わんこそばへの挑戦を終えたなまこマンと弟は、途中で道の駅に立ち寄ったりしつつも、もう一つの目的地であった岩手県遠野市に到着しました。
弟は妖怪や伝承などが好きなので、せっかく岩手まで行くなら遠野物語で有名な遠野市まで行ってみないかと誘ってみたところ、二つ返事で乗ってくれたわけです。
道の駅遠野風の丘から遠野市街方面に車を走らせることしばし。最初の目的地である「とおの物語の館」に到着しました。
遠野市の歴史と物語の集う場所 とおの物語の館
とおの物語の館は、遠野で昔から語り継がれてきた物語の数々を楽しむのにぴったりの施設です。
大人は1人当たり510円の入館料がかかります。
桃太郎や鶴の恩返しなど、有名な昔話をイメージした展示の数々があります。展示はイラストパネルや、考察の記述だけでなく、物語の朗読テープを聞いたり、実際に触って仕掛けを動かしてみたりなど、五感に訴えかけるような仕掛けがたくさんあり、全身で物語の数々を楽しむことができます。
有名な昔話の登場人物を入れ替えて、Ifの展開を楽しむことのできるコーナーもありました。
遠野は昔から商業都市として栄えており、人の出入りも多く、それゆえに様々な物語が遠野を出入りする人々によって集積されてきました。
それらは人々の間で語られるのみだったのですが、この物語の数々を佐々木喜善が収集し、柳田國男に伝え、後の「遠野物語」の完成に繋げました。
ちなみに、グリム童話というのも、グリム兄弟が採集した口承文学の数々なのだとか。僕はてっきり、グリム兄弟が作った童話なのだとばかり思っていました(笑) 30歳を目前にしてまた一つ賢くなりました。
とおの物語の館には柳田國男資料館が隣接しており、明治から昭和にかけて旅館として利用された建物が保存されて柳田國男資料館として活用されています。現役時代には柳田國男本人がこの旅館に宿泊していたのだとか。磨き込まれた床板や梁の色合いに、積み重ねられた歴史と風情を感じました。
とおの物語の館には他にも、そば屋とお土産物屋と「遠野座」という劇場が併設されています。遠野座では語り部さんの物語朗読を聞くことができます。タイミングよく公演に間に合ったので聞いてみたのですが、方言で朗読される物語は、言葉遣いや擬音が軽妙で、すっと物語の世界に入り込むことができましたね。笑い話から切ない話まで、テイストの異なる4つの物語を聞くことができましたが、いずれも童心に帰って楽しむことができました。
とおの物語の館
岩手県遠野市中央通り2-11
カッパ淵でカッパ捕獲?
とおの物語の館にてお土産を買い、次に向かったのは「カッパ淵」という小川です。
カッパ淵は常堅寺という寺院の裏手にあり、名前の通りカッパが出ると噂される場所なのだとか。
駐車場に車を停め、案内看板に従って歩みを進めていきます。
道中にはキリンビールのホップ畑がありました。遠野市ではビールの原料となるホップの栽培が行われており、遠野風の丘でも販売されていたビールに使用されています。
ホップを生で見たのは初めてですが、葉と穂の色のコントラストが素敵ですね。
ホップ畑を横目に歩くことしばし。常堅寺に到着しました。
常堅寺もまたカッパと縁のある寺院です。
あるところに馬を川に引きずり込む悪戯カッパがいましたが、あるときカッパは悪戯に失敗してしまいました。
その後、悪戯を許されたカッパは母と子の守り神となり、常堅寺の火災の際には皿から水を放ち火を消し止めたのだとか。
現在、そのカッパは狛犬ならぬ「狛カッパ」として境内に姿を残しているのですが、肝心の狛カッパの像の写真は撮り忘れています(笑)
境内から裏手に続く道を進み、ようやくカッパ淵に到着しました。
鬱蒼とした木々に囲まれた薄暗い小川は確かに心細い雰囲気で、何かが出てきても不思議ではなさそうです。
そんなカッパ淵には釣り竿が仕掛けてあって、竿の先にはきゅうりが!?
どうやら、カッパを捕まえるための仕掛けのようですね。
そういえば、僕も遠野風の丘で「カッパ捕獲許可証」を手に入れていたのでした。
おあつらえ向きにも、カッパ釣り用の釣り竿があります!糸の先端に太いきゅうりが結び付けられています。
僕も釣ってみましょう!カッパが本当に釣れたらどうしましょう!?
・・・・・。
き、今日はこの辺で勘弁しておいてやる…
この日は残念ながらカッパを釣り上げることはできませんでした(笑)
意外に観光地として開発されている感じなので、秘境を期待して行くと拍子抜けかもしれませんが、それでも自然に包まれたカッパ淵の風景は心が安らぎます!皆様もカッパ釣りにぜひチャレンジしてみてください!
カッパ淵
岩手県遠野市土淵町土淵
物語を未来まで語り継ぐ街
遠野で語られてきた物語が佐々木喜善から柳田國男に伝えられ、柳田國男によって体系化されたことで、名もなき民衆たちの歴史や口承文学が資料となり、日本の民俗学の先駆けとなりました。
人が集い、物語の集う街である遠野は多くの観光客に今なお物語を伝え続けています。
物語をあらゆる形で楽しめる遠野で、遠い昔に思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。これからもたくさんの物語を語り継いでいってほしいです!
(おまけ)
僕たちが遠野市を後にした瞬間に大雨が降りだしました…
弟の晴れ男パワーすごい…
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