那賀町は鷲敷、相生、上那賀、木沢、木頭の5町村が合併して誕生した広大な町で、国道195号線が町を東西方向に貫くように走っています。
もみじ川温泉のある旧相生町を過ぎたあたりになると周囲も山深くなっていき、休憩スポットやガソリンスタンドなども殆ど無くなってしまいます。中でも旧木頭村はかなりの過疎地域にあたるわけなのですが、徳島の過疎地域は元気なのです。
今回は木頭エリアの元気の象徴である「未来コンビニ」にお邪魔してきました!
いやぁ、今日の目的地は未来コンビニだったんですね!
そうでーす。SNS映えしそうじゃん?
僕もずっと行ってみたかったんですけれど、徳島市内から片道100km近く離れていますからね… ロードバイクでの日帰りは厳しいですよ…
なまこのわがままで往復200kmも走らされたら、さすがの楓でもキレるでしょうねー。
徳島の最果ての地にある憩いのオアシス
旧木頭村は「四国のチベット」と呼ばれるほどに山深い場所にあります。徳島市からも高知市からも車で2時間以上かかるような場所であり、なかなかの秘境です。
それほどの山間地域だから、ドライバーから見ても休憩施設がほとんど無いし、地域住民から見ても小売店がほとんど無いような状況だったのですが、この問題を解決したのが2020年4月にオープンした未来コンビニです。
未来コンビニは高知県との県境にほど近い場所にあります。阿南市方面から国道195号線を西に進んでいると、途中で何度か道が狭くなったりしますが、そのエリアを過ぎると右手に近代的なデザインの建物が見えてきます。
黄色いY字型の柱が張り巡らされた、一面ガラス張りの建物はスタイリッシュで、まさに店名通りの「未来」を連想します。
未来コンビニは世界三大デザイン賞の一つである「RED DOT DESIGN AWARD 2021」に、ドイツ建築デザイン賞「ICONIC AWARD 2021」といった国際的なデザインの賞を二つも受賞しています。
この受賞をきっかけに、全国区のメディアでも報道されました。
デザインコンセプトは「自然との共生」で、柱の黄色は特産のゆずをイメージしているようです。
店内はヤマザキショップとカフェスペースで構成されています。
特産の木頭ゆずを使用したお土産のみならず、日配食品や生鮮食品なども取り扱っています。観光客やドライバーのためだけの施設というわけではなく、何より地域住民の普段使いも考えられているわけですね。
玄関近くに置かれた、木頭図書館の図書返却ボックスからも、この未来コンビニが木頭の人々にとっての憩いの場であり、重要なインフラでもあることが伺えます。
実際にこの未来コンビニは、地域の買い物環境の改善も意図して作られており、いわゆる「買い物難民」状態だった旧木頭村の人々も未来コンビニのオープン以降は買い物が容易になりました。特にこれまで入手の難しかった鮮魚類は売れ筋の商品なのだとか。
未来を創る未来コンビニ
「未来コンビニ」という店名には「地域の未来を担う子供たちにたくさんの文化や価値観に触れてもらい、未来を紡げる大人に育ってほしい」という願いが込められているそうです。子供は地域の宝ですが、少子化の進む過疎地域では特にそうでしょう。
カフェスペースには子供の知的好奇心をくすぐるような書籍が多数並べられています。
また、未来コンビニの建っている場所は廃校となった小学校(那賀町立北川小学校)の跡地です。
小学校のあった当時の様子を伝えるパネル展示もあります。
北川小学校は1881年の創立で、廃校は2017年と、実に136年の歴史を誇っていました。廃校した後もなお、子供たちを見守り育む温かい場所であり続けているわけですね。
柚子カフェでゆず塩ソフトを頂く!
前述の通り、店舗の奥の方はカフェスペース「柚子カフェ」になっているわけなんですよ。ドライブ中の休憩にピッタリな、腰を落ち着けて休める場所になっています。
フードメニューはコンビニのレジで注文する形式です。
インスタ映えしそうなおしゃれなドリンクや、ソフトクリーム、ホットスナックなど、幅広い軽食メニューが揃っています。しかも、特産のゆずを活用したメニューも粒ぞろいです。
今回は「自然放牧ソフトクリーム」のゆず塩トッピングを頂きました。
岩手県のなかはら牧場にて、自然放牧のノンストレスな環境で育てられた牛の上質な牛乳を使ったこだわりの逸品です。
えっ… ゆず塩って、合うの?
男は度胸。なまこも度胸です!何でも試してみましょう!
へぇ。いけるじゃない!
そうですね!ゆずの香りと風味が爽やかです!
ミルクソフトクリームにゆず塩をかけた、非常にシンプルで男らしい一品ですが、これはいけますね。塩気がソフトクリームの甘味を引き立てつつ、ゆずの香りが奥ゆかしくふんわりと爽やかに香るんです。
さっぱりと食べたいときに、おすすめのフレーバーですね。
木頭の未来から目が離せない
地域に寄り添いながら様々な取り組みをする未来コンビニは、老若男女問わず親しまれ、地域の人々にも観光客にも愛されています。店員さんが地域のお年寄りと親しく話していた姿も印象的でしたね。
未来コンビニの運営元である「KITO DESIGN HOLDINGS」は、木頭村出身の実業家、藤田恭嗣さん1が地元の地域創生のために興した会社とのことで、将来的には未来コンビニの近隣に「マンガライブラリーホテル」という世界最大級の漫画図書館を作る計画もあるそうです。完成したら、四万十の海洋堂ホビー館のごとく盛り上がりそうですね。
魅力的な場所に人は集い、そこに賑わいが生まれます。地域の魅力を余すことなくアピールする未来コンビニは、きっとこれからの未来にも賑わいを作り続ける事でしょう!
徳島の田舎は、やっぱり元気!
(未来コンビニの公式サイトはこちら↓)
那賀郡那賀町木頭北川いも志屋敷11-2
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