昭和レトロの資料館!昭和日常博物館(愛知県北名古屋市)

昭和日常博物館町並み再現2 観光・イベント

元号が「令和」になって、今年(2024年)で6年目です。それに伴い、中の人が少年時代を過ごした平成時代もどんどん「懐かしい過去」として語られるようになってきました。「平成レトロ」なんて言葉を聞いたときには震えましたよ。中の人は常々、年齢相応のカッコ良さを身に着けつつおじさんになっていきたいと思ってはいますが、なんだかんだでまだまだ若作りしたい気持ちが強いです。

平成すら懐かしい過去となった今、昭和はもはや遠い昔となりつつあります。

そんな昭和時代の生活や風俗に関連した物品を集めた資料館が、名古屋市のお隣の北名古屋市にあります。その名も「昭和日常博物館」です。もはや昭和が「博物館で展示するもの」になりつつあることに驚きを隠せません!

昭和がテーマのユニークな博物館

昭和日常博物館外観

昭和日常博物館の正式名称は「北名古屋市歴史民俗資料館」であり、北名古屋市立の公共の施設です。公共交通機関にてアクセスする場合は、名鉄犬山線西春駅から徒歩25分、もしくは西春駅から市内循環バス「きたバス」に乗車し、市役所東庁舎バス停にて降車します。

入場は無料です。館内の撮影については基本的に許可されていますが、ブログやSNS等への掲載は「自己責任でお願いします」とのことでした(常駐されている職員さんに必ず一声かけましょう)。

施設が誕生したのは、昭和時代が遠い過去となりつつある最近というわけではなく、実は昭和が終わってからわずか9年しか経っていない1997年だったりします1。当然ながら当時は、昭和時代の生活や風俗に関する資料を展示する博物館について前例がありませんでした。

これだけでも資料館としての立ち位置は非常に個性的ですが、昭和日常博物館がさらに特徴的なのは、大量に所蔵する昭和の物品でもって、地域の高齢者の懐かしい記憶を呼び起こし、物忘れ対策をするという形で高齢者ケアに貢献している点にあります。懐かしい記憶を呼び起こすのは、高齢者ケアの分野にて「回想法」と呼ばれる心理療法として実際に行われており、認知症の予防や進行抑制に効果的なのだといいます。昭和日常博物館は、展示物を用いた回想法の実践に全国でもいち早く取り組んでいます2

昭和日常博物館町並み再現1

入館して早速、すごくレトロなトタン張りのバイク屋がかなりのクオリティで再現されており、とても驚きました!室内にこのクオリティで組み上げるなんて… こんな感じのリアルな展示がたくさんあります。

激動の昭和を詰め込んだ展示の数々

1989年も含めると、昭和は実に64年続いたことになります。太平洋戦争も、高度経済成長期も、東京オリンピックや大阪万博も、オイルショックも、バブル景気の前半も、全部昭和の出来事です。ゆえに、昭和日常博物館には一口に昭和と言っても様々な年代の物が集まっています。

昭和日常博物館町並み再現2
昭和日常博物館町並み再現3
昭和日常博物館町並み再現4
昭和日常博物館町並み再現5

この街並みは昭和30年代ですかね。琺瑯の看板に、トタン屋根に、街角を彩る赤いポスト。当然、中の人はこの時代には生まれてなんかいなかったはずなのに「懐かしい」と感じてしまうのは、一体どういうことなんでしょうね?

昭和日常博物館農家2
昭和日常博物館農家1
昭和日常博物館農家3

一般的な家庭の一室も、時代が進んでいくにつれてどんどん洋風の物が増えていき、現代に通じる内装へと変わっていきます。

様々な物が電化、自動化されていき、生活が大きく変わっていった様子がうかがえます。令和の世界には、果たしてこれほどの革新は起きるのでしょうか。最近はAIがかなり頑張っていますが、AIもまだなんだかんだで人間の道具の域は出ていませんからね…

なお、職員さんによると、基本的には提供された実物を使用して大がかりな展示を作っているそうです3

どんな物でも集めたら資料

昭和日常博物館展示2
昭和日常博物館展示3
昭和日常博物館展示5

様々な分野の、細々とした展示も多数あります。家電、学校の教科書、車、お土産、さらには食品の包装や消耗品まで… 時期も戦時中からバブル景気のときまで、幅広く揃っています。

昭和日常博物館トースター
昭和日常博物館やかん

トースターややかんに、パキッとした色調で描かれたファンシーなイラストに昭和を感じます。

こうして見ると、現代の物品は何もかも薄型でシンプルで流線型になりすぎてしまった感じがしますね…

昭和日常博物館展示1
昭和日常博物館展示4

展示物はいずれも、1997年の開業時点では特に「そこまで珍しくもない、型落ちの品」や「ゴミ」であったかもしれません。ですが、時代が進むにつれて、家電にせよ教科書にせよ消耗品にせよ、大なり小なりアップデートされていくわけです。そのままの形で残っていくことはほとんど無いでしょう。ゆえに、何かをなるべく綺麗な形で残しておくと、それが「当時の生活を物語る貴重な資料」になりうるのです。牛乳瓶や電池のようなものまで、ここでは資料として綺麗に保存されていました。これらは本来なら捨てられて世の中に残らない物であるはずですが、ここでは「昭和の時代に確かに生活の中で使われていたもの」として立派な資料となっています。

「どんな物でも綺麗に保存すれば、思い出にとどまらず、当時を物語る重要な資料になる」というのは、ブロガーとして活動する中で常々感じていることです。何気ない暮らしの中で見過ごされがちなことでも、目を向けて拾い上げ、磨けば立派なネタになるわけです。昭和日常博物館にて様々な展示を見て、このことを改めて強く再認識することができたのでした。

缶

缶コーヒーBOSSのウマ娘コラボ缶だって、今は単なる空き缶だったとしても、10年も保存していたら何らかの資料になるかもしれませんからね!

そして、このブログに蓄積してきた記事も、何かしらを物語る貴重な資料になったら嬉しいなと改めて思った次第です。物は嵩張るし劣化もしますが、デジタルデータは容量こそ嵩むものの、一応、物より劣化に強いですからね。

昭和日常博物館ポストカード

昭和日常博物館では、クリアファイル等のオリジナルグッズ販売も行っています。

200円でオリジナルポストカードを購入しました。ポストカードは絵柄が分からないブラインドボックス形式で販売されています。他のお客さんが「こういうくじ引きが、昔の駄菓子屋にもあったのを思い出します」と言っていたのが印象的でした。

昭和日常博物館 まとめ

昭和日常博物館は、愛知県北名古屋市にある公共の資料館です。館内には昭和時代の町並みが再現されていたり、昭和時代に流通した家電や家具、さらには食品の包装や空き瓶まで、昭和時代に関連するありとあらゆるものが展示されていたりします。

昭和時代の物品を展示することにより、昭和時代を過ごした地域の高齢者に懐かしい記憶を呼び起こしてもらいながら、物忘れの防止も図るという、回想法の取り組みも行っています。訪問時にも実際に、訪れていた高齢の方々が、お子さんやお孫さんに「こんなのあったよ」「懐かしいねぇ」と、展示物を見ながら当時のことについて話題を膨らませていました。

入館は無料となっていますが、公共交通機関でのアクセスはやや不便な点に注意して下さい。最寄り駅は名鉄犬山線西春駅で、西春駅からは徒歩25分の距離にあります。西春駅から市内循環バス「きたバス」にてすぐ近くまで移動することも可能ではあります。

それにしても、いつか平成もこんな感じで展示の対象になったりするんですかね… そして、高齢になった僕たち平成生まれが、ショーウィンドウの中のガラケーやゲームボーイなんかを見て、

懐かしいのぉ… ワシらが子供の頃はのぉ、今のように無線通信などできんかったでな。皆でゲームで遊びたいときには通信ケーブルを持って、友達の家や公園へ集まったものじゃ…

なんて言ったりする日が来るのかもしれません。

北名古屋市歴史民俗資料館(昭和日常博物館)
愛知県北名古屋市熊之庄御榊53

営業時間:9:00~17:00

休館日:
月曜日(祝日の場合は翌平日)、館内整理日(毎月末日)、特別整理期間、年末年始(12月28日~1月4日)

※訪問時点での情報です。

昭和日常博物館のWebサイトはこちら↓

  1. 厳密には前身の師勝町歴史民俗資料館が1990年に開館していますが、昭和時代の資料収集に着手し始め、実際に昭和時代の物品に特化して展示するようになったのが1997年となります。
  2. 参考:昭和日常博物館 常設展示のページ
  3. 棚などは新しく作られているそうです。

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この記事を書いた人

日本各地を渡り歩くさすらいのなまこ。食べ歩き、道の駅巡り、スーパー銭湯巡りが好き。流れ着いた地域の飲食店、道の駅、スーパー銭湯情報をブログにて発信中。【これまでの拠点】徳島、仙台、名古屋

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