徳島経済研究所の発刊した「徳島が好きになる本」という本を読みました。
こちらの本、2021年4月中旬ごろに徳島市内の某大学で「ご自由にお取りください」と平積みにされていたんです。もう、タイトルに惹かれましたね。「徳島が好きになる本」ですよ。ただでさえ徳島が好きななまこマンが、これ以上徳島のことを好きになってしまったら一体どうなってしまうことやら!(え)
こちらの「徳島が好きになる本」は、サブタイトルに「文化と経済でみる『徳島』」とあるように、徳島という地域の特色を文化や産業の側面から解説しており、主に徳島の若い世代に徳島という地域のことを知ってもらい、徳島の未来について考えてもらう目的があるようです。2016年に初版が刊行された後、2021年2月に現行の改訂版が刊行されたとのことです。
非売品ではあるのですが、徳島経済研究所のホームページにて全文のPDFファイルをダウンロード可能です。
ここからは、ネタバレにならない範囲で本の感想を書いていきます!
「徳島が好きになる本」感想
この本では徳島がどのような成り立ちを持った地域で、どのような文化があり、どのような経済に支えられ、どのような課題に直面しており、それに対してどのような取り組みをしているかといったことが平易な文章で解説されています。僕自身も徳島に来てこのブログを始めてから、徳島についていろいろ調べて知ったつもりになっていましたが、特に過疎地での取り組みについてはこの本を読んで初めて知ったことも多く、とてもためになりました。そして、地域の経済と文化は有機的に繋がっているのだということも改めて実感しました。
徳島の若い世代に、なぜ徳島という地域を知り、徳島のことを好きになってほしいのか。第一に徳島という地域を知ることで、徳島の良さを生かした地方創生ができるからという理由があります。例えば「神山にサテライトオフィスを作ろう」なんて発想は「徳島はブロードバンド環境が充実していて、田舎でも高速通信ができる」ということを知っていないと出てこないでしょう。
そしてもう一つ、徳島の魅力を広め、徳島を魅力的な地域にするにはまず県民自身が徳島に誇りと愛着を持つことが大切だからという理由もあります。本文でも触れられていますが、ブランド総合研究所の地域ブランド調査の一環として実施されている都道府県魅力度ランキングの順位が高い都道府県は、同じく地域ブランド調査の一環として行われている愛着度ランキングや自慢度ランキングの順位も高い傾向にあるようです。要するに、地域住民から愛されている地域はとても魅力的だということです。それに、良さを発信するにはまず地域住民自身がその地域の良さについて知っている必要がありますからね。
この本が対象にしている若い世代は、徳島のこれからを担っていく世代でもあります。そんな若い世代が徳島を知り、徳島に愛着を持つきっかけを作るのはとても有意義なことだと思います。
徳島は、2020年度の都道府県魅力度ランキングにて46位と、まだまだ魅力を広く認知されているとはいえない状態です。これで茨城や栃木のように「最下位争いをしている」とかだったらネタにもなったのですが、徳島は最下位にこそ沈まないものの安定して低水準ゆえ、あまりネタにもされないという一番おいしくないポジションなんですよね。
徳島は魅力的な地域なんです。田舎ゆえではありますが物価は安いし、ちょっと車を走らせれば豊かな自然に触れられるし、食べ物は美味しいし、インターネット環境は快適だし、徳島市近郊に関しては量販店や病院が多く揃っていて生活も便利だし、京阪神へのアクセスも良好です。また、この本で取り上げられている通り、誇るべき文化や産業も多くあります。ですが、良さがあまりにも知られていない。これは著者の徳島経済研究所の皆様や僕を含めた、徳島を愛する徳島県民の誰もが歯がゆく思っているポイントでしょう。同じく地域ブランド調査の都道府県認知度調査では徳島県が2016年から5年連続で最下位という結果になっており、そもそも徳島がどういう地域なのかすら、世の中にはあまり知られていないのかもしれません。そもそも徳島県は広報下手なんですよ。「VS東京」とか言って東京をディスるのはPRにならんでしょうよ…1 アピールしたい内容はともかくとして、もうちょっと違うやり方があったんじゃないかと思うんです。だから我々県民自身が、徳島を知って徳島をアピールしていくことも大事なんだと思います。県だけには任せておけません。
この本の「徳島が好きになる本」というタイトルに偽りはなく、徳島のことを知って好きになるきっかけを作れる本だと思います。徳島には誇るに値する文化や産業が多くあるけれど、まだそのことを世の中にあまり気づかれていない状態です。でもこれは捉えようによっては「伸びしろしかない」とも考えられるチャンスなのかもしれません。そしてこのチャンスを生かしていくうえで、やはり徳島のこれからを担う若い世代の力は非常に重要になってくるでしょう。
「徳島が好き」「徳島のことをもっと知りたい」と思う方は、ぜひ読んでみてください。そして徳島のことをもっと好きになって、盛り上げていきましょう!
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