「道の駅巡りの際にどこで何を食べるか」というのは、悩みどころのひとつです。道の駅の記事を書こうとすると、撮れ高がどうしても食ネタになりがちなんですよ。同じ町内や市内にある道の駅だと、物産館の品ぞろえが似たり寄ったりなことも多く、ゆえに、物産館だけでその道の駅ならではの撮れ高を見つけるのが難しいです。一方で、飲食テナントは道の駅同士でメニューが被らないことが多いので、スナックコーナーの軽食や、レストランの料理は有力な撮れ高になってくれます。ただ、いくら僕がちょっとだけ大食いに自信があるといえど、常人の域は出ないので、一日に多くの道の駅を巡るようなスケジュールの場合には、途中でおなかいっぱいになってしまうという問題があります。食べたかったり、気になったりしても、お腹に収まるビジョンが見えないので、泣く泣く見送るということもしばしばです。

愛知県瀬戸市の道の駅瀬戸しなのにお邪魔した際にも、僕は究極の選択を迫られました。それは、昼食をフードコートの「せとめし食堂」と、ラーメン店「麺屋祥」のどちらで頂くかということです。せとめし食堂では、ずっと食べたかった本場の「瀬戸焼そば」を食べられる一方で、麺屋祥では瀬戸豚から出汁を取って作った本格的な塩ラーメンを食べられるということで、どちらも非常に魅力的でした。簡単には選べませんが、かといって両方食べるというのもちょっと現実的ではないです。ビアンカとフローラのごとき、究極の選択です。
まあ、DS版のドラクエ5ならデボラ一択なんだが…。
だから、趣味がわかりやすいですね!!
ただ、今回は、静岡県御前崎市の道の駅風のマルシェ御前崎で朝ラーメンを食べ損ねたときとは事情が違います。名古屋から瀬戸市へは、レンタカーをわざわざ借りずとも、名鉄バスや名鉄瀬戸線で容易にアクセスできます。なので、道の駅瀬戸しなのに再訪問し、今度は麺屋祥の塩ラーメンを頂いてきました!
瀬戸豚の旨味が濃い豚清湯ラーメン

名鉄瀬戸線や名鉄バスを乗り継ぎ、道の駅瀬戸しなのに再訪問しました。麺屋祥は品野陶磁器センターに隣接しています。
看板には「瀬戸豚 中華そば」の文字があります。瀬戸豚というのは瀬戸市の特産品の豚で、その名の通り自然豊かな瀬戸市内で育まれています1。麺屋祥で提供されているラーメンは、そんな瀬戸豚をじっくりと煮込んで作った「豚清湯スープ」のラーメンです。清湯スープというと鶏ガラのイメージがあります。全く無いわけではないのですが、豚の清湯スープとはなんだか珍しい気がします。
入店して食券を買い求め、席に着きます。食券機は現金決済のみに対応しています。黒を基調とした内装の店内は、間接照明のおしゃれな、木のぬくもりあるモダンな空間です。

今回は、看板にも描かれている文字通りの看板メニュー「瀬戸豚塩そば」を注文しました。器の底が見えそうなほどに、すっきりと澄んだ美しい色のスープです。これが噂の豚清湯スープですか…。
一口啜ってみると、その旨味の強さに驚きます。すっきりと澄んだ色をしているのに、豚の旨味の密度が濃く、見た目以上にずっしりとした味わいなのです。塩ダレの味にも角が無く、すっと舌に馴染みます。全体的に優しい味わいではあるのですが、ほんのりとワイルドさも感じられます。

麺は細麺で、適度に滑らかで歯切れの良い食感です。スープがスルスル、ゴクゴクと飲める味わいなので、麺もそれに合わせてスルスルと啜れる感じです。
トッピングは味玉、海苔、チャーシュー、刻み玉ねぎ、三つ葉、干しエビです。味玉は黄身がトロトロの仕上がりの半熟で、甘辛いタレの味が良く染みた完璧な仕上がりです。チャーシューは歯触りが良く、豚肉の旨味が豚清湯スープによく馴染みます。豚清湯スープもまた、チャーシューの旨味を補強しています。三つ葉や玉ねぎといった薬味の数々は、口当たりをさっぱりとさせてくれます。
スルスル、ゴクゴクとスープを飲みつつ食べ進めていくと、終盤にはスープの印象が変わるのが面白いです。終盤には豚の旨味よりも、塩ダレに合わされたホタテの旨味や甘味を前面に感じられるようになります。最後の一滴まで、楽しみたくなるスープです。

瀬戸豚塩そばといっしょに、サイドメニューの「瀬戸豚チャーシュー丼」も注文しています。瀬戸豚のチャーシューを刻んで炙ったものをご飯の上に乗せ、背脂と甘辛いタレをかけたものです。やっぱり「炙り」は強いですね。香ばしさが食欲を刺激します。柔らかくみっちりとした噛み応えと、豚の旨味も最高です。どちらかというと味がはっきりとしているので、瀬戸豚塩そばの豚清湯スープと一緒に食べると、味のコントラストがとても楽しいです。
麺屋祥 まとめ
道の駅瀬戸しなのにあるラーメン店「麺屋祥」では、瀬戸市特産の豚「瀬戸豚」からじっくりと旨味を抽出した「豚清湯スープ」のラーメンを楽しめます。今回注文した「瀬戸豚塩そば」は、見た目通りに澄んだ口当たりでありつつも、見た目以上にぎっしりと詰まった豚の旨味が楽しい豚清湯スープを存分に味わえます。他にも醤油ラーメンの「瀬戸豚醤油そば」も提供しています。お土産もあり、店頭の冷凍自販機にて冷凍ラーメンを購入可能です。
こういう、地元の食材を活かして作るこだわりの一品というのは、どうしてこんなにも魅力的なのでしょうか。瀬戸豚の旨味を最大に生かしたラーメンの数々は、とてもおすすめですよ!
麺屋祥
愛知県瀬戸市品野町1丁目126-2
営業時間:11:00~14:30/17:00~20:00(夜営業は土日のみ)
定休日:月曜日、火曜日
※訪問時点での情報です。
麺屋祥のWebサイトはこちら↓
- 瀬戸豚で検索してヒットする「瀬戸のもち豚」とは異なります。そちらは広島県福山市の瀬戸牧場産の豚肉です。
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