2024年9月上旬のまだ暑さの残っていた頃に、日帰りで登山に行ってきました。愛知県で山と言われると、猿投山や茶臼山が思い浮かびますが、今回の目的地は明神山というところです。新城市と東栄町の間にそびえる、標高1016mの山です。
この明神山は、日帰りで登ることができる山でありながらも、登山道の途中に鎖場1があり、本格的な登山を楽しめるといいます。
なまこマンにはちょっとした目標があります。それは、北アルプスにある前穂高岳への登頂です!元は職場の登山好きの方に誘われ、その方に同行して前穂高岳へ登ろうという話だったのですが、少し調べてみると、上高地から前穂高岳への最短距離となる登山道「重太郎新道」は上級者向けの非常に険しい道であることがわかりました。
小学生の頃に吉田口から富士山に登ったことがありましたが、大きな山への登山経験は後にも先にもそれだけです。なので、前穂高岳への挑戦の前に登山経験値を稼ぐべく、金華山で最も険しい馬の背登山道の次は、明神山への登頂に挑みます!
明神山 三ツ瀬登山口へのアクセスについて
明神山には3つの登山道があります。北方向から山頂を目指す柿野コース、南東方向から山頂を目指す三ツ瀬コース、新城市の乳岩峡を経由し6合目で三ツ瀬コースに合流する乳岩コースの3つです。
今回は東栄町のWebサイトに掲載されていた三ツ瀬コースから山頂を目指すことにしました。いろいろと調べてみた限りでは、ここが最も取っつきやすそうだったんですよ。登山口からは150分で山頂までたどり着けるようです。
三ツ瀬登山口へは、新城市方面から国道151号線を北上し、新本郷トンネルの手前あたりで「三ツ瀬明神山」の案内標識に従い国道から脇道に入ってアクセスします。国道から脇道に入ると間もなく旧トンネルがあり、その近くに特に案内の無い分岐があるのですが、右側が三ツ瀬登山道へ通じています。道幅は狭く、落石のある箇所もあるので注意して運転しましょう。
道をずんずん進んでいくと、明神山登山客向けの小さな駐車スペースが設けられています。車道はもう少し奥まで続いていますが、ここに車を停めて登っていくのが良さそうです。
駐車スペースの近くには、入山届の記入台と提出用ポストが設けられています。入山届は、自分がどこの誰で、何日の何時から何時まで山に居る予定なのかを表明するために重要な書類です。万が一のことがあった際の資料になるので、届け出の必要がある場所では届け出をしておきましょう。登山アプリの中にはアプリ経由で登山届を提出できるものもあります2。
クマの目撃情報もあるとのことなので、クマ避けも意識した登山装備を十分に調えておきましょう。無事に帰れた今となっては笑い話なのですが、僕は肝を冷やしました!(後述します)
道中、道の駅もっくる新城にて卵かけご飯食べ放題モーニングを頂いたので、エネルギーは十分にチャージできました。前穂高岳挑戦に備えて購入した登山装備に着替え、心して明神山に挑みます!
三ツ瀬コースから山頂を目指す!
駐車スペースからしばらく川沿いに進むと、三ツ瀬コースの登山口に到着します。
初っ端から、なんと川を飛び石で渡らなければなりません。この情報はどのサイトにも無かったなぁ… 水量が多いわけではないのですが、滑らないように気を付けて渡りましょう。
比較的急な斜面を登っていくと、景色が開け、見事な岩肌が見えます。
そして、最初の鎖場が現れます!三点支持の原則を守り、ゆっくりと登っていきます。
これはなかなか急ですね… ゴツゴツとした岩場の形をよく見て、足先を掛けられる場所を探しつつ、登っていきます。こういう場所を登るときには、鎖に体重を完全に預けるのではなく、両手はあくまで岩肌をメインに掴むようにし、鎖は岩肌を掴みづらいときの補助として持つのが良いです。
その後も、急なハシゴ登りや岩場登りと、足場のあまり良くない斜面登りが交互に続きます。山頂の方向を示す看板は随時登場する一方で、登山道を示す手がかりが木に括られたピンクのテープしか無いので、トレースミスをしないように手元の地図を確認しながら進んでいきましょう。
ちなみに、訪問日は9月上旬のまだまだ暑い日だったのですが、明神山の登山道は全体的に木陰になっているので、日差しや暑さは感じず快適に登ることができました。
乳岩コースと合流する6合目地点で休憩です。乳岩コースから明神山を目指すと三ツ瀬コースの倍ぐらい時間がかかるのだとか。乳岩峡も見所のある峡谷とのことなので、また歩きに行ってみたいですね。
GoProの予備バッテリーを忘れてしまい、撮影の継続が困難になるというお茶目をやらかしつつも、まだまだ続く崖やハシゴを乗り越えていきます。
そしてここで、三ツ瀬コースのハイライトがやってきます。
それがこの岩の痩せ尾根です。この写真では少し伝わりにくいですが、両側が崖となっており、さながら一本橋、カイジの鉄骨渡りのごときスリルです。景色は最高なのですが、高い場所は割と平気なはずの僕でも、怖すぎて直視できませんでした!
なのでスマホだけを横に向けて写真を撮りました。本当に素晴らしい景色です!ただ、現地では景色の良さを満喫できる余裕なんてありませんでしたが(笑)
痩せ尾根を越えてしばらく歩くと、9合目にたどり着きます。山頂まであと少しです!
そして、最後のハシゴを超えて、ついに…
山頂です!
標高1016mの明神山山頂に到着しました。かかった時間は約200分(3時間20分)です。東栄町のサイトに書かれていた150分では到底収まりませんでした。途中疲れて明らかに足が重くなりましたからね(苦笑)
赤い展望台に上ると、スカッと広がる絶景のご褒美が待っていました!ここまでの急坂も、鎖場登りも、全てはこの瞬間を盛り上げるための最高の前振りだったというわけです…!
山頂からは南アルプスの山々や、富士山を一望できます。訪問日は天気こそ良かったものの、遠方は霞んでいて富士山までは見えませんでした。
休憩しながら、道の駅もっくる新城にて購入したチキンカツおにぎりをいただきました。
みっちりとした食感で、食べ応えが最高です!下山のための体力も蓄えることができたことですし、ここから下山です。
ですが、率直に言って下山の方が大変でした…!特に鎖場の下りにはとても戸惑いました。登りは進行方向を目視できるのですが、下りは崖にへばりついた状態だと、次に足を掛けるべき場所を目視しづらいので、滑落の二文字を常に意識しながら冷や汗をかきつつのろのろと下りました。
そして、登山道から外れた茂みの中で、黒く大きな生き物が動く様子も見えてしまいました… 最初は「人かな?(震え声)」と思いましたが、僕が下山した時間には他の登山客はいなかったんですよ。そもそも他の登山客は、僕より早い時間に登って下りていましたし。
いや、それ以前に、そもそも登山道ですら無い場所なので、登山口にあった看板と合わせて考えると… いや、これ以上はやめておきましょう。幸いにも、その生き物は遠くの方でこちらから逃げる方向に動いたので、遭遇することはありませんでした。思い返すほど肝が冷えます!
歩き詰めで足の裏が痛くなりながらも、完全に暗くなる前になんとか登山口まで戻ってくることができました。山頂から登山口までの所要時間は約220分(3時間40分)となりました。登山コースの所要時間はある程度登山に慣れていて、体力のある人を基準に設定されているのですね… 一応ゆとりを持ってスケジュールを組んでいたので帰宅やレンタカー返却に悪影響は出ませんでしたが、前穂高岳への挑戦にはもっともっとスタミナを付けた方が良さそうだと思いました。
なお、登りに関してはYouTubeへの投稿も意識して動画も撮影していたのですが、クマよけも兼ねて流していたYouTubeの音声(日本TOP4のウミガメのスープ)をGoProのマイクが思いっきり拾っていたので全部ボツです(笑)
高速道路に乗る前に、ファミマでソフトクリームを購入し疲れを癒しました。濃厚なミルクの味わいと同時に、無事に下山できた喜びを噛みしめました!
そして、登山の疲れを癒すべく、ある場所へと向かったわけなのですが… それはまた、次の記事にて紹介します!
明神山 まとめ
明神山は愛知県新城市と東栄町の間にそびえる標高1016mの山です。東栄町側に三ツ瀬登山道と柿野登山道、新城市側に乳岩峡登山道があります。
木々の間を縫うように斜面を登っていき、時折崖を鎖場で登っていく箇所もあります。ゆえに気軽なハイキング向けの山という感じではありません。きちんとした登山装備が無ければ登頂は難しいですが、日帰り登山が可能です。また、登山道のほぼ全域で4G電波を受信できます。
山頂には展望台が設けられており、晴れた日には富士山や南アルプスを一望することができます!挑戦し甲斐のある、とても歯応えのある山でした。一方で、重太郎新道に挑戦するにはもう少し体力が無いと辛そうな気もしてきました。登山に備えて体力をつけていきたいです。
登山にあたって注意していただきたいのは、熊の目撃情報がある点と、登山道の目印が木々に付けられた赤いテープのみなので、地図をしっかり確認しないとトレースが困難になりかねない点です。登山の際にはGPSで現在地を確認しながら登山道地図を参照可能なスマホアプリがあるので、それを利用するのがおすすめです(僕はYAMAPを利用しています)。クマよけの鈴も準備しておきましょう。
明神山
愛知県北設楽郡東栄町本郷
※訪問時点での情報です。
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