千種区今池の「今池飯店」という町中華がSNSで話題になっているそうです。
試しにInstagramやTikTokにてその店の名前を検索してみると、中華鍋を高速で振り、大量のチャーハンを軽やかに仕上げるご主人の姿を映した動画が複数ヒットしました(記事には貼り付けませんので各自で検索をお願いします)。
鍋の上で踊り、高火力で仕上がるチャーハン。いやぁ、見れば見るほどに美味しそうです!視覚と音で訴えかけてくるのはずるいですよ!
今池に行くぞ!
今からですか!?
高火力で仕上がった名物「にんにくチャーハン」
地下鉄東山線/桜通線今池駅を10番出口から出て、広小路通を西方向へ進み、途中で「今池西2番街(今池スター通り)」という路地に入ると、今池飯店の看板が見えてきます。
今池飯店は、名古屋の人気ラーメン店「麺屋はなび」の総大将・新山直人氏がプロデュースした町中華で、昭和の古き良き町中華をコンセプトにしています。……って、ちょっと前にも似たような店を紹介した気がするぞ!?先日紹介した「似たような店」こと「ガガステーキ」からは徒歩2分もかからない場所にあります。
SNSで話題になっていることもあってか、多くの人が訪れています。18時の開店と同時ぐらいに行っても、かなり長い待機列ができていました。道路を挟んで向かい側の駐車場のところに、今池飯店入店待ち用の待機スペースが設けられています。並ぶ際には周辺の民家や他店舗に迷惑がかからないようにしましょう。
先客たちが次々に店内へと呼ばれていき、いよいよ僕も店内に案内されました。店内はまさに、カウンター式の町中華を意識したスタイルとなっており、おしゃれさとは対極のシンプルで無骨な印象です。「古き良き町中華」の解像度が高いです!もっとも、2023年3月にオープンしたばかりなので「古き良き」と言いつつ全体的に真新しいのですが(笑)
卓上にはコショウ、酢、醤油、ラー油、小皿、お冷が置かれています。
メニューには中華そばやチャーハンを中心に、餃子や麻婆豆腐等の「街中華メニュー」が揃っています。お酒もビール、ハイボール、チューハイ、紹興酒が揃っており、中華と共に飲みたいラインナップが揃っています。
今池飯店に来たなら、ぜひ食べておきたいのはチャーハンです!今回は「ニンニクチャーハン」を注文しました。
チャーハン以外を頼むのは逆張りだ!
別に好きなものを頼めばいいんですよ!!
ここに来た多くの方が、SNSのショート動画で見た見事な鍋さばきに惚れて、チャーハンを食べたい口になっているわけですからね。訪問時には近くの席に「横浜から来た」という方が座っており「SNSで見たチャーハンを食べたい」と言っていました。実際に、チャーハンは一番人気のメニューでもあるようです。
一口食べただけで、コンロの火力の違いがわかります!とにかく香り立つ香ばしさです。ご飯の一粒一粒がパラリと仕上がり、脂と旨味を纏っています。ダマにもなっていません。具材はチャーシュー、ネギ、玉子とシンプルなのですが、ご飯の一粒一粒が纏った脂と旨味のおかげでモリモリと食べられます。そこに大量の刻みにんにくも混ぜ込まれており、にんにくの風味と辛味も遠慮なくガツンと来ます。食後は確実に人に会えません!
家庭のコンロでチャーハンを作ろうとすると、やはり火力の限界があるので小手先のテクニックに頼りがちになってしまいます。それはそれで美味しくできるのですが、業務用の高火力のコンロで仕上がった本格的なチャーハンにはどんな小手先のテクニックもはねのけてしまうような迫力と魅力があります。というか、家庭のコンロでパラパラチャーハンにしようとすると、玉子を「具」にできないことが多いんですよ…!あらかじめご飯に混ぜちゃうので。
今池飯店のチャーハンは、本格的なチャーハンの中でも最高峰の出来だと思います。ニンニクチャーハンは小細工なしの圧倒的な火力とニンニクの暴力に、ただひたすら溺れられる一品です!
ピリ辛が癖になるキャベツ炒め「キャベラ」
一品料理の中に「キャベラ」という見慣れない料理がありました。今池飯店オリジナルの一品料理で、どうやら、キャベツと豚肉と卵の豆板醤炒めのようです。こりゃあ旨い予感しかしないぞ!!
アッ!辛い!!
豆板醤の辛味が結構しっかりと効いていて、本気の辛さのキャベツ炒めに仕上がっています!
一方で、絶妙な火加減でキャベツの甘味が引き出されており、辛さ一辺倒ではなく素材の食感と旨味を存分に楽しむことができます。卵と豚肉も辛さと相性抜群です。これらのタンパク質成分が、キャベラのメインおかずとしての満足度を上昇させています。辛いけれど、一口、もう一口と欲しくなる中毒性がそこにはありました。ご飯のおかずとしても、お酒のアテとしても優秀そうな一品でした!
構成成分がシンプルなので、自宅でも再現にチャレンジしてみたいですね。
今池飯店の中華そばの味わいは?
町中華の花形メニューといえば、ラーメンではないでしょうか!チャーハン、ラーメン、餃子あたりはぜひとも頼みたい定番メニューですよね。と言いつつ今回は餃子は頼んでいないのですが。
今池飯店には「中華そば」と「台湾ラーメン」の2種類の麺メニューがあり、今回は「中華そば」を注文しました。透き通った茶色いスープに、チャーシュー・メンマ・ネギ・海苔・なるとというシンプルな具材。この姿はまさに、日本人が「ラーメン」と言われて真っ先に思い浮かべるであろう、心に染みついた「ラーメンのテンプレート」ではないでしょうか!
まずはスープを一口啜ります。見た目通りにすっきりと澄んだ味わいです!鶏ガラのすっきりとした旨味に、かえしの醤油ダレと鶏油のコクに、生姜の風味が合わさり、すっきりとしつつも広がりのある味わいです。生姜の風味も相まって後切れの良い味わいでありつつ、鶏油の風味が余韻のように残ります。
麺はストレートの中細麺で、ぷつんと切れる低加水麺です。スープの鶏油との絡みが良いですし、食感の主張も楽しいです。
トッピングのチャーシューは薄めながらも、脂身がとろりと、赤身がしっかりとした食感で食べ応えがあります。
今池飯店はチャーハンだけでなく、中華そばのクオリティも高かったですね。誰しもの思い出の中にある「醤油ラーメン」の良さをそのままに、一つ一つの構成パーツにこだわって完成度を引き上げている一杯であるように思います。まさに「ポケットモンスター金・銀・クリスタル」の骨子はそのままに、容量の都合で当時は泣く泣くカットされた要素を復活させつつ、最新作の要素も無理なく織り込んだ神リメイク作「ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー」のような一杯でした!
言いたいことがわかってしまうのが悔しいです…!!
4番人気「ニラレバ」
今池飯店の店内奥の壁には、人気メニューランキングが掲示されています。
一番人気が先ほど紹介したニンニクチャーハン、二番人気がこれまた先ほど紹介した中華そば、三番人気がまたまた先ほど紹介したキャベラです。別に狙って食べたわけではなかったのですが、ここまでトップを網羅したのならせっかくだから4番手も食べておこうと思って、4番人気の「ニラレバ」を注文してみました。
今池飯店のニラレバはニラがたっぷりです!ニラ、玉子、レバーから構成されています。そして、レバーがとてもぷるぷるなのです!噛むと広がる旨味がたまりません。子供の頃はぼそぼそした食感と独特の苦みが苦手だったレバーですが、今は大好きな食べ物の一つです。年齢を重ねたことによる食の好みの変化の中で、最も顕著なのが「レバーを食べられるようになったこと」だと思うんですよね…
全体的に、塩とスープであっさりと炒められたシンプルな味わいです。ニラはしっかりと炒められており、甘くシャキシャキとした食感ですし、玉子も味がしっかりと染みています。レバー、ニラ、玉子の、三者三様の食感が非常に楽しいです。
キャベラにも言えることですが、おかず類は大皿入りの大型サイズというよりは、一人用のサイズという印象です。複数人でシェアして食べるにはあまり向いていないかもしれません。
ご飯がとても進む味わいなんですよね!実は麺やご飯類を大盛りにするより、ライスを付ける方が安かったりします。少し大きめの茶碗にしっかりと盛られてやってきます。
今池飯店 まとめ
今池飯店は、麺屋はなびの総大将・新山直人氏がプロデュースした町中華です。
人気メニューは、SNSでも話題のチャーハンです。神業の鍋さばきで鮮やかに炒められたチャーハンは、調理風景が派手なだけでなく、味のクオリティも非常に高いです。ご飯の一粒一粒が脂と旨味を余すことなく纏っています。ニンニクチャーハンは、そんなチャーハンに大量の刻みにんにくを入れた一品で、小細工なしのコンロの火力と、圧倒的なにんにくの量に圧倒されます。
チャーハン以外のメニューもハイクオリティです。旨辛のオリジナルメニュー「キャベラ」や、ニラレバ等、ご飯のおかずとしてもお酒のアテとしても優秀な一品料理が揃っています。町中華の花形である中華そばも、ハイクオリティです。
なお「コンセプトは昔ながらの町中華」と言いつつ、会計は現金・カード・QRコード決済に対応しているのでものすごく令和です(笑) ありがたい!
今池飯店
愛知県名古屋市千種区今池1丁目6-11
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日、日曜日
同じく麺屋はなびの新山直人総大将がプロデュースするステーキ店「ガガステーキ」の紹介記事はこちら↓
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