な赤から鍋を食べる手は止まりません。なんなら、真っ赤な辛いスープもゴクゴク飲めちゃいます。2人前でも、問題なく完食できました。

デザートに「アイスチーズケーキ」を注文しました。熱と辛味で火照った口の中が、冷たさで一気に回復します。まろやかな甘味の中にナッツの食感と風味も感じられて、食べ応えのあるデザートでした。
こうして、一人でも、若干他のグループ客の「なんだこいつ!?」という視線を感じつつも(エレベーターの目の前の席に通されたのです)、赤からにて赤から鍋を堪能することができたのでした。辛さの点では全く平気ではありましたが、汗はかなりかきましたし、鼻水も垂れました。それでも、赤から鍋の美味しさを満喫できたので満足です。満足しつつも、同時にこんなことを思いました。
あれ?もしかして、10番余裕で食べきれるんじゃないか…?
10番に挑戦!

というわけで、後日、赤から鍋の10番に挑戦することにしました。訪問したのは栄のプリンセス大通沿いにある「赤から 栄店」です。本店はタブレットからのオーダーでしたが、栄店ではスマホからQRコードを読み取り、専用サイトからオーダーする方式です。
注文するのはもちろん赤から鍋なのですが…店員さんより「1人前の注文はモバイルオーダーではなく(店員に)直接言ってください」とのお言葉がありました。ぼっちに優しいじゃないか!!

というわけで、今回は赤から鍋10番を1人前だけ注文しました。

そして、今回は赤から鍋が煮えるまでの間に、一品料理も試してみることにしました。「鶏ささみネギ塩和え」を注文しました。
その名の通り、鶏ささみのたたきにネギ塩ダレを絡めた一品で、さらに青ネギと白ネギも添えられています。手を変え品を変え、ネギを楽しませてくれるわけですね。さっぱり、ねっとりとした食感のささみは、辛味と食感の異なる3種のネギとよく合います。それに、ネギの辛味は食欲を刺激してくれます。まあ、これからもっと辛いものを食べるわけなのですが!


鶏ささみネギ塩和えを楽しんでいる間に、良い具合に赤から鍋10番が煮えました。対戦よろしくお願いします!

やばい!!!
これは一口目から激しいです。5番と比べると、10番は一口目から出合い頭で殴ってくる辛味にパワーアップしています。それでも、甘味や旨味が辛味に覆い隠されてしまっていないのが素晴らしいです。爆裂する辛さの奥に、確かにコクを感じるのです。相変わらず、具材もしっかりとスープを吸っています。そして、二口目に感じる刺激もとんでもないです。口の中が痛すぎるし、なんなら飲み込んだ鍋が消化管を下っていく様子を、喉の奥に感じる刺激でトレースできてしまいますよ!!

上は大火事、下もおそらくこれから大火事!飲んで鎮火だ!!

今回は赤から鍋のシメに、ラーメンを注文しました。シメとしては他にもきしめん、雑炊、チーズリゾットがラインナップされています。具材として、メンマと青ネギが入っています。
(店員)麺を煮込めるようにスープを足しますね。
あっ大丈夫っす…。(せっかくスープ減ってたのになぁ!)

良い具合に煮えたところで頂きます。麺はつけ麺に使われるような、弾力のある滑らかな太麺なので、煮込んでもダルダルになりません。スープを纏ってのど越し良く流れ込んでくるので、やっぱりとても辛いです!!クールダウンのためにウーロン茶を追加しました。

ラーメンは食べ終えましたが…スープ完飲はさすがにきつかったです!シメのラーメンを煮込むときにスープを足されていなかったとしても、飲み切れていたかは正直怪しいです。お尻が心配すぎて、飲む勇気がありませんでした。

赤から鍋10番を食べ終えた後は、デザート「いも娘」を注文してウィニングランです。ふかしたサツマイモの上に、カスタードアイスクリームを乗せた一品です。サツマイモの優しい甘味に、アイスの冷たさと、カスタードバニラの香りが合わさって、辛味の強い刺激を受けた口の中を甘味と冷たさが癒してくれます。
赤から鍋 まとめ
こうして、赤から鍋10番を無事に完食することができたのでした。赤から鍋は基本的に2人前からの注文ですが、店舗によっては1人前での注文に対応してくださる場合もあります。今回の僕のように一人で利用する場合には、店員さんに確認するのが良いです。まあ、一人で2人前食べきれるなら全く問題はありません(笑)
実際に食べてみて感じたのは、赤から鍋は「旨辛鍋」としてかなり計算された作りになっているということです。味は決して辛味一辺倒ではなく、辛味と同時に甘味や旨味を感じることができ「辛いけれどもう一口いきたい」と思わせる味わいですし、具材も辛いスープがしみこみやすいものだったり、具材そのものから出る旨味がスープを一段と味わい深くするものだったりと、旨辛なスープと合わせて美味しくなるものが厳選されている印象です。また、デザートのラインナップも冷たいものが揃っており、赤から鍋を食べた直後の熱く痛い口の中が、甘味と冷たさで癒される格好になります。
激辛耐性のある僕の基準では、赤から鍋5番は余裕を持って食べられる「旨辛」の範疇に収まり、10番は辛味の刺激が欲しい時に丁度良い、一口目から刺激的な辛さの激辛鍋でした。3番とかだったら物足りないと感じていたかもしれません…。刺激が欲しくなった時に、また赤からに挑戦してみます!今度は焼肉(赤から焼き)を試してみたいですね。

もちろん、お尻へのダメージは覚悟したうえで…(え)
赤から 名古屋本店
愛知県名古屋市中村区名駅3丁目16-11
営業時間:
11:30~14:00/17:00~0:00(平日)
12:00~24:00(土日祝)
赤から 栄店
愛知県名古屋市中区栄3丁目12-16
営業時間:16:00~0:00
※訪問時点での情報です。
赤からのWebサイトはこちら↓
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