道の駅紹介
岡山-01 かもがわ円城
第3回(1993年11月)登録、1994年5月開業
所在地:岡山県加賀郡吉備中央町上田西2325-1
岡山県の真ん中にある道の駅
道の駅かもがわ円城は、岡山県加賀郡吉備中央町(旧御津郡加茂川町)の国道429号線沿いにある道の駅です。
旧加茂川町は岡山県の中央に位置し、町域の形状もハート型であったことから「ハートオブオカヤマ」として町おこしを行っていました。道の駅かもがわ円城自体も、国道429号線沿線の津山市と倉敷市の中間あたりに位置しています。
旧加茂川町時代には、岡山県の中心に位置していることにちなんだ「せんたろう」というイメージキャラクターが居たのですが、合併により吉備中央町となった現在は「へそっぴー」という新たなキャラクターに取って代わられてしまっています。しかし、かもがわ円城ではスタンプや記念きっぷのデザインとしてせんたろうが現在も生き残っているので、せんたろうファンは必見です(笑)
道の駅施設は農産物直売所、休憩スペース、うどん屋、そば屋「レストハウス品野屋」から構成されています。
休憩スペースには広い畳敷きの座敷があり、足を伸ばしてくつろげます。
また、吉備中央町の鳥「ブッポウソウ」の剥製も展示されています。
ちなみに、道の駅かもがわ円城の駐車場の入り口には、鉄道の通っていない吉備中央町で唯一の「踏切」があります(笑) もちろん飾りなので実際に何かが横断するわけではありません。道の「駅」なのでそのイメージで設置されたのでしょうか。
特産は白菜!名物「加茂川キムチ」と「肉キムチうどん」を味わう!
道の駅かもがわ円城のある吉備中央町円城エリアでは白菜(円城白菜)の生産が盛んで、白菜の旬である冬場には、農産物直売所にて大きな白菜がたくさん売り出されます。
訪問時は4月下旬だったのでさすがに白菜はありませんでしたが、タケノコやタラの芽等の春の味覚が揃っていました。基本的に、地元の農産物はいつ訪問しても充実しているほか、銘菓やお土産も取り扱っています。
例えばお隣の建部(旧御津郡建部町、現岡山市北区)のヨーグルトとか。めちゃ旨いんですよね!
内陸の町ですが、鯖寿司なんかもあります。子供の頃、道の駅かもがわ円城の鯖寿司が大好きでした。今は亡き祖父母がお土産に持ってきてくれた記憶があります。
道の駅かもがわ円城で買える特産品や名物は様々ですが、個人的にマストバイだと思うのはずばり「加茂川キムチ」です!道の駅の近くに工場があり、特産の円城白菜で仕込んでいます。白菜の旬は冬ですが、加茂川キムチは通年購入可能です。
過去に当ブログでも紹介したことがありますが、加茂川キムチは辛味や酸味よりも真っ先に旨味がやってくるキムチです。ペチュキムチ(白菜キムチ)はパック入りと袋入りの2種類販売されていますが、袋入りの方は少し古漬けで酸味が出ているので、うちの家族はパック入りのものが好きです。
休憩室の奥にあるかもがわ円城のうどん店では、そんな加茂川キムチを使った名物メニュー「肉キムチうどん」を味わうことができます。
少し古漬けの加茂川キムチと、甘辛く煮込まれた牛肉と、優しいつゆの相性が抜群な一杯です。古漬け加茂川キムチの旨味と酸味がとても良いアクセントになっています。
中学生の頃にこのあたりに住んでいた友人が「かもがわ円城のキムチうどんが旨い」と教えてくれたのですが、17年越しに改めて確かめることができました(笑)
そば屋「レストハウス品野屋」
道の駅かもがわ円城にはうどん屋の他にも、そば屋「レストハウス品野屋」があります。うどんを食べた直後ではありましたが、様子を見ようと建物に近づくと丁度ご主人が開店準備をしているところで「今開けるからちょっと待っててよ」と声をかけられたのです。見ていただけとは言いづらく「せっかくだから食べに行くか!」となりました(笑)
ダイエットはどうなったんですか!
そばは茶色いから0キロカロリー!
そんなわけないじゃないですか!ボケるならそんな雑にボケないでくださいよ!
品野屋のメニューにはもりそばや、そばと丼がセットになったランチ等が揃っています。そばは更科そばと藪そばから選べます。
店内中央にはそばの実を挽く電動臼があります。
僕は藪もりそばの並を、一緒に訪問した弟は上更科もりそばの並を注文して、お互いに食べ比べてみることにしました。
そういえば、更科そばと藪そばはどう違うんですか?
え?色じゃない?
それは見ればわかりますが…
十割か二八か、とか?
(ご主人)お米に例えると更科は白米で、藪そばは玄米だよ。藪そばはそばの皮も一緒に挽くんだ。
そういうこと!わかった!?
わかってませんでしたよね?
こちらが僕の注文した藪もりそば(並)です。甘皮も一緒に挽いた藪そばは、コシが強く、喉ごしもよく、ほのかなそばの風味を感じられます。塩で食べるとほのかな味わいが引き立ちますね。
ちなみに、現在品野屋で提供しているそばは北海道産とのことです。かつては地元での栽培を試みていたようですが、生育状況やコストの関係から、求めやすい価格で提供するには北海道産のそばが適切だと判断されたのだとか。
鰹と昆布の出汁の効いた甘味のあるつゆも、蕎麦湯で残さず頂きました!
こちらは同行した弟の注文した上更科もりそば(並)です。とても白いです。食べ比べてみると、藪そばは甘皮の分そばの風味を感じられたのに対し、更科そばはとにかく滑らかな喉ごしにステータスを全振りしているような感じがしました。
ところで、そばを食べるときに、いつも気になっていたことがありました。それは「そばの香り」という概念です。良いそばの評価ポイントに「香り」というものがありますが、僕は長らく「そばの香りってどれのことなんだろう?」と思っていました。
そばの香りってどんな香りなんですか?
と、品野屋のご主人に聞いてみると…
(ご主人)近頃のそばは香らないなぁ。俺にはわからないよ。
ええっ!
品野屋のご主人の見解によると、近年のそばは天日干しではなくバーナーで乾燥するようになったことで、天日干しによって生まれるそばの香りがあまり感じられないのだそうです。また、品種改良によってそばの可食部の量は増えた反面、香りは落ちてしまったとのことです。
ゆえに、品野屋のご主人も近年のそばに関しては、そこまではっきりと香りがわかるわけではないのだとか。その一方で、天日干ししたそばは茹でるときにかなり香りを感じられるのだそうです。
手間隙かけて作った香り高いそばと出会えたらとても素晴らしいと思いますが、その一方で品野屋のように求めやすい価格を維持し「庶民の味」としてのそばを守り続けるのもまた素敵なことだと思いました。
品野屋のご主人からは他にも様々なお話を伺うことができました。貴重なお話をありがとうございました!
吉備中央町の新名物・ブルーベリーを使った「ブルーベリー豆餅」
過疎化の進む山間の町である吉備中央町では、2007年頃からブルーベリーの栽培が奨励されるようになりました。ブルーベリーは栽培が容易で樹高も低く、収穫も容易であることから高齢の農家でも栽培しやすいというのが理由です。その甲斐あって、ブルーベリーはすっかり吉備中央町の特産品の一つとなりました。
ブルーベリーの生産が盛んなのはどちらかというと旧賀陽町側ではあるのですが、道の駅かもがわ円城でもブルーベリーを使った面白い製品が販売されているのを見つけました。
それがこちらの「杵つきブルーベリー豆餅」です!町内産のブルーベリーをつき込んでいるのですが、なんときれいな紫色でしょう!
仙台への帰宅後、焼いて食べてみました。焼き色がついてもやはり紫色はきれいなままですね!
ブルーベリーのさわやかで優しい甘味が餅の中に練り込まれており、噛めば噛むほどほんのりと風味が広がります。何も付けなくても非常に美味しいです!むしろブルーベリーの風味を感じたい場合は何も付けずに食べるのが良いかもしれません。
道の駅かもがわ円城 まとめ
道の駅かもがわ円城には吉備中央町の農産物が数多く揃っています。特に冬場には特産の白菜が売り出され、観光客にも、うちの母を含めた地元の人々にも人気です。そんな特産の白菜を使って作った名物「加茂川キムチ」は通年入手可能で、旨味の強い絶品キムチです。
食事処も二ヶ所あり、手打ちそばやキムチうどんを楽しむことができます!
次に帰省したときには、吉備中央町の郷土料理「くさぎなのかけめし」を頂きたいところです。
(おまけ)
なまこマンの中の人の取材の様子(弟撮影)
コメント