カツ丼といえば、とんかつと玉ねぎを甘辛い醤油ベースのつゆで煮込んで卵とじしたものをご飯の上に乗せた料理ではありますが、この調理法には一つ、注目しなければならない重大な点があります。それは、煮込むことによって、とんかつにおけるセールスポイントの一つである「サクサク感」をかなぐり捨てているということです。甘辛いつゆが染みこんだ衣も美味しくはあるのですが… ゆえに、カツ丼やカツ煮といった料理は、この「つゆのしみ込んだ衣が許せるか否か」という点で賛否が分かれる印象があります。
しかし、近年、カツ丼界に一つの新しい動きが起きているようです。それは、卵でとじず、とんかつの衣がサクサクな状態を保った「とじないカツ丼」の登場です!ソースカツ丼や味噌カツ丼とも、少し違った一杯です。
そんなとじないカツ丼を楽しめる店が、名古屋にもあります。北区の「かつ丼あらた」は、全国区のテレビ番組でも紹介されたこともある人気店です!ふわふわ卵と、サクサクの衣と、ジューシーな肉を贅沢に楽しめる、かつ丼あらたのとじないカツ丼を満喫してきました!
千種区から北区へと移転
かつ丼あらたは北区大我麻町の国道41号線沿いにあります。名二環および名古屋高速1号楠線の楠ICのすぐそばです。
前述の通り、様々なメディアで紹介される人気店です。メーテレの夕方のワイドショー「ドデスカ+」の「うましゅんランチ」や、TBSテレビの「バナナマンのせっかくグルメ!!」等でかつ丼あらたのとじないカツ丼が紹介されていました。
訪問時(2024年10月下旬)付近には、ジェイアール名古屋タカシマヤにて開催されたせっかくグルメのイベント「バナナマンのせっかくグルメ!!博覧会」にかつ丼あらたが出展しており、その関係で臨時休業していました。店舗のホームページによると、訪問した日が丁度営業再開の初日だったようですが、一方でGoogleマップでは臨時休業のままとなっており、実際に店舗に訪れたときには丁度シャッターが下りているようにも見えてしまったのでかなり焦りました。(写真右側に注目)
……と、ここで唐突に当ブログの運営の裏話です。
記事のネタ切れを起こさないために、いつも大体1~2か月分(記事の数で言うと15~30本分)ほど、記事のネタ候補のアイディアを溜めてあります。
それらのネタは基本的に、6割ほどはアイディアを出してから間もなく、実際に訪問して記事になる(予約投稿をする)のですが、2割は様々な事情でお蔵入りになってしまいます。では、残りの2割はどうなるかというと「急遽別の良さそうなネタが見つかった」等の理由でどんどん別のネタに差し替えられ、消化されないまま放置されてしまうのです。
実は、かつ丼あらたもその「放置され続けたネタ候補」の一つでして… 放置がちになっていたのには「千種区内(=中の人の行動範囲の近く)だから、急がなくてもいつでも行けそう」や「昼しかやっていない人気店だし、テレビでも紹介されているから、行くタイミングを選ぶのが難しい」等の理由がありました。
……そして、放置し続けた結果、2024年9月16日に千種区萱場の出来町通沿いにあった旧店舗は閉店し、10月3日に北区大我麻町へと移転したのでした。今回は移転で済んだから良かったものの、あまりネタを寝かせすぎると最悪、場所そのものが無くなって訪問できなくなるという事態になってしまいかねないということを実感しました(苦笑)
とじない「特上リブロースかつ丼」に感動!
かつ丼あらたでは1日にとんかつを50個仕込んでおり、売り切れ次第営業終了するとのことでしたが、開店から約30分経過した午後0時時点で、既に「特上リブロースかつ丼 並」が売り切れていました!平日だというのに!!
無いものは仕方がないということで、席に着いてメニューを見てみます。メニューはカツ丼とカツカレーという、カツとご飯を使う料理の二大巨頭が揃っています!カツ丼とカツカレーの肉は通常のロース肉と、特上リブロース肉から選ぶことができ、さらにそれぞれに上と並があります。上と並の違いは、肉の重量の違いで、上は300g、並は180gとなっています。
というわけで「特上リブロースかつ丼 上」を注文しました!
えっ、特上リブロースかつ丼は売り切れだったんじゃないかって…?
ダメ元で店員さんに特上リブロースかつ丼があるかどうか聞いてみたところ、あくまで売り切れていたのは並のほうであって、上はあるということだったので、それならば、と、上を注文しました!
蓋をどけると、こんな感じです。きつね色に揚がったとんかつが、サクサクのままの姿を保っています!ふんわりと焼かれた卵の上に、堂々と鎮座しています。
まずはとんかつをそのまま一口食べるのがおすすめとのことだったので、早速頂いてみます!
これは角煮か!?
これは角煮ではありません。とんかつです。知ってます。ですが「角煮なのではないか!?」と思ってしまうほどに、肉がしっとりと柔らかく、脂の甘味が際立っているんですよ。肉は丹念に低温調理されており、ゆえに、このしっとり食感が実現されているのです。みっちりとした肉質のロース芯の上に、霜降りの肉が被っているという、リブロース肉の構造もまた、この食感に寄与しているものと思われます。
とじないカツ丼であるゆえに、衣のサクサク感も保たれています。衣は付き方が薄めですが、カリッとした食感は強く存在感があります。敢えて生パン粉を使用せず、カリサク食感を強調しているのだそうです。
卵はトロトロで優しい口当たりで、とんかつとの絡みも良好です。とんかつと卵が同時に口に入ると、やはり「ソースカツ丼でも味噌カツ丼でもなく、カツ丼を食べている」という感じがしますね。
そして、卓上には様々な調味料が置かれています。これはとんかつの味変用の調味料です。
蓋を取り皿代わりに、様々な調味料を試すことができます。
一番良かったのは粗塩ですね!とんかつの旨味をシンプルに引き立ててくれますし、卵にも合います。
とじないカツ丼という料理そのものを、今回初めて頂きましたが、ここはカツ丼の肝となるとんかつがとても美味しく仕上がっています!並んででも食べたい味だというのも頷けますね。
かつ丼あらた まとめ
かつ丼あらたは、北区大我麻町にあるとじないカツ丼の店です。2024年10月に、千種区より移転しています。
メニューは特上リブロースかつ丼、ロースかつ丼、特上リブロースかつカレー、ロースかつカレーの4種類あり、さらにそれぞれに上と並があります。上はとんかつ300g、並は180gとなっています。さらに、+110円(税込)でご飯大盛、+55円(税込)で卵の増量ができます。
なんといっても、低温調理でじっくりと仕上げた柔らかくジューシーなロース肉やリブロース肉のとんかつがたまりません!サクッとした衣の中に居る、角煮のごとき柔らかさの豚肉に齧りついたときの驚きは忘れられません。
主にランチタイムにのみ営業していますが、1日限定50食が売り切れてしまうと、閉店時刻を待たずに終了となってしまいます。ですが、この柔らかくジューシーなとんかつは、ぜひとも味わって頂きたいです!
かつ丼あらた
愛知県名古屋市北区大我麻町85-1
営業時間:11:30~14:30(売り切れ次第終了)
定休日:水曜日(その他、不定休あり。店舗ホームページ参照)
※訪問時点での情報です。
かつ丼あらたのWebサイトはこちら↓
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