1泊2日の道の駅巡りの旅も、目的の道の駅を全て回り終えて、あとは無事に名古屋へと戻るだけなのですが、せっかく蒲郡までやってきたわけです。どうせなら何かを見てから帰りたい、と思ったんですよ。蒲郡市は愛知県内でも屈指の観光の街です。帰り道に通り過ぎるだけでは勿体ないじゃないですか!
幸い、時刻はまだ14時前であり、寄り道をしても問題なく名古屋まで戻ることができそうです。なので、以前から気になっていた蒲郡の面白スポットにお邪魔することにしました!面白スポット巡りはこのブログの原点ですからね。
というわけで、蒲郡の景勝地・竹島からほど近い場所にある「竹島ファンタジー館」にお邪魔しました。
一言で言うと「貝殻で作ったアートが展示されている場所」なのですが… そんなあっさりとした一言で片付けてしまうには惜しすぎる、情熱と執念が詰まった場所なのです!
5500万枚の貝殻が形作るアート!
竹島ファンタジー館がどのような場所かは、入口のフォトスポットが端的に物語っています。
浦島太郎の物語をイメージして描かれた、モザイクアートのようなこの絵画は…
ご覧のように、様々な色や形の貝殻を貼り合わせて作られているのです。この一角だけでも貝殻が少なくとも5000枚は使われているのではないでしょうか。こんな感じの作品が、館内にはたくさん飾られています。日本テレビ系の人気番組「月曜から夜ふかし」でも紹介されたことがあるのだとか。確かにあの番組が好みそうな匂いを感じます(笑)
というわけで、早速館内に入ってみます。入場料は大人1000円、小人(小中学生)500円、幼児(3歳以上)300円、シニア(60歳以上)800円となっており、障がい者は200円引きとなります。さらに、団体割引や年間パスポートもあります。詳しくは竹島ファンタジー館のサイトの料金案内のページをご覧ください。
中に入ると、早速貝殻の絵画(シャレじゃないですよ)のお出迎えです。
造花のように見えるこちらのオブジェクトすら、よく見ると貝殻です。コンセプトが徹底されすぎています。
館内では数カ所でムービー「ミシェルとガマゴーの海底大冒険」が上映されており、順路に沿って進むごとにストーリーも進んでいきます。
竹島ファンタジー館のイメージキャラクターである、ミシェル(右側の巻き貝を被った女の子)とガマゴー(左側のタケコプターをつけた卵のようなキャラクター)が、海底の世界で伝説の「ミラクルエッグ」を探すという物語であり、館内の貝殻アートはミシェルとガマゴーが冒険の途中で見かけた海底世界のものということになっています。
……というか、言ってしまえばミシェルとガマゴーの存在は、竹島ファンタジー館の珍スポットとしてのアクを薄めて、万人に親しみやすくする処置なんですよね(笑)
館内には貝殻でできた裸婦像や女海賊像があったりと、ファンタジーを謳うにしてはなんだかやたらとセクシャルなオブジェクトが多かったりします(さすがに秘宝館ほど露骨なものはありません)。このあたりについては後述の事情も絡んできそうではあるのですが。
とにもかくにも、ミシェルとガマゴーの存在は、色とりどりのLED照明も相まってカオスな世界観を形作る貝殻アートの数々を「不思議な海底の世界の風景」に落とし込み、来場客に受け入れさせてくれます。
時空を超えるトンネルを抜けると…
ドラゴンがいるだけでは驚かなくなってきました。
と思いきや、唐突な竜宮城が!
広いスペースを使って、竜宮城の「絵にも描けない美しさ」を再現しています。これは圧巻です。
竜宮城を抜けると、錦鯉の泳ぐ池があります。入場時に渡される鯉の餌をここで投げると、餌を食べた錦鯉の柄で運勢を占う「鯉の恋占い」ができます。
僕の投げた餌は大吉の鯉が食べてくれました。「おめでとう 最高の幸運だぎゃ」とのことです。
貝殻アートエリアを抜けると、貝の化石や鉱石の展示コーナーがあります。この一角だけ少し空気が違うといいますか「あんなにものすごい貝殻アートを作っちゃう人でも、コレクションは大事に飾るんだなぁ」と人間性が垣間見えて、少し親しみがわいてきます(笑)
そして、出口は売店となっており、貝殻細工を中心としたお土産が並んでいます。なんと、若き日の坂上忍さんが主演する自主製作映画VHSも販売されていたとか…
復活を遂げた珍スポット
少し調べると情報が出てきますが、竹島ファンタジー館は、2010年に閉館し取り壊し寸前だった「蒲郡ファンタジー館」を、現在の館長が引き継いで2014年に復活させたものなのです。
前オーナーは貝殻が好きな人物だったようで、世界100カ国から貝殻を購入し、前述の通り実に5500万枚の貝殻でもってアートの数々を作ってきたわけです。言われてみれば確かに、貝殻アートのテーマも万人受け狙いというよりは「前オーナーの趣味なんだろうなぁ」と思うようなラインナップばかりなんですよね(笑)
さらに言うと、前身であった蒲郡ファンタジー館の開業当初(1983年)時点と現在とでは貝殻の価値がまるで違っていたり、現在は法律で海外から持ち込むことが禁止されている貝が使用されていたりするため、令和の現在に改めて全く同じ施設を作ることは不可能だといいます。
そう考えると、この場所の重みが断然違ってきます。あくまで貝殻にこだわって、大量の貝殻から様々なものをハイクオリティに作り上げるその情熱には、もはや執念を感じます。素通りするにはあまりにも惜しく思えます。例えるならこれは学会のポスター発表です。一つ一つのポスターに、研究者の熱意が籠もっています。ポスターセッションであまり質問が来なかったりしたときの切なさといったら…
「貝殻が好きだから、貝でアートを作ろう!」と思い立っても、実際に大量の貝を用意して、建物のほぼ全てを埋め尽くすほどにたくさんの作品を作れる人は果たしてどのぐらい居るのでしょうか。ポケモンの羊毛フェルト人形を作ろうと、ダイソーで羊毛フェルトを買ったのは良いものの、結局製作途中でほこりを被らせている僕は前オーナーの爪の垢を煎じて飲まなければなりません。
前述の通り、時代の違いはありますが、前オーナーは思い立ったまま突っ走ったわけです。館長も「世界のどこにもこんな施設はない」と、その価値を認めています。色々な意味で、時代と共に崩壊させるのが惜しい場所ですよね。
館長は訪問時にも、ご夫婦で訪問客を出迎えてくれました。館内にあったスタンプラリークイズの答えを館長に渡すと、館長は釣り竿を渡してくれました。
これが景品というわけではなく、どうやらこの釣り竿を使って釣り上げたキーホルダーが景品となるようです。
これはタカラガイですかね。表面はツヤツヤに磨き上げられています。せっかくだから使いたいと思って、玄関の鍵につけました。
竹島ファンタジー館 まとめ
竹島ファンタジー館は、蒲郡市竹島町にあるアミューズメントスポットです。館内には約5500万枚の貝殻で作られたアートの数々が多数展示されており、イメージキャラクターのミシェルとガマゴーと一緒に冒険しながら進んでいきます。
貝殻アートの数々はいずれもスケールが大きく、圧倒されます。「閉業し解体される寸前だったスポットが復活を遂げて現在に至る」「現代に同じ施設を作るのはかなり難しい」という裏話を知っていると、展示物の数々もより味わい深く感じられます。洗練されたおしゃれスポットというよりは、手作り感のあふれる緩いスポットではあるのですが、手作りでもここまで突き詰めるとお金を取れる立派な面白スポットになるのだなぁと感心させられましたね。
「魚々の里とまりん」という魚市場兼海鮮食堂が隣接しており、そこと合わせて楽しむこともできます。
入場料は、
大人:1000円
小人(小中学生):500円
幼児(3歳以上):300円
シニア(60歳以上):800円
障がい者:200円引き
となっています。市内各所にクーポン付きのパンフレットがあるそうなので、それを使うとお得に入場できます。また、駐車場は無料です。
視界に入るほぼ全てのオブジェクトが貝殻、という体験は他ではなかなかできないと思います。蒲郡を訪れる際には、一見の価値ありです!
竹島ファンタジー館
愛知県蒲郡市竹島町29-14
営業時間:
9:00~17:00(3~6月、9~10月)
9:00~17:30(7~8月)
9:00~16:30(11~2月)
定休日:水曜日
※訪問時点での情報です。
竹島ファンタジー館のWebサイトはこちら↓
当記事執筆にあたって参考にしたページはこちら↓
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