以前、他地域にはあまり知られていない徳島の隠れた珍味として「イリカス」というものを紹介した。
イリカスというのは牛や豚の内臓(ホルモン)を炒ったもので、独特の癖があるけれども面白い歯ごたえと旨味が癖になる一品だ。
しかし、徳島にはまだまだ他地域に知られていない珍味がある。それが今回紹介する「肉ようかん」だ。
インターネットでも情報が乏しく、謎に包まれたこの肉ようかんを、実際に食べてみて、アレンジメニューも作ってみたので紹介したいと思う!
肉ようかんというのは、平たく言うと牛すじ肉を使った煮こごりだ。
このような料理は全国的にも珍しいのか、「肉ようかん」で検索しても見つかるのは徳島のものばかりだった。
かくいう僕も、いつもお世話になっている徳嶋ダイスケさんのブログ記事にてこの肉ようかんの存在を知った。
不動本町の中山食品
肉ようかんを購入できるのも、イリカスと同じく基本的には肉屋だ。今回は不動本町の「中山食品」にて購入した。値段は100gあたり280円。1パックに大体250~300gぐらい入っている。
お会計のときに、店のおばちゃんに美味しい食べ方を聞いてみたところ、「薄切りにして、醤油とかかけてご飯に乗せて食べるのが美味しいよ」と教えてくれた。
というわけで、食べやすいサイズに切り分けて早速一口。
!? これすごいぞ!!
先ほども書いた通り、肉ようかんは牛すじ肉の煮こごりだ。牛すじ肉のうまみとゼラチン質のたっぷり溶けた煮汁を冷やして作っている。
だから、口にした瞬間に口の中でゼラチン質がふわっと溶けて、濃厚な牛すじの旨味と脂の味が口いっぱいに広がる。そんでもって、甘辛い煮汁の味の中でコショウが良い感じにピリピリと効いている。
これまたくせになりそうな味わいだ。ご飯は進むだろうし、なんならおつまみにも良さそうだ。
だけど、そんなにバクバクとは食べられない。結構脂っぽいから、あんまりたくさん食べると胸やけしそうになる。僕が知る数少ない阿波弁で言うなら「むつこい」味かもしれない。ちびちび食べるのが一番美味しいと思う。
……ところで、肉ようかんを買ったら一つやってみたいことがあった。それは、徳嶋ダイスケさんがやっていたように肉ようかんのアレンジメニューを作ってみることだ!こちらの記事(↓)では、肉ようかんをスープにアレンジしている。
今回僕がチャレンジしたのは、「肉ようかんチャーハン」だ。溶き卵とご飯、具材のベーコンとねぎを炒め、良い感じに炒めたところで、味付けとして適当なサイズに切った肉ようかんを投入する。
フライパンの熱で肉ようかんを溶かしてご飯と混ぜ合わせ、仕上げに塩コショウを振ったら完成だ。
そして二品目は、徳嶋ダイスケさんの真似っ子をして肉ようかんスープを作ってみた。お椀に適当なサイズの肉ようかんを入れてレンジで温め、お湯と塩コショウで味を調節する。具材には冷蔵庫にあった玉ねぎを入れてみた。
早速食べてみよう。まずは肉ようかんチャーハンから一口。
うん!この味はいいね!
肉ようかん以外は塩コショウしか振っていないけれど、肉ようかん由来の牛すじと牛脂の旨味がチャーハンを程よく覆っていて、味わい深くしてくれている。そりゃあ、熱々ご飯に乗せて美味しい肉ようかんなんだから、チャーハンの味付けに使って美味しくならないはずがないか。いつもと一味違うチャーハンに大満足だった。
スープも、牛のうまみがしっかりと溶けた仕上がりになった。お湯を注いだだけの割にはなかなかうまいじゃないか。比較的あっさりと頂ける。
不思議な見た目だけど、味は確かな肉ようかん。この珍味中の珍味、肉屋などでお見掛けの際には、一度試してみてくださいな。アレンジメニューを作ってみるのも楽しいので。
この記事では肉ようかんを「徳島の隠れ珍味」として扱っていますが、「他地域にもあるよ!」という情報をお持ちの方はよろしければコメントにてご一報ください!
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