これまで、様々な店で見かけてきたけれど、あえてスルーしてきた名古屋メシがありました。それは台湾ラーメンです。「台湾ラーメン」という名前でありながら、台湾料理ではなく名古屋メシであるということは、今となっては既に有名すぎる事実ですね。
先日紹介した一刻魁堂のメニューにも台湾ラーメンはありましたし、近所にも「台湾ラーメンが旨い」というレビューのあるラーメン店がありました。ですが、それらは全てスルーしてきました。
なぜそうし続けてきたかというと、台湾ラーメンの元祖である有名店「味仙」で台湾ラーメンデビューをしたいとずっと思い続けてきたからです!
今回は味仙今池本店の直営店である「味仙 大名古屋ビルヂング店」にお邪魔しました。本場の台湾ラーメンは、汗の噴き出す辛さでした!
激辛台湾ミンチと鶏ガラスープ!台湾ラーメン
今回訪問した味仙大名古屋ビルヂング店は、大名古屋ビルヂングのレストラン街「大名古屋DINING」3階にあります。大名古屋ビルヂングには、地下1階から3階にかけて多種多様な飲食系テナントが入居しており、地元客にも観光客にも親しまれていますが、味仙大名古屋ビルヂング店は有名な名古屋メシである台湾ラーメンを楽しめることもあり、いつ行っても特に観光客で賑わっている印象です。店の前にはいつも列ができています。
そんな列に並びながら待つことしばし。ようやく店内に案内されました。
注文したのはもちろん台湾ラーメンです(800円)。大きさや量は一般的なラーメンより一回り小さい印象ですが、これは言い換えると、他のおつまみやおかずと合わせて食べるのに適したサイズとも言えますね。
台湾ミンチとにらの乗った、真っ赤でいかにも辛そうなビジュアルですが「辛いだけ」では万人に受けませんからね。味仙の台湾ラーメンは、果たしてどんな味わいなのでしょうか!?早速一口啜ってみます。
ああーっ!いきなり辛い!!
啜ると最初の一口からいきなり辛くてびっくりします!こういう激辛系って「最初は辛くない」とかあると思うんですけど、遠慮無く出会い頭で殴ってきましたよ!?ですが、辛さに慣れてくると、このスープのベースがあっさりとした鶏ガラスープであることがだんだんとわかってきます。ベースのスープが澄んでいるからこそ、唐辛子の辛さを遮ること無く感じさせてくれているとも言えます。辛いと分かっているのに、一口、もう一口と欲しくなってしまう旨さがあります。
麺は中細のストレートです。歯切れが良く、非常に辛いスープの中でも十分な存在感を放っています。
台湾ミンチもすこぶる旨いです。かなり辛くはあるのですが、辛さ一辺倒では無い旨味と甘味もあります。そして何より、肉の食感と旨味がしっかりと感じられるのです。一粒も残したくない旨さです!初回訪問は肌寒くなってきた10月だったのですが、すっかり汗びっしょりになってしまいました。
台湾ラーメンと一緒にニンニクチャーハンも注文しました(850円)。にんにくの香りが良い、パラパラのチャーハンです。安定の美味しさです。台湾ラーメンの辛さを抑えてくれる役割を期待しましたが、あまりそんなことはありませんでした(笑)
そもそもなんで台湾ラーメンっていうの?
「鶏ガラスープにたっぷりの唐辛子をきかせる」というのが、今や味仙以外でも提供されている台湾ラーメンという料理の基本となっています。そんな台湾ラーメンですが、台湾に原型となった激辛麺料理が存在するというわけではないのです。
台湾ラーメンが生まれたきっかけは、今池の台湾料理店「味仙」(すなわち現在の味仙今池本店)の店主・郭明優さん1が、台湾の麺料理「担仔麺(タンツーメン)」をアレンジし、激辛にして提供したことだといいます2。台湾ラーメンという名前なのは単に、考案したご主人の明優さんが台湾人だったからそのように命名したのだとか。なので「台湾ラーメンの原型の料理が何か」を強いて言うとタンツーメンということになりますが、タンツーメンは辛さとは無縁の、あっさりとしたスープの麺料理です。以前新大阪駅の551蓬莱でも頂いたことがあります。タンツーメンには「小さな器で提供される」という特徴があるので、味仙の台湾ラーメンが小さめなのはタンツーメンの特徴を引き継いでいると言えるかもしれません。
それにしても「台湾ラーメン」という名前で激辛メニューというのは「初見殺し」感がありますよね!例えば「四川ラーメン」とかだったらもうちょっと警戒しますけど!今ほど台湾ラーメンが全国区の知名度でなかったと思われる2011年頃に、僕は近所のスーパーマーケットでスガキヤが販売する台湾ラーメンのカップ麺を購入し食べたことがあったのですが、空きっ腹で調理して食べたら想定外の辛さに不意打ちを食らって涙目になったことを今でも覚えています(笑)
台湾ラーメン以外も旨い!手羽先、台湾丼、ラーロージャン麺
味仙で一番有名なメニューは言うまでも無く台湾ラーメンだと思いますが、他にも「名物」があります。せっかくなのでそれらも頂いてみることにしました。
こちらは名古屋名物、手羽先です(550円)。タレの中に顔を覗かせる唐辛子に思わず先の展開を危ぶんでしまいますが、男は度胸。何でも試してみるものです。
煮詰めた醤油の風味や唐辛子のピリ辛が良い感じの、旨いタレだなぁ!
激辛を期待危惧しましたが、そんなことはありませんでした(とはいえ辛味が苦手だと厳しいかも)。とても美味しい手羽先煮です!コクと風味の強い甘辛醤油に、赤唐辛子がピリリと効いています。肉は骨からも離れやすく、とても柔らかいです。この濃くて甘味と辛味とピリリがはっきりとした味わいは、ビールがとても進みそうです!まさに「味仙ならでは」の味付けだと思うので、台湾ラーメンと一緒に注文してみることをおすすめしたいです。
続いて紹介するのは台湾丼です(850円)。ご飯の上に台湾ミンチを乗せ、ねぎをたくさん散らし、生卵を落とした一品です。
この台湾丼は、先ほど台湾ラーメンの項で僕が絶賛した、辛くて食感の楽しい台湾ミンチのポテンシャルをフルで楽しませてくれる一品です!これを食べると、台湾ラーメンはスープだけでなく台湾ミンチも相当に辛かったことに気付かされますが、やはり肉の食感と旨味が最高です。生卵が辛味を多少マイルドにさせてくれますし、生卵をかき混ぜて、ご飯に浸みた辛い台湾ミンチをかき込むのも楽しいです。台湾ラーメンを食べて台湾ミンチを気に入った方が、台湾ミンチのポテンシャルをフルで楽しみたいというときに頼んでみると良いメニューだと思います。
最後に紹介するのはラーロージャン麺です(1000円)。ラーロージャンというのは台湾ミンチの原型ですかね。挽肉の入った辛いタレです。
ラーロージャン麺は、ラーロージャンともやし、にんじん等の野菜を炒めたものを、麺と混ぜたまぜそば的なメニューです。ラーロージャンの辛味と旨味をダイレクトに楽しめますし、野菜と、歯切れの良い中華麺とで食感も楽しい一品に仕上がっています。同じ「激辛麺」という括りでも、台湾ラーメンとはまた印象が違っていますね。
ラーロージャンを中華麺と「軽く」混ぜている点がミソで、麺にはラーロージャンがあまり絡んでいない箇所があります。そのおかげで辛味が強いところと無いところとの「味のムラ」を楽しみながら食べられるんですよね!味仙の手羽先は辛いし、台湾ラーメンも台湾丼もかなり辛いですが、このラーロージャンメンに関してはあまり絡んでいない部分が「癒し」になってくれるのがありがたいです。まあ、がっつりと絡んでいるところはしっかり辛いのですが。汗だけでなく鼻水まで出てきてしまいます(笑)
味仙 大名古屋ビルヂング店 まとめ
味仙大名古屋ビルヂング店は、JR名古屋駅桜通口前の「大名古屋ビルヂング」の3階にある、味仙今池本店の支店です。その立地ゆえにJR名古屋駅店と同じく観光客でも訪問しやすい店舗となっています3。
看板メニューの台湾ラーメンは一口目からしっかりと辛いですが、辛い中にも澄んだ旨味があり、スープは一口飲むともう一口欲しくなってしまいますし、台湾ミンチも食感が良く旨いです。
台湾ラーメン以外では、味仙秘伝のタレで仕込んだ手羽先や、台湾ミンチの素であるラーロージャンの味わいをダイレクトに楽しめる台湾丼およびラーロージャンメンといったメニューも美味しいです。
味仙という店は、今池本店の明優さんおよびその弟妹でのれん分けしており、同じ「味仙」という屋号でありながら味やメニュー内容に差異がある系列店も存在します。系列店の味も確かめてみたいところです!
味仙 大名古屋ビルヂング店
愛知県名古屋市中村区名駅3丁目28-12 大名古屋ビルヂング3階
営業時間:
11:00~15:00、17:00~23:00(平日)
11:00~23:00(土日祝)
味仙今池本店のWebサイトはこちら↓
- 2023年3月逝去。
- 参考:元祖台湾ラーメン|<公式>味仙本店 – 元祖名古屋名物台湾ラーメンの中国台湾料理店
- JR名古屋駅店も同じく今池本店の支店。「名古屋駅店(柳橋)」と呼ばれるほうは、名東区の味仙藤ヶ丘店の系列です。
コメント
私の初味仙は、20年以上前の今池店です。
その時は、確か、今池しかなかったと思います。
今はいろんなとこにありますよね。
最近は行ってないですが、セントレアにもあるので、帰国すると食べてました(笑)
柳橋店は国際センター駅近くのことですか?
そこは系列店だったんですね。
私はそこには行ったことないですが、その隣のYマーケットブリューイングにはよく行きます(笑)
それにしても、男性は辛いの苦手な人が多く、食べれない人も多いですが、大丈夫だったんですね(^^♪
コメントありがとうございます。
今は名古屋市内各地に、同じ「味仙」という屋号でのれん分けされた様々な店舗がありますね。
セントレアの店舗は現在、今池の味仙ではなく矢場味仙の系列であるようです。
店舗ごとに違いがあるとはよく聞くので、今後いろいろな店に行って比較してみたいと思っています。
「名古屋駅店(柳橋)」というのは仰る通り地下鉄国際センター駅の近くの店舗です。Googleマップ上の表記に倣って記事でもこのように表記しました。近くに地ビールのお店があるのですね。そこも良いネタ候補になりそうです!
辛い物については割と食べられる方だと思っています。過去には「ペヤング 獄激辛Final」を完食した記事も上げていたりします(笑)
セントレア、矢場町系だったんですね!
のれん分けとか、いろいろあるんですね。
全部同じお店かと思ってました…(^-^;
Yマーケットのビールはおいしいですよ~。
私はここのヒステリックIPAが好きです。
苦みはかなり強いですが、フルーティなので、そういった味が嫌いじゃないければおすすめです(^.^)
ただ、食べ物はあまりないので、2軒目or時間つぶし的なお店です。
ペヤング 獄激辛Final、きっと辛いんでしょうね。
実は、ペヤングを食べたことがなくて…(笑)
私は割と辛さには耐性があるので、チャレンジしてみたいです(^.^)
以前からぼんやりと「味仙にはいくつか種類がある」ということは聞いたことがあったのですが、それが要するに暖簾分けのことだったみたいです。矢場味仙は強烈に辛くにんにくが効いているらしいです。
Yマーケットさんは調べてみるほどに気になりますね!きしめんを原料に使ったビールもあるとのことで、今後のネタ候補にしようかなと思いました!
ペヤングは一昨年から昨年にかけて、激辛焼きそばの「獄激辛」というシリーズがYouTubeやSNSを賑わせており、ブログで紹介した「獄激辛Final」は、そもそも本気の辛さであった獄激辛の2倍の辛さということでした。実際にかなりの難敵でしたが、乳製品を相棒にしてなんとかねじ伏せました。ただ、また食べたいとは思わないですね
そういうレベルでしたか…(^-^;
味仙の台湾ラーメンのような、また食べたいと思える辛さがいいですね(笑)
獄激辛ペヤングは、そのまま食べると「旨辛」の範疇からは大きく外れますね…
様々な場所でかなり取り上げられたので、バリエーションはかなりたくさん出ていますが。(麻辣とかカレーとか)
その点、味仙さんの台湾ラーメンは確かに猛烈に辛いですが、辛いと分かっていてどんどんスープを飲みたくなる魔力がありましたね。