名古屋の街はとても広いです。繁華街の栄・大須や、名古屋駅前(名駅)等、広い市内に市街地が点在しています。ゆえに、わざわざ中心の繁華街まで出て行かずとも、住んでいるエリアの周りだけで生活が完結してしまいます。僕の現在の拠点は名古屋の東の方なのですが、中心市街地のほうへはあまり行く機会がありません。なので、休日に、あまり行かない遠くの方へと冒険してみることにしました。
今回の目的地は「名古屋港ガーデンふ頭」です。訪問日である2023年7月17日には「海の日名古屋みなと祭」が開催されていました。大きな花火大会の開催されるイベントなのですが、お昼にも「名古屋港筏師一本乗り大会」というイベントが開催されるようです。
名古屋港ガーデンふ頭の施設を見学しながら、海の日名古屋みなと祭も満喫してきました!
今回の記事は、4部構成となっています!続きの記事は随時更新予定です。
職人技にびっくり!名古屋港筏師一本乗り大会
名古屋港ガーデンふ頭は、地下鉄名港線名古屋港駅から南へ歩いてすぐの場所にあります。
ガーデンふ頭のほうへ歩いていくと、早速、海の日名古屋みなと祭の看板を見つけました。目玉の花火大会は夜7時半のスタートですが、明るい時間帯にも数々のイベントやパレードが開催されるようです。
中でも興味深かったのが、こちらの「筏(いかだ)師一本乗り大会」です。屈強な男が竿を手に、丸太の上に乗って水上を渡っています。この「いかだ」って、そもそも船の形すらしていない丸太なんですね!これは超絶技巧の予感です!
筏師一本乗り大会の会場は「南極観測船ふじ」のすぐそばの船着き場です。意味深な丸太や角材が浮かんでいますね!
名古屋港の筏師の「一本乗り」とは、お察しの通り、水上で丸太や木材を運搬するための技術です。船から水上に荷下ろしされた木材に筏師が乗り、それを操縦して、貯木場等に移動もとい運搬をします。この技術は、名古屋市無形民俗文化財に指定されています。
鉄道やトラックによる木材輸送技術が発展するまでは、木材は川で運搬されていました。上流域にて、切り出された木材を組み合わせて「筏」を作り、それを下流の目的地(貯木場や港等)まで運搬するのです。名古屋港には、名古屋城築城に伴い木曽川上流域の木材が集まるようになり、それと同時に木曽の筏師たちも名古屋に定着するようになり、技術を伝えてきました。
現在、名古屋港では、主に船により木材が運搬されています。それでも、どれだけ機械化が進もうとも貯木場と船との間はアナログな方法で木材を運搬する必要があるので、筏師は今なお活躍しています1。
ちなみに、2023年度は、コロナ禍を経ての4年ぶりの開催だったようです。
筏師たちや実行委員会が集まり、開会式が始まりました。いよいよ筏師一本乗り大会のスタートです。
名古屋港の筏師たちの一本乗りの技術には、様々なものがあります。筏師一本乗り大会では、笛と太鼓のお囃子に合わせて、様々な筏乗りの技術が披露されます。
こちらは、若手筏師による「一本乗り」です。丸太の上に乗り、長い竿で漕ぎながら水上を進んでいきます。当然ながら、丸太というものは人が乗ることを前提に作られているわけではありませんからね。それに乗るだけでもかなりのバランス感覚を要するだろうに、さらに漕いで水上を進むわけですから…
筏師は難なくこなしているように見えますが、相当すごいことですよ!
続いて披露されたのは「角相乗り(かくあいのり)」という技術です。名前の通り、角材に二人の筏師が相乗りするのですが…
これまた凄いのがきましたよ… 角材に、進行方向と逆の方向を向いて乗り、足踏みして角材を転がしながら後ろ向きに進んでいきます。こんなの、自分の技術に相当自信が無ければ怖くてできませんよ!
続いて「曲乗り(きょくのり)」が披露されました。「曲乗り」の「曲」は「曲芸」の「曲」と思われます。様々なパフォーマンスをしながら筏に乗る技術で、今回は筏師が駕籠(上の写真の赤丸の部分)を担いで角材に乗ります。なお、駕籠には子供が乗っています。これは落としたら相当大変なことになりそうですが…
筏師たちはこんな無茶に思えることも簡単にやってのけるのだから、相当な技術ですよね!
続いては筏師の筏乗りではなく「おんぽい節」が披露されました。おんぽい節とは、木を運ぶときの「おんぽいえー!」という掛け声(≒木遣り歌)に由来する舞いです。岐阜県中津川市付知町の「おんぽい節保存会」により受け継がれており、中には高校生の踊り手もいました。ゆったりとした動きの、優雅な踊りでした。
こちらは、木材運搬に由来していた筏師の技術とは一線を画す「ロッグ・ローリング」です。大きな丸太に二人の筏師が乗り、それぞれが筏を回して、相手を振り落とす競技です。元々はカナダの競技で、名古屋港の筏師が世界大会でチャンピオンに輝くなど、目覚ましい活躍をしたそうです。
駆け引きあり、水をかけあう等のラフプレー(?)ありの、見ている側もなかなかハラハラとさせられる競技でした!
最後に、一般の参加者による10人乗りロッグ・ローリングが行われました。(この写真は本番ではなく、開会前に行われた練習の様子ですが、本番もこんな感じでした)
大きな丸太の上に参加者10人と、筏師が乗ります。そして、筏師が丸太をランダムに回すのに対し、参加者たちは振り落とされないように丸太の上で踏ん張ります。昔遊んだ「マリオパーティー」のミニゲームにも似たようなのがあった気がします!(え)
落ちまいと必死で食らいつく参加者たちと、落とそうとする筏師との駆け引きが熱かったですね。そして、落ちるたびに参加者たちの黄色い歓声が上がっていました(笑) 猛暑の中でしたが、見た目にも涼しいアトラクションでした。
筏師一本乗り大会は、名古屋港の筏師たちの練度の高さを間近で見ることのできるイベントでした。この超絶技術は、廃れていくには惜しいです。これからも脈々と受け継がれていってほしいものです!
4年ぶりの大規模花火大会!
その後も、花火大会までの間、ガーデンふ頭の広場や近隣の道路等でパレードが開催されました。2023年の海の日はよく晴れていましたが、同時にとても暑い一日でもありました。最高気温は37.4℃まで上がりました。こんな暑い中で素敵なパフォーマンスを披露して下さった方々に敬意を表します。
暑さは抜けないながらも、日が少し傾いてきたので少しばかりましになりました。花火の打ち上げ地点近くにて、座って待機することにしました。
名港トリトンのよく見えるロケーションです。
打ち上げが近くなり、人も大幅に増えてきました。
……なんだかみんな楽しそうですね!ぼっちで来るべき場所じゃなかったんじゃないのかな!(え)
東海エリアで活躍するスタジアムDJのYO!YO!YOSUKEさんのMCが、会場の雰囲気を少しずつ盛り上げていきます。
そして、いよいよ…
上がった!でかい!!
ついに、花火が上がりました!
この花火大会も、コロナ禍を経て4年ぶりの開催でした。ゆえに、多くの名古屋市民が待ちわびていました。溜まりに溜まった思いを込めて、大玉やスターマインがばんばんと打ちあがっていきます。
写真には写っていませんが、花火たちが海に映えるんですよ。遮るものも一切なく、見事な大玉花火の数々を楽しめました。
ハートや幾何学模様、名古屋港のキャラクター「ポータン」の顔を象った花火等、面白い形の花火もたくさん上がりました。
記事用に花火の写真をたくさん撮りましたが、一方で、花火は自分の目の前で弾けて消える様子を見てこそ風情があるものだとも思います。あっという間に消えてしまうからこそスマホのカメラに収めたい気持ちもわかりますが、せっかく目の前に大輪の花火がパッと光って咲いているのに、画面ばかり見ていたらもったいないじゃないですか!
途中からはカメラを向けるのも忘れ、次々と打ちあがる花火の数々に夢中になっていました。
海の日名古屋みなと祭 まとめ
2023年の海の日(7月17日)に開催された「海の日名古屋みなと祭」は、コロナ禍を経て4年ぶりに様々なイベントが開催されました。
名古屋港筏師一本乗り大会は、名古屋港の筏師たちの超絶技術に目を奪われっぱなしでしたし、花火大会も海に映える花火が実に見事でした。そして、猛暑の中を見事なパフォーマンスを見せてくれたパレード参加者の皆様もお疲れさまでした!
名古屋港ガーデンふ頭 臨港緑園つどいの広場
愛知県名古屋市港区港町1
「南極観測船ふじ」見学記事へ続く…↓
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