皆さんは「鳴門うどん」を知っているだろうか。
名前の通り徳島県鳴門市周辺地域で食べられているご当地うどんで、近年は「鳴ちゅるうどん」とも呼ばれている。
そんな鳴門うどんを、中前川町の「手作りうどん 鳴門」にて味わってきた。
店名は「鳴門」で、提供しているのも「鳴門うどん」だけど、所在地は徳島市中前川町だ。
小さめの店内は素朴な雰囲気で、昼時ということもあってお客さんが次々とやってきていた。席はあまり多くなくて相席になりがちだけど、テーブルは広く、相席しやすい雰囲気がある。
入口の所にぐつぐつと煮えたおでんがある。美味しそうだったのでおかみさんに声をかけ、大根と餅巾着を頂くことにした。値段は1つにつき100円。
大盛うどん、おでん(大根、餅巾着)(600+100+100円)
現在の鳴門市のあるあたりはかつて、塩田地帯だった。鳴門うどんは塩田の労働者向けに「柔らかく食べやすい食事」として提供されていた料理で、それが食文化として地域に根付いて今に至っている。
2000年代より「鳴ちゅるうどん」の呼称が用いられるようになり、B級グルメブームの波に乗り地域でPRされている。
また、鳴門市のみにとどまらず徳島市などの周辺地域でも鳴門うどんを提供する店が出店しており、鳴門うどんを味わうことができる。
鳴門うどんの特徴は、不揃いな太さの柔らかく縮れた麺。お隣香川県のご当地うどんである讃岐うどんとは真逆で、コシがなくふにゃふにゃの食感だ。
黄金色のだしは鰹節系のあっさりとした素朴な味で、ねぎとちくわと油揚げをトッピングする。
柔らかい麺をちゅるちゅると啜り、あっさりと澄んだだしを頂く。とても素朴で優しい味わいで、胃の調子が悪くてもするすると食べられる。
付け合わせのおでんは、うどんと同じ系統のだしでしっかりと煮込まれていて、やや甘めの味がとてもしみている。大根はほろほろでとても軟らかく、餅巾着の油揚げもだしをよく吸っている。中の餅は白玉のように柔らかく歯切れのよいものだった。
シンプルな味わいだからこそ、卓上の様々な調味料でのカスタマイズが楽しい。乾燥ゆず皮の「ゆずパッパッ」は初めて見たけれど、試してみたら美味しかった。
優しい味わいの鳴門うどん。徳島にいらした際には、ぜひ試してみてほしい!
ですがいくらお腹に優しいとはいえ、大盛りはちょっと調子に乗りすぎました…
徳島県徳島市中前川町5丁目1-6
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