【徳島ラーメン】徳島ラーメン麺王徳島駅前本店

「徳島ラーメン麺王」は「東大」系列のチェーン店。中四国を中心に徳島県外にも進出しており、徳島県外出身の僕は麺王のラーメンを食べて初めて徳島ラーメンのことを知った。

しかし、僕の知り合いの間では、麺王のラーメンは何故かすこぶる評判が悪いのだ…

「フードコートレベルの味で美味しいと思ったことはない」（知人F氏談）

（徳島に遊びに来た時、ラーメンでも食べないかと誘ったら）「徳島ラーメンってあれだろ？麺王の。まずいから嫌だよ」（友人K談）

いやいや。僕はこれらの意見に異を唱えていきたい。フードコートであのラーメンを食べられたら、僕ならすこぶるテンションが上がる。それに、不味いんじゃなくて、友人K、テメーの舌に合わなかっただけだ。

……というわけで、今回は久しぶりに麺王のラーメンを食べて、改めて麺王のラーメンについて考えてみようと思う。

今回訪れたのは徳島駅前の一番町商店街にある「麺王徳島駅前本店」。こちらは徳島駅からすぐにアクセスできるということもあり、観光客を中心にいつも賑わっている印象だ。

屋外の券売機で「徳島ラーメン」（500円）を注文する。注文時に麺の固さを柔らかめ、普通、固め、バリカタから選ぶことができ、今回は固めを選択した。

その日の徳島市は雨風が強かったのだが、店内は多くの客で賑わっていた。

麺王には各テーブルにサービスとして「辛もやし」が置いてある。ごま油と豆板醤でピリ辛に仕上げられた、癖になる味わいの箸休めだ。ついついたくさん食べてしまう。あまりにハマりすぎて、一時期このもやしを再現しようと試みていたこともある（笑）

とはいえあまりたくさん食べ過ぎるとラーメンの味が分からなくなってしまうので、程々で終了。

辛もやしを食べていると、丁度良いタイミングでラーメンがやってくる。麺王のラーメンは茶色く濁ったスープに、しっかりと味の浸みた豚バラ肉が乗っている。「徳島ラーメン」と聞いたときに多くの人が連想するビジュアルだろう。（生卵は追加トッピング）

スープは脂っぽさや臭みがほとんどないが、豚骨系の旨みがしっかりとある。そこに醤油ダレの甘辛い風味が程よく合わさる。それでいて醤油ダレの味は後を引かず、後味はすっきりとしている。

固ゆでの細麺は食感が楽しく、甘辛く味付けられたバラ肉も美味しい。

「あれっ！？麺王のラーメンってこんなにうまかったっけ！？」

久しぶりに行って食べるたび、僕はいつもこう思う（笑）　味ははっきりしつつも、脂っこさや臭みは強くなく、比較的万人受けする味だと思う。たくさんの客が入るのも、クオリティの高さを裏付けているといえるだろう。

それに、安い。1杯500円は徳島のラーメン屋の中でもかなりリーズナブルな方だといえるだろう。また、ライス（150円）のおかわり自由サービスも行っているので、非常にリーズナブルにお腹いっぱいになることができるのだ。

麺王の楽しみは食べ終わった後にもある。様々な趣向を凝らした替え玉を楽しむことができるのだ。基本の「中華麺」の他に、変わり種として一味唐辛子を練り込んだ「唐辛子麺」と、黒胡椒を練り込んだ「ブラックペッパー麺」を味わうことができる。

「あれ？ゆずこしょう麺なんてあったかな？」…と思ったら、期間限定の替え玉のようだ。未知の味なので早速頼んでみた。ちなみに、替え玉でも茹で加減を選ぶことが可能。

こちらがゆずこしょう麺。写真ではあまり普通の中華麺との違いが判らない（笑）

しかし柚子胡椒の香りがすごく香ってくる！ブラックペッパーもトウガラシもそうだが、変わり種の替え玉はとても刺激的だ！一杯目とはまた気分を変えて楽しめる。

麺の主張は強いが、スープと激しくケンカするほどでもない。唯一無二の味わいを楽しめる。

僕が思うに、麺王は徳島ラーメン入門にうってつけの店だ。徳島県外で徳島ラーメンを食べられる店は貴重であり、県外や海外（アメリカ）に積極的に出店している麺王は、「徳島ラーメンがどういうものかを知る」という点で大いに役に立つ店だと思う。

その一方で、麺王のスタイルが徳島ラーメンのスタンダードというわけではないということも知っておいてもらいたい。例えば「辛もやし」は麺王だけで行っているサービスなのだが、僕は辛もやしが徳島ラーメンの定番の付け合せなのだと、徳島に来るまでずっと思っていた（笑）

ともかく、街で見かけたら立ち寄っても損は無いと言っていいクオリティだと思う。そして、麺王のラーメンで徳島ラーメンを知って徳島ラーメンに興味を持ったら、ぜひとも徳島まで食べに来てほしい。徳島には本当にいろいろな店がある。すっきりとした味わいの店から、より濃厚な味わいの店まで、よりどりみどりのラーメンや中華そばがあなたを楽しませてくれることだろう。