洲本バスセンターから、淡路島南岸を海岸線に沿って進んでいき、まずは淡路島の南西にある港町・南あわじ市福良を目指す。
洲本バスセンターで偶然出会った自転車屋の方曰く、淡路島南岸はかなり厳しい道のりで、淡路島サイクリングの山場らしい。一瞬「内陸沿いに坂を避けて進んで、イングランドの丘とかで遊ぶ」ということも考えたけれど、出発前に女の子(この前吉野川フェスティバルで一緒に花火を見た子)に「淡路島を一周する」と伝えてしまった手前、僕には海岸線に沿う選択肢しかなかった!
厳しい道のり?むしろワクワクしますよ!
僕は自転車屋のお兄さんに爽やかに伝えて、淡路島の南岸を通る県道76号線、別名「南淡路水仙ライン」のほうを進んでいった。
洲本市街を離れ、洲本温泉のリゾート街に入る。砂浜では家族連れや女の子がバーベキューをしていた。それを横目に僕はストイックな自転車乗りを装ってペダルをこぎ続けて行く。多少のアップダウンはあるものの、道のりは快適そのものだった!左手に海を眺めながら進んでいくと、あっという間に洲本市南部の港町・由良に到着した。
大きな橋の頂上まで登りきると…
目の前に広がる大パノラマ!
こういうのだよ!こういうのこそが旅の醍醐味!
このあたりで余裕をぶっこいていた僕は写真をパシャパシャ撮っては女の子に送り続けていた。(仕事中だろうに迷惑メールよりも迷惑だったことだろう… 反省。)
この後に地獄が待ち受けていると知らずに。
道幅が狭くなって、海岸線が見えなくなってきた頃にそいつは現れた。
む、「異常気象時通行規制区間」の標識… これがあるところというのは大体酷い道。ここらが自転車屋のお兄さんが言っていた山場だな。気合いを入れて行こう…
と思ったのも束の間。衝撃的な看板が僕の目に飛び込んできた。
ええっ!平均勾配8%の坂が1600mも続くの!?
そう、ここが淡路島サイクリングの難所の一つ。立川の急坂地帯だ!
登れども登れどもきつい坂が終わらない。峠だと思ったところが九十九折りの登り坂の途中だったりして、坂の真ん中あたりですっかり心が折れてしまった。ロードバイクを下りて、とぼとぼと押して歩く。夏の日差しが熱い。
道路脇には岩屋(淡路島最北端)よりスタートしたサイクリストのために、定期的にキロポスト看板が立っている
そしてこの立川の急坂地帯は人里離れた山中にあるので、心が折れてもエスケープすることができない。どれだけ人里離れているかというと、道に普通に鹿が歩いてるレベル。僕、普通に鹿と目が合った。写真撮ろうとしたらシカトされてどっか行っちゃったけど。
それでも、人里離れた山の中を心細さに耐えながら進んだサイクリストにはご褒美がある。
「探偵!ナイトスクープ」でも紹介された珍スポット「立川水仙郷」(今回は立ち寄らなかった)を過ぎると…
目の前に絶景が広がる!これはここまで頑張ってよかったと思える。殆ど押して歩いたけど!
だけど立川水仙郷が見えたら、立川の急坂地帯もそろそろ終わり。上り坂があれば当然下り坂もあるので、スピードに気を付けながら爽快な下り坂を楽しんでいると…
海がどんどん近づいてくる。
そして、ついに海岸線の傍まで戻ってきた。人里離れた環境なのは変わらないけれど、目の前が開けているのと鬱蒼としているのとでは精神的に全然違う。
それにしてもお腹が空いてきた。洲本バスセンターを出発したのが10時30分で、立川の急坂地帯を抜けた頃はおよそ11時30分。バスに乗り遅れないために張り切って早起きして早く朝食をとったこともあって、お腹が空いていた。
そういえば、さっきから道端に「淡路島カレー」とかいう看板が何度も見えていた。何もない人里離れた道だと思っていたけれど、おそらく沿道に何か飲食店があるということなのだろう。最初の補給地点として、まずはそこを目標に進んでいく。それにしても進んでも進んでも景色が変わり映えしない!
それでもペダルを動かし続けている限りは前に進んでいくわけで。右手の方に開けた駐車場と大きな建物が現れた。
こちらは「淡路島モンキーセンター」という猿園で、野生のサルを眺めることができる。
沿道にずっとあった「淡路島カレー」の看板は、モンキーセンターの駐車場にあるレストラン「ちゃりこ」のものだったようだ。ロードバイク専用ラック(これがあるとすごくありがたい)に駐輪し、休憩に入った。
淡路島カレー(1200円)後日別記事で詳しく紹介します⇒更新しました
看板にあった淡路島カレーを食べて、冷たい水をがぶがぶ飲んで空腹と渇きを癒し、Googleマップで福良までの残り距離を確認する… うっ。まだ大分あるぞ…!
今回進んだルートはこんな感じ。洲本バスセンターからお食事処ちゃりこまで、およそ21.1km。だけどかなりきつかったのに福良まではまだ結構ある。果たしてなまこマンは自ら足を踏み入れた淡路島南岸から無事に抜け出すことはできるのか!?
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