皆様は仙台のソウルフード「せり鍋」をご存知ですか?牛タンと比べると、全国的な知名度はややマイナーかもしれません。
せり鍋は名前の通り、春の七草としても知られるせりをふんだんに使用した鍋です。僕はこの料理の存在を、サンドウィッチマンとMONKEY MAJIKの歌う「ウマーベラス」という曲の中で知りました(笑)
仙台のソウルフードであるゆえに取り扱う店舗は多いのですが、せり鍋は鍋料理であるゆえに2人前からでないと注文できないところが多いため、新天地に来たばかりで独りぼっちの僕はやきもきとしておりました。
ですが、ありがたいことに、仙台駅に隣接した商業施設「S-PAL仙台」の地下のレストラン街にある「漁亭浜や」にはなんと、一人用のせり鍋セットがあったのです。仙台のソウルを知り、一人前の仙台人になるべく、僕は意気揚々と店内に入ったのでした!
宮城の味を提供する海鮮料理の店 浜や
すごく大きな駅ですね…
まあ、新幹線が止まる時点で徳島駅の比にならないぐらい大きいわけだから…
2022年2月某日。部屋探しの一段落ついたなまこマンは仙台駅を探検していました。仙台駅はなかなか大きな駅です。西口も東口も栄えています。駅にはS-PALやらPARCOやら、たくさんの商業ビルが連結していて、田舎者の僕は油断していると迷子になってしまいそうでした。
S-PALの地下1階はレストラン街になっており、その中には様々なジャンルの店舗が入居しています。その中の一つである漁亭浜やは、仙台市およびお隣の名取市に店舗を展開する海鮮の店です。
浜やのせり鍋に使用されているのは、日本一のせりの産地である名取市産のせりです。このせりは仙台せりという品種で、苦味が少なく根や茎が太いのが特徴です。
浜やではしらすせり鍋と鴨肉せり鍋の2種類が提供されていますが、今回は鴨肉せり鍋を頂きました。
香りと食感が癖になる一杯
浜やのせり鍋は、席のIHクッキングヒーターにて自分で煮込んで作ります。
店員さんが、お皿にこんもりと盛られたたくさんのせりと…
せり以外の具材の入った加熱前の土鍋を持ってきてくれます。
そして、簡単に食べ方の指南もしてくれます。
鴨肉や白菜に火が通ったら、まずはせりの根っこを入れて少し煮込みます。葉っぱの部分は「しゃぶしゃぶ」するだけで十分なのだとか。
そうこうしているうちに、せり鍋が煮えてきました。
初めてのせり鍋、お作法に従って頂いてみました!
うーん!せりの爽やかな香りが漂ってきます!
なるほど、この匂いがせりの香りなのね!
仙台せりはとても香り高いです。こういう葉物野菜って、根っこの部分はあまり食べないと思いますが、仙台せりは根っこの部分にもシャキシャキとした食べ応えと甘味があります。香りと甘味とほろ苦さと食感が癖になりますね!さっぱりと頂けます。
歯応えのある鴨肉も、じんわりと滋味深い鴨出汁のつゆも、味の染みた他の具材たちも美味しいですが、やはりせりの食感と香気が存在感を放って全体を一つにまとめ上げている感じがしました。
葉っぱの部分は店員さんが言った通り、しゃぶしゃぶする程度で食べてみます。
うほっ!香りのパンチ!
苦手な方はもう少し火を通した方が良いかもしれませんが、すっかりせりのほろ苦さと香気が癖になっていた僕はそのままひょいぱくと頂きました(笑)
〆は雑炊!
最後に〆の雑炊セットを注文しました。
ご飯を煮込んで、溶き卵を落として、最後にネギを散らして完成です。ちょっと濁ってしまいましたが、せりの香りと滋味深い鴨出汁のつゆを吸ったご飯がとても美味しいんです!
ちなみにせり鍋には〆としてそばを入れることも多いみたいですよ。
仙台の冬の風物詩
仙台の冬に食べられるせり鍋は、実は意外に歴史が浅いようで、東日本大震災からの地域復興の過程で広まったものなのだそうです1。確かに、栄養豊富な上に地産地消にも繋がるので、栄養をとりつつ地域の経済も回せる、復興の時期にぴったりの良いことずくめのメニューですね。
個人的に嬉しいのは、野菜がたっぷり入っているから、食べながら体を労っている気分になれることですね(笑)
家庭でも気軽に作れるメニューなので、名取市の新鮮なせりを入手できたらぜひ自宅でも作ってみたいです!
せりを含めて野菜たっぷりだから、罪悪感ゼロ!ドカ食いしても大丈夫!!
シメのご飯を入れている時点で大丈夫じゃないんですけどね…
なぁに、カロリーは熱に弱いから0キロカロリーだよ!仙台ではそうらしい!
そんなわけないじゃないですか!!
宮城県仙台市青葉区中央1丁目1-1 S-PAL仙台地下1階
- 提供されはじめたのは2004年頃のようですが、広く普及したのは震災からの復興の過程のようです。参考:せり鍋 – Wikipedia
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