道の駅紹介
岐阜-51 半布里の郷 とみか
2009年7月31日(第32回)登録、2010年4月28日開業
道の駅 半布里の郷とみか
岐阜県加茂郡富加町羽生2174-1
営業時間:
9:00〜17:00
9:00〜11:00(レストランモーニング)/11:30〜14:00(レストラン食事)/14:00〜15:45(レストラン喫茶)
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)、12月31日〜1月3日
【スタンプ】

【記念きっぷ】


※道の駅カード、記念指定券は取り扱っていません。
※訪問時点での情報です。
最古の戸籍の街
(シリーズ・岐阜県南部 日帰り道の駅巡りの旅)
道の駅半布里の郷 とみか(はにゅうりのさと とみか)は、岐阜県加茂郡富加町の国道418号線沿いにある道の駅です。
それにしても「とみか」って良い響きですね。子供の頃に集めてましたよ。……って、それは「トミカ」やないかい!Foo↑↑
一人で何を言ってるんですか!!



駅名の「半布里」は飛鳥時代の西暦702年に作られたという、現存する中では日本最古の戸籍「大宝二年御野国加毛郡半布里戸籍(たいほうにねん みのこくかもぐんはにゅうりこせき)」に由来します。この半布里戸籍は奈良の大仏がある東大寺の正倉院から見つかったものです。この半布里というのが現在の富加町にあたり、道の駅がある地域の地名「羽生」も半布里に由来すると考えられています。
この半布里戸籍は、半布里地域の住民に対する税の徴収、班田授受、徴兵、氏姓の確定などのために用いられていたといい、記載内容から、5戸ごとに共同で逃亡や納税に関しての連帯責任を負わされていたのだと考えられています。
全国各地から都に1万巻にも及ぶ戸籍が届けられたといい、さらにその戸籍は30年の保存期間が過ぎると本来は破棄されるはずなのですが、半布里戸籍の場合は東大寺の写経所へ払い下げられ、書写関係の長大な帳簿の一部に裏紙として使われたことで廃棄を免れたのだそうです。改めて、どんなものも長く保存するとそれだけで歴史を物語る資料となることを実感させられます1。
道の駅としては小規模で、施設はレストラン・軽食コーナー「郷の台所」、物産コーナー、情報コーナー、多目的広場から構成されています。郷の台所では地元の野菜や岐阜県産の米「ハツシモ」を使用した、フレンチベースの料理が揃うほか、ランチタイムを過ぎるとケーキセットでティータイムを楽しむことができます。また、モーニング営業もしています。物産コーナーには富加町内および、関市や美濃加茂市、恵那市といった周辺地域の野菜や農産加工品、お菓子などが揃っています。
なまこマン、あの「ヘボ飯」と再会!スズメバチを再び食す!
とある検索ワードでGoogle検索すると、道の駅半布里の郷とみかで売られている、とある郷土料理が上位にヒットします。僕は訪問する前からずっと、ここに行ったらそれを買おうと思っていました。
とはいえ、惣菜なので訪問時間的に売り切れてしまっていることも考えられました。見つからなかったときに備えての「別の撮れ高」も考慮すべきかもしれないと思いつつ、目を皿のようにして物産コーナーを歩き回っていると…。
あった!あったぞ!!

こ、この名前はまさか!!
探していたものを見つけました。そう、ヘボ飯です!ありがたいことに、半額引きで買えました。
ヘボ飯とは、岐阜県、愛知県、長野県の一部地域に伝わる郷土料理で、ご飯と一緒に「ヘボ」と呼ばれている食材を炊いた炊き込みご飯です。僕が検索した「とある検索ワード」というのは、まさに「ヘボ飯 道の駅」です。余談ですが、このワードで検索すると、ありがたいことに当ブログの道の駅どんぐりの里いなぶ紹介記事も上位にヒットします。(執筆時、2025年5月現在)道の駅半布里の郷とみかのヘボ飯と、道の駅どんぐりの里いなぶのヘボ飯とを、ずっと食べ比べてみたいと思っていたんですよ!

賞味期限のこともあったので、ヘボ飯は帰宅後、翌日の朝食となりました。
さて。ここまで勿体ぶってきましたが、ヘボ飯に入っているヘボの正体というのは…。
言わなくていいです!誰も知りたいと思ってないですから!!

拡大すると、見えてきましたね。

ひいっ!!
そうです。ヘボの正体は、クロスズメバチなのです。ヘボは山間部の貴重なタンパク源の一つとして、古くから親しまれてきました。そして、このヘボ飯という料理はとても美味しいのです。ハチ、それもスズメバチを採るのはとても危険ではありますが、危険を押してでも採りに行きたいと思える程度には美味しいです。
道の駅半布里の郷とみかにて購入したヘボ飯は、道の駅どんぐりの里いなぶで食べたヘボ飯と比較すると、しょうがが効いていたのが特徴的でした。ですが、やはり動物性の旨味も強く感じられます。


その旨味は、当然ながら原材料の中の唯一の動物性成分たる、ヘボの成虫や幼虫に由来しているわけです。他の料理で例えるなら「鶏肉の入っていない鳥五目飯」といったイメージですかね。鶏肉は入っていない一方で、鶏肉に負けないぐらい強いヘボの旨味でモリモリ食えます。本当に、見た目以外は癖のない美味しさなので、昆虫食に興味のあるなしに関わらず、多くの方にぜひ試していただきたい料理です!
ちなみに岐阜県では、恵那市串原地区(旧恵那郡串原村)で毎年秋に「くしはらヘボまつり」というヘボの一大イベントが開催されており、ある意味ヘボの聖地と言えます。とても興味はありますし、行ってみたくもあるのですが、ハチに刺されるのがちょっと怖いんですよね…。
思わず一目惚れ…!土屋豆腐店の「あげ」
物産コーナーには富加町およびその周辺地域の農産物や加工品が揃っているのですが…。

冷蔵庫に、こんな油揚げが入っているのを見つけてしまい、思わず一目惚れしてしまいました!
こちらは関市の土屋豆腐店2が販売している油揚げです。この絶妙な焼き色に心惹かれたんですよ。見るだけで香ばしいとわかってしまいます。

パッケージに書かれた美味しい食べ方に従い、フライパンで炙って醤油をかけてみました。とてもパリッパリに仕上がりましたし、程よくずっしりとしていて食べ応えも十分でした。

小松菜と一緒に煮て、煮浸しにもしてみました。そちらも美味しく仕上がりました。こうすると、今度は肉厚さと味染みの良さを堪能できるんですよ。

道の駅 半布里の郷 とみか まとめ
道の駅半布里の郷とみかは、岐阜県富加町の国道418号線沿いにある道の駅です。駅名の「半布里」は、正倉院に残る日本最古の戸籍「大宝二年御野国加毛郡半布里戸籍」に由来しており、この戸籍は現在の富加町のものと考えられています。
小さな施設の中に、富加町およびその周辺地域の物産が凝縮されているほか、レストランでは地域の食材を使った洋食を味わえたり、ケーキでティータイムを楽しめたりします。
個人的におすすめしたいのは、クロスズメバチを使った炊き込みご飯「ヘボ飯」です。クロスズメバチの成虫や幼虫から出た、尋常でないほどの旨味がご飯に染みています!
全体的に、地元の方が買い物やティータイムなどで普段遣いする雰囲気の道の駅でした。観光地化された道の駅も楽しいですが、こういう道の駅も「知らない地域の知らない日常」を垣間見ている感じがしてとても好きです。
道の駅半布里の郷とみかのWebサイトはこちら↓
- 参考:奈良正倉院に残る最古の戸籍-富加町
- 奇しくも、次の目的地である道の駅平成の近所にある店です。
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