「支那そば よあけ」は徳島駅前の一番町商店街にある中華そば店。元々は二軒屋で営業していた老舗だったようだけれど、現在は二軒屋の店を閉めて、駅前のこちらの店舗のみで営業している。
バスや列車で徳島にやってきた観光客が真っ先にぶち当たる問題として、「徳島ラーメンをどこで食べるか問題」がある。麺王、徳島宝ラーメン(閉店)、三八製麺所はじめ(閉店)、萬里、来来… 候補はたくさんあるけれど、有力候補の一つとしてよあけもアピールしておきたい。
よあけは徳島駅前バスターミナルから東に進んですぐのところにある。大きな看板がとても目立つ。
昭和27年創業と、徳島の中華そば店でも古参の部類に入るようだ。
ランチタイムにはお得なセットメニューがある。そこには「徳島丼」なるものも…
皆さん、ご存知ですか徳島丼。むしろ徳島県の人ほど知らないかもしれません。
外国人観光客向けに英語表記も併記された券売機でラーメンとセットメニューの食券を購入し、店内に入る。
店内のメニューにも外国人観光客向けに英語と中国語が併記されている。そういえばいのたにでも券売機とかに英語が書いてあった。海外から来た人も徳島に来てラーメンを食べるのかと思うと、なかなか感慨深いものがある。人類皆麺兄弟。
店内に漂う豚骨の匂いに食欲を刺激される。今回は腹いっぱい行きたくて、「肉大盛ワンタン麺(大)」と「ミニ徳島丼セット」を注文した。
肉大盛ワンタンメン(大)+ミニ徳島丼セット(950+190円)
まずはスープから一口。口当たりはすっきりとした感じだけど、しっかりと豚骨の旨味や匂いといった存在感を感じることができる。脂っぽすぎず濃すぎない、飲み口の良いスープだ。
麺はやや柔らかめの細麺で、コシはあまりないけれど噛みしめると小麦の味わいを感じられる。
トッピングの肉はバラ肉とチャーシューを選ぶことができるけれど、今回はチャーシューを選んだ。豚ももチャーシューは歯ごたえがあり、良い感じで塩味がしみている。ワンタンもつるっとした食感と皮の小麦の味、コショウの効いた餡の味が楽しい。
メンマは極太で、コリコリ食感が楽しい。
そしてこちらが徳島丼。徳島丼というのは、徳島ラーメンに使われる豚バラ肉、メンマ、もやし、ねぎ、卵黄をご飯の上に乗せたご当地丼だ。
……いや、少し嘘をつきました。徳島丼は徳島生まれのグルメではありません!
徳島丼は2006年頃にフジテレビの社員食堂で考案されたオリジナルメニューだった。2009年にサザンオールスターズの桑田佳祐さんが自身の番組内でフジテレビの徳島丼を紹介したところ、にわかに話題となったという。そして同年に徳島県の飯泉知事が東京での公務のついでに徳島丼を試食し、その後徳島丼が徳島県庁食堂のメニューとして採用されたのだとか。
つまり、徳島丼はさしずめ「逆輸入ご当地グルメ」といったところだ。
数年前にはセブンイレブンの弁当メニューとして採用されたこともあった。
あとは僕が大学生だった頃に、学生生協の期間限定メニューで徳島丼が出ることがあった。僕は徳島丼の存在をそこで知った。
そんな徳島丼の味は、当然旨くないわけがなくて。
……まあ、徳島ラーメンはごはんのおかずとしても食べられることが多いわけだから、その具材を丼飯に乗せて食べて美味しいのは自明の理で。
甘辛い醤油ダレのよくしみた豚バラ肉はそれだけでごはんがいくらでも進むし、コリコリのメンマも箸が止まらない。甘辛醤油ダレのしみたご飯に卵黄を絡めて頂くのも至福だし、優しい味のもやしも良い感じの箸休めになってくれる。
徳島駅の周辺でどんなラーメンを食べるか迷ったときには、よあけもぜひ選択肢の一つに入れてみてほしい。そして徳島丼も味わってみてほしい!
よあけの支那そばと徳島丼、とてもおすすめです。ごちそうさまでした!
徳島県徳島市一番町3丁目10
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