樽平で土成名物「たらいうどん」を食す!(阿波市土成町宮川内)

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徳島県阿波市の旧土成町エリアには、「たらいうどん」という郷土料理がある。名前の通りたらいに入った釜揚げうどんをだし(つけつゆ)につけて食べる、実にシンプルな料理だ。

吉野川市鴨島町と東かがわ市白鳥町を結ぶ国道318号線。徳島道土成インターを過ぎたあたりからは人家もまばらな峠道になるけれど、そんな峠道沿いにたらいうどんの店がいくつも立ち並んでいる。

今回はその中の一つ、香川県境に近いところにある「樽平」にお邪魔した。

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今回訪れた樽平は、国道から宮川内谷川のほうに下ったところにある。

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店舗は谷にへばりつくように建っており、階段をずんずん降りていくと建物が見えてくる。

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国道318号線に沿って流れる宮川内谷川沿いではもともと林業が盛んで、木こりたちが慰労のためにたらいを囲んで食べた料理がたらいうどんの原型とされている。

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元々この地域では、宮川内谷川の水を使った水車での製粉も盛んだったという。そして、うどんのだしには宮川内谷川でとれるジンゾクという川魚を用いている。

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昭和4年に、当時の徳島県知事だった土井通次氏がこのうどんを気に入り、以後「御所のたらいうどん」と呼ばれるようになって現在に至るようだ。

この地域だからこそ生まれ、守り抜かれていった食文化なのだと感じた。

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国道318号線は高松から徳島まで最短距離で行きたいときに使うルートの一つで、高速道路の開通に伴い一時よりは交通量は減ったそうだが、それでも今も交通量はなかなか多い。

お昼時ということもあり、ドライブ中の家族連れが多く訪れていた。

席は全て座敷席で、掘りごたつになっており、ゆったりと座ることができる。

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「たらいうどん」を注文すると、茹で上がるまで20分かかるとのことだったので、周りの色々なものをゆっくり見てみることにした。

窓からは渓流がとてもよく見える。夏には川まで下りて行って沢蟹採りなどもできるそうだ。

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そして、席にはたらいうどんの歴史やこの地域の伝説などが書かれた紙がある。

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「ごり押し」という言葉は、たらいうどんのだしに用いるジンゾクの漁の方法に由来するそうだ。「ごり」というのがジンゾクの俗称で、ざるで川底を押すようにして取るから「ごり押し」なんだとか。

そうこうしているうちに、注文のたらいうどんがやってきた。

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たらいうどん(550円)

大きなたらいに、ほかほかのうどん。店の名前が大きく書かれた徳利には、だしがたっぷり入っている。

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熱々のだしを椀に注ぐ。とても良い香りが漂ってくる。

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太いうどんをだしに浸け、さっそく一口。とてももっちりとして歯ごたえのあるうどんだ。噛めば噛むほど小麦の美味しさが出てくる。喉ごしよりも歯ごたえを楽しむタイプのうどんだ。

じんぞくのだしは鰹ともいりことも一味違う、複雑なほろ苦いうまみがあり、とてもさっぱりとしている。

自然の近くで食べるというロケーションも最高で、とても美味しかった!

たらいうどん以外にも、沢蟹の唐揚げや鮎の塩焼きなども食べられます。

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国道沿いに立ち並ぶたらいうどんの店の数々。その数なんと7件。今回訪れたのは樽平だけど、その他の店も美味しいので、土成にお越しの際にはぜひ行ってみてほしい!

3年前、徳島に来たばかりのころに同僚に連れられ「新見屋」にお邪魔したことがあります。そこは濃い口でさっぱりとしただしに掻き玉が入っていて美味しかったです。複数人で行ったので、巨大なたらいに4人分ぐらい入って出てきたのを皆でシェアして食べました。

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ジンゾク。漢字では魚へんに休で「鮴」と書き、その名の通り岩にくっつきじっとしている

自然に包まれたシチュエーションで食べるたらいうどんは、忘れられない楽しい思い出になると思います。ドライブのときなどに、ぜひ訪れてみてください!ごちそうさまでした!

たらいうどん 樽平
徳島県阿波市土成町宮川内上畑102

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