道の駅紹介
静岡-03 花の三聖苑 伊豆松崎
1995年8月3日(第9回)登録、1991年7月1日開業
訪問:2026年1月9日
道の駅 花の三聖苑 伊豆松崎
静岡県賀茂郡松崎町大澤20-1
営業時間:
9:00~17:00(売店)
10:00~15:00(飲食)
定休日:木曜日
※訪問時点での情報です。
【スタンプ】

【記念きっぷ】
(2026/1/9)


※道の駅カード、記念指定券は取り扱っていません。
地域の偉人を称える憩いの公園
(シリーズ・なまこマンの2泊3日伊豆・熱海大満喫の旅【温泉・道の駅】)

道の駅花の三聖苑 伊豆松崎(はなのさんせいえん いずまつざき)は、静岡県賀茂郡松崎町の静岡県道15号線(下田松崎線)沿いにある道の駅です。
路線名の通り、下田市と松崎町を最短距離で結ぶルート沿いにあります。下田方面からカーブの多い山道を進み、「婆娑羅峠(ばさらとうげ)」というカッコいい名前の峠を越えて、目の前の風景が少しずつ開けてきたあたりで道の駅施設が見えてきます。

花の三聖苑伊豆松崎は、一言で言うと公園です。伊豆半島の長距離ドライブでくたびれた体をほぐすのにぴったりの、広く静かな駐車場の付いた公園です。初期の道の駅ならではの「休憩施設」としての趣に溢れています。なんなら施設パンフレットにも「ゆっくりと時の流れる休憩所」と書かれているぐらいです。

そして、「花の三聖苑」の名前の通り、園内には緑があふれています。訪問した時期が時期だったので、ことごとく枯れ木だらけですが(え)

県道に面した側には、大きな花時計だった花壇があります。ストリートビューを見る限りでは少なくとも2014年9月までは花時計だったようです。
訪問時には寒さに強いパンジーが植えられていましたが、季節ごとに植え替えられるようで、ストリートビューではカスミソウやコスモスが植えられている様子を確認できました。

そろそろ「『花』は良いとして、『三聖』って何?」という疑問が出てくる頃かと思います。
「三聖」もとい「三聖人」とは、幕末の漢学者の土屋三余(つちや さんよ)、明治・大正期に政治家や実業家として活躍した依田佐二平(よだ さじべい)、北海道の十勝平野を開拓した佐二平の弟の依田勉三(よだ べんぞう)の3人を指しています。3人とも現在の松崎町の出身であり、さらに言うと三余は依田兄弟の伯父にあたります。依田兄弟は幼少期に、三余から漢籍を学んでいます。
依田佐二平の像
依田佐二平は、弘化3年(1846)2月10日、善右衛門の長男として大沢で生まれた。幼少のころ義伯父でもある三余先生の塾生となって薫陶をうける。文久3年(1863)17歳で江戸へ出て大沢村領主:前田家の事務見習い、慶応2年(1866)父が亡くなったことから帰郷して20歳で村名主となる。
明治4年(1871)元会津藩家老:西郷頼母を招き寧香義庠1のちの謹申学舎、同12年(1879)下田蓮台寺に豆陽学校(下田高校)創設、豆海汽船、養蚕・製糸業、松崎銀行設立など尽力、初代賀茂郡長、第1回衆議院議員に当選。常に社会公共のため私財をなげうち多くの事業を起こす。なかでも弟勉三の北海道開拓:晩成社を助けて兄弟愛の鑑と仰がれ、至誠報徳の郷里の先覚者となって諸偉業を成し遂げる。大正13年(1924)10月15日没、享年79歳。
土屋三余の像
土屋三余(宗三郎)は、文化12年(1815)那賀に生まれた。6歳で父、8歳で母を亡くしたことから道部の母の実家に預けられて浄感寺塾へ通い正観上人の教えをうける。当時幕末封建社会の農民は武士階級の横暴に苦しめられていた。このさまに奮激した三余は、農民を救うために学問に励み教育者の道を選ぶ。
17歳で江戸へ出て東条一堂・大沢赤城に学び、諸侯の招請を受けるがこれを断り、天保10年(1839)自宅に竹裡塾を開く。のち三余塾と改めるが、三余とは、農事の暇な冬、夜、雨の日を勉学にあてる意で、子弟と寝食を共にして礼を尊び、質実剛健の気を養い、大義を説いた。惜しむらくは維新をまたずに慶応2年(1866)52歳で病没するが、門人らは三余魂を継承して次の世にきら星のごとく輝く。
依田勉三の像
依田勉三は、嘉永6年(1853)5月15日、佐二平の弟として大沢に生まれ、11歳で母、13歳父、14歳で師を失う。幼少のころ三余塾、のち横浜留学、20歳のとき謹申学舎で西郷頼母に学び、明治7年(1874)慶応義塾で福沢諭吉の薫陶をうける。この頃北海道開拓使庁が招いた米国人:ケプロン報告書を見て北海道開拓に目覚める。
明治9年欧米事情を知ろうと英国人:ワッデル塾に入り渡辺勝と知り合う。そして同年兄佐二平を説得すべく帰郷し養蚕研究、豆陽学校教諭を務めたのち、ようやく明治14年(1881)単身渡道、同15年(1882)晩成社結成、銃太郎と再渡道して開拓地を十勝に選定、同16年(1883)13戸27人にて帯広に入植。この苦難は筆舌に尽くしがたく中川魂を貫き通して十勝繁栄の礎となる。大正14年(1925)12月12日帯広で没、享年73歳。
地域の教育と経済に貢献した佐二平。北海道開拓に尽力し、北海道神社の開拓神社に祭神としても祀られる勉三。そして、彼ら依田兄弟に師として薫陶を与えた三余。これは確かに、地元が生んだ偉大な聖人ですね。
ちなみに、碑文にしばしば登場する大沢および中川は、松崎町のうち、ちょうど花の三聖苑伊豆松崎の所在地周辺を指す地名です。

敷地内には依田佐二平が私財を投じて設立した公立小学校「大沢学舎」が移築復元されています。

また、こちらの「三聖会堂」には三聖人の業績と松崎町の歴史に関する資料が展示されています。

そしてこちらの建物は…。おっと、トイレでした(え)

道の駅としての情報発信・物販・飲食の役割を担うのは、こちらの「天城山房」です。古民家風の店内には、農産物や松崎町の特産品・お土産が厳選されて並んでいます。

訪問時には既にラストオーダーの時間が過ぎてしまっていたのですが、食事処では、おかかご飯の上に自分でわさびをすりおろして乗せて頂く「わさび丼」や、勉三の開拓した帯広の名物「帯広豚丼」、松崎町の一大特産品である桜の葉を使用した「桜葉そば」と「桜ジェラート」など、松崎町にゆかりのあるメニューを味わえます。

再び敷地内を散策していると、「奥伊豆のパワースポット」なるものへの案内看板を見つけました。

こちらが「奥伊豆のパワースポット」こと、山神社(やまじんじゃ)です。小さな神社ですが、草は刈り取られ、きれいな状態に保たれています。静かで、とても落ち着いた雰囲気でした。2004年のドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地にもなったのだそうです。
さらに、山神社の横を通り過ぎ、道の駅敷地の裏手を流れる那賀川を渡ると、佐二平と勉三の生家である「旧依田邸」および、その敷地の一部を改装した日帰り温泉「大沢温泉 依田之庄」があります。
名物は桜の葉!桜ようかんと桜葉クッキーを味わう!
松崎町が全国シェア7割を占める特産品に、桜の葉の塩漬けがあります。桜餅に巻いてあるアレです。伊豆半島に自生するオオシマザクラという品種を使用しています2。

天城山房には、そんな松崎町の特産品である桜の葉を使ったお菓子やお土産が数多くそろっています。その中から「一口桜羊羹」と「桜葉クッキー」を購入しました。

まずは一口桜羊羹から頂いてみます。きれいな桜色のようかんが、3本入っています。桜の花と葉の模様が入った型に流し込まれていて、見た目もかわいらしいです。
おいしいです!桜の香りが、とっても華やかです!
包装を剥いて一口齧ると、口の中に春がやってきました!白餡ベースの優しい甘味の羊羹の中に、桜の葉の華やかな香りが練り込まれています。
桜の葉や花は塩漬けにすることで、中に含まれる成分がクマリンという芳香物質に変わり、あの「桜の香り」になります。見た目も相まって、いつでも春の気分を楽しめるお菓子と言っても過言ではありません!食べきりサイズの個包装なのも嬉しいポイントです。

桜葉クッキーは、桜の葉と花を模した形状になっています。生地もほのかに桜の葉の緑色を帯びています。
この桜葉クッキーが、個人的になかなかの当たりでした。一言で言うと「あの桜餅の葉っぱをそのまんまクッキーにした感じ」です。濃厚な桜の香りと同時に感じるはっきりとした塩味は、クッキーの優しい甘味やバターのコクを引き立てています。さながら、桜餅の甘味を引き立てる桜の葉の塩漬けのごとく。
塩味と香りの心地良い、大人のお茶請けですね。これはかなりおすすめです。個包装だったら職場へのお土産にしたかったところでした…!
道の駅 花の三聖苑 伊豆松崎 まとめ
道の駅花の三聖苑伊豆松崎は、静岡県松崎町の静岡県道15号線(下田松崎線)沿いにある道の駅です。
駅名の「三聖」は、漢学者の土屋三余、政治家・実業家の依田佐二平、十勝平野の開拓に携わった依田勉三の3人の偉人を指しています。彼らはこの道の駅がある松崎町大澤の出身で、松崎町の「三聖人」と呼ばれます。そして、道の駅花の三聖苑伊豆松崎は、彼ら三聖人の功績を称える公園です。
道の駅施設はまさに「公園」で、園内には様々な草木が植えられているほか、公園を取り囲むように、佐二平が設立した「大沢学舎」、三聖人および松崎町の歴史に関する資料を展示する「三聖会堂」、道の駅としての情報発信・物販・飲食の役割を担う「天城山房」の3つの建物があります。
松崎町は国内シェアの7割を占める「桜の葉」の産地であり、天城山房でも桜の葉を活かした様々なグルメやお土産を楽しめます。個人的なおすすめは、桜の葉の塩漬けをそのままクッキーに仕上げたような、香りと塩味の心地良い「桜葉クッキー」です!
松崎町振興公社Webサイト内の道の駅花の三聖苑伊豆松崎紹介ページはこちら↓
- 庠は学校という意味です。
- 参考:桜葉の栽培 | 松崎町



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