なまこマンには中国人の友人がいます。大学院の後輩にあたる留学生で、過去にも鳴門公園まで一緒に行ったりとかしています。ここでは仮にJさんとしておきましょう。
そんなJさんがある日、僕をおすすめの中華料理店に誘ってくれました。それも、中国人である彼のお墨付きの本格的な店です。
なんでも、手延べラーメンが人気のお店で、店主の麺捌きが神業なのだとか…
これは気になります!気になりすぎます!!
というわけで、早速Jさんに案内してもらいました!
北京出身のご主人が作る本格中華料理
こちらがJさん一押しの中華料理店「龍生」です。住吉のブックオフの隣にあります。
ご主人の鹿さんは北京出身とのことですが、こちらの店では北京料理に限らず、中国の幅広い地域の料理を提供しています。
日本に出店する海外の料理の店は往々にして味付けが日本人好みに調整される場合が多いですが(逆もしかり)、龍生の中華料理は一皿一皿がご主人の手で丁寧に作られており、中国の製法や味にこだわっています。
たくさんのメニューを頼んだので、一つずつ紹介していきます!
回鍋肉
ご飯をモリモリ食わせてくれる中華料理といえば、回鍋肉ですよね!
豚肉、キャベツ、赤ピーマンに加え、玉ねぎときゅうりが入っているのが特徴です。回鍋肉にきゅうりを入れるのは珍しいですね。
日本でよく食べられる回鍋肉は甜麺醤を使った、どちらかというと甘辛い料理のイメージですが、龍生の回鍋肉はタレの甘さが控えめで、しっかりしょっぱくてコクがあります!
ご飯にはもちろん合いますし、ビールとの相性も良さそうですね。
ラム肉の串焼き
こちらは中国語での料理名がわかりませんでしたが、たっぷりのスパイスをまぶしたラム肉を串焼きにした一品です。
食欲をそそる良い香りがしています。気になるそのお味は…
辛っ!!!!!
スパイスのほうがしっかりときいています!クミンやコリアンダー等、スパイスの香りがラム肉のクセを打ち消して食べやすいものにしてくれていますね。肉質は脂身が少なく、それでいて柔らかく、程よい歯ごたえもあります。
エスニックな風を感じる一品でした!
ちなみに20串ぐらいオーダーしたらしくて、ものすごくたくさん来ました(笑)
焼き豚まん
こちらは龍生の人気メニューの1つらしいです。皮がパリパリになるまで焼き上げた肉まんですね。
月並みな表現にはなりますが、表面はパリッと、内側はもっちりとした食感で、ほんのりと甘さもあり、もう皮からして美味しい肉まんでしたね。
中身の餡はとてもジューシーで、それでいてスパイスの香りを感じられます。
このスパイスの香りが日本の肉まんとの大きな違いであるように思いますね。中国もなかなかのスパイス文化なのだなと感じました。
実はこちらは当初オーダーする予定ではなくて「包子」と「餃子」を間違えて注文してしまったそうです(笑) ですが美味しかったので結果オーライ!
焼き餃子
日本にもすっかり馴染んでいる餃子ですが「中国では餃子といえば水餃子がメインで、日本で食べられているような焼き餃子はあまり食べられていない」というのは有名な話かと思います。
ですが龍生では焼き餃子も提供しています。真ん丸な形がかわいらしいですね。
もっちりとした食感の薄皮が弾けて、肉汁がジュワッと広がる、非常にジューシーな餃子です!そして、たっぷり入ったニラの風味がすごいです。とても元気が出そうです。
餃子にはこちらの香醋(中国の醸造酢)をつけて頂きました。味も香りも鋭さがなく、まろやかなお酢ですね。
じゃがいもの炒め物
千切りにしたじゃがいも、ピーマン、きくらげ、豚肉の炒め物です。
じゃがいものシャキッとした食感と、オイスターソースの旨味が癖になる一品でしたね!これはご飯消失案件です!(え)
日本料理や西洋料理ではとかくじゃがいもをホクホクに仕上げがちですが、こんな風にシャキシャキと食べるのもありなのか、と目から鱗が落ちた気分です。
まあ龍生さんの味には及ばないかもしれませんが、自分でもぜひ似たような一品を試してみたいですね。
棒棒鶏
きゅうりと鶏肉に、濃厚なごまだれをかけた一品です。
このごまだれがまた、ごまの濃度が半端なかったです!日本のごまドレッシングなんて目じゃないぐらい、ごまがタレの中にたくさんいます!
ほのかに甘いごまペーストの濃厚さと、さっぱりとした鶏肉やきゅうりのバランスが非常に絶妙でしたね。
店主の神業麺捌き
最後に牛肉麺を注文したのですが、Jさんが「なまこマンのブログの良いネタになるだろう」と気を利かせてくれたのか、ご主人に麺打ちを見せてくれるよう頼んでくれました。そして、見事に快諾してもらえたので、厨房の近くで見せて頂くことにしました!
当ブログ初のGIF動画で感動の瞬間をご覧ください!
牛肉麺をはじめとした龍生のラーメンは、1本の麺帯をどんどん細くしていって作っているのだそうです。この作業は生地の柔らかさを均等にする工程なのだとか。
それにしても、ずいぶんとダイナミックな動きですね!麺帯を華麗に操るご主人の技術が見事です。僕がやったら絶対に最初のところで麺帯がプチッと切れてべちゃっとなってしまうと思います(笑)
そして、柔らかさを均等にした麺帯はあっという間に1本から2本、2本から4本、4本から8本と細く長い束になっていきます。
十分細くなったそれを、さっと茹でたら完成します。ちなみに麺はざるに入れず、そのまま鍋に放り込んで箸で取るとのことです。1本の長い麺ゆえに鍋の中でばらけることがないから、ざるで掬う必要性がそもそも無いのだとか。
こちらが龍生の牛肉麺です!
麺はとてももっちりとしていて、小麦の風味もしっかりと感じられます。日本のラーメンとは形こそ似ていますが、印象が全く違いますね。打ちたての鮮度の良い麺だからこそ、ですかね。
スープは辛くはありませんがスパイスの香りが感じられて、これまた日本のラーメンとは印象の異なるエスニックな味わいです。
トッピングの牛肉の塊は非常に柔らかく、味がしみていて、とても食べ応えがありました!
箸休めの中国トーク
縁あって徳島に来てくれている留学生。以前、Jさんとはまた別の留学生に、僕はこんなことを聞いてみました。
徳島ラーメンって食べるの?
するとこんな答えが返ってきました。
徳島ラーメンは味が濃すぎるので苦手です…
……確かにあの牛肉麺も塩辛い感じではありませんでしたからね。中華料理は、塩分よりもどちらかというとスパイスの風味で料理の味を調整していくのかもしれないですね。ちなみにJさんは日本のラーメンも普通に食べます(笑)
また、こんな話も聞かせてくれました。
(中華料理は辛いイメージがあるけれど)私は辛い物は苦手です。
辛い料理が好まれるのは、四川省を含めた中国の南のほうらしいですね。また、主食の文化も違うらしく、中国の南部では米がよく食べられている一方で、北部では米にはあまり馴染みがないらしいです。
日本の東と西でも、うどんやそばの汁の色が濃かったり薄かったりといった違いがあるぐらいですし、日本より広大な中国だったらなおさら食文化も大きく違ってきますよね。
旨いものは心を繋げてくれる
たくさんの本格的な中華料理を頂き、僕もJさんも大満足でした。
つくづく思うのは、旨い食べ物って、誰に対しても平等に旨いんですよね。出身の国が違っても関係ありません。この際、好き嫌いの話は置いておきますよ。
同じ食卓を囲んで旨いものを食べ、会話を弾ませたことで、僕もJさんとより仲良くなれた気がします。
そしてご主人の鹿さんも、麺打ちの見学を許可してくださった以外にも、メニューを丁寧に説明してくださったりなど非常に親切に対応してくださって、とても気持ちよく食事をすることができました。
中国の方ですが、日本語も非常にお上手で、麺打ちの見学の際にも一つ一つの工程の意味を日本語で説明してくれました。
その節は本当にありがとうございました!
ぜひまた食べに行きたいと思います!
徳島県徳島市住吉5丁目3-55
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