地下鉄名城線八事日赤駅や、鶴舞線いりなか駅からほど近い昭和区の住宅街の中に「マウンテン」という喫茶店があります。
一見すると何の変哲も無い、ありふれた昔ながらの喫茶店なのですが、実はこちらの店は、名古屋を代表する「奇妙なグルメの聖地」なのです。
挑戦することが「登山」にも例えられるマウンテンの珍メニューに、富士山と日本一低い山の両方に登ったことがある、山を知り尽くしたなまこマンが挑戦してきました!
マウンテンの洗礼「甘口抹茶小倉スパ」
八事日赤駅から住宅街の中を歩くこと10分。閑静な住宅街を貫く道路沿いに、喫茶マウンテンの大きな看板が見えてきます。この看板をインターネットの様々な場所で見たことがあります。まさか実際に行ける日が来るとは!
マウンテンという店名の通り、山小屋のようなたたずまいです。駐車場はそこそこ広く確保されており、県外ナンバーの車も停まっていました。
室内はレトロで落ち着いた雰囲気です。とても変な料理を出す店には思えません!地域の方と思しきお客さんも多く訪れており、雑談に花を咲かせている様子でした。
なんだ。普通のレトロな喫茶店じゃないか。普通にコーヒーとパスタでも頼むか。どれ、メニューを…
甘口抹茶小倉スパ
甘口メロンスパ
甘口バナナスパ
なんかあるぅー!!
マウンテンのメニューは非常に豊富です。実はヘンテコなメニューばかりというわけではないのですが「甘口抹茶小倉スパ」や「甘口バナナスパ」といったヘンテコメニューは強調されるでもなく「和風スパ」等と同じテンションでしれっとメニューに書いてあるので油断なりません。
というか、メニューをよく見ていると「サボテンピラフ」とか「ナマズスパ」とか、ちょくちょく奇妙な物が混じっているのですが!やっぱりヘンテコなメニューばかりなのかもしれません(え)
あと「あつげしょう」って何だ!お馴染みメニューみたいな雰囲気出されても、文字だけじゃわかりませんって!
セットメニューもあり、650~950円の安価なメニューとドリンクとの組み合わせを1000円ポッキリで楽しめます。ただし、そこでコーラやメロンソーダといったオーソドックスな物が出てこないのがマウンテンです。「ピーチばなな」や「マンゴーピーチ」や「カルピス」はともかく「ゆずハラペーニョ」とか「タマリンド」とか「ピーニャ」とか、一体何なんですか!!
DJ悪事か!1
局地的にしか伝わらないたとえはやめてください!
気になるメニューはたくさんありますが、今回はマウンテンに真っ向勝負を挑むと決めていたので、注文したのはこちらの…
「甘口抹茶小倉スパ」です!(1200円)
見た目だけならスイーツに見えなくもありませんが、ほかほかと湯気を放っており、炒められてテカテカと光る麺が異質さを放っています。そんな甘口抹茶小倉スパを、早速一口頂いてみます。
あ、甘い…!
非常に甘いです。甘い抹茶ソースが麺全体によく絡んでおり、そこに粒あん、ホイップクリーム、フルーツ(桃とさくらんぼ)が乗っています。粒あんは粒がしっかりとしています。麺のクオリティも高く、かなりもっちりとしています。この麺でナポリタンとか食べてみたいです。
取り合わせが珍しいというだけで、混ぜておかしな味になる物は一切入っていないので、甘い料理として普通に「こういうのもありかも?」と思える味ではあります。
……とはいえ、甘さに逃げ場がありません。抹茶ソースも、ホイップクリームも、粒あんも、舌の上に残るタイプのこってりとした甘さなので「たくさんはいらないかな…」となってしまいます。なるほど。マウンテンでの食事が登山に例えられるのは、こういうことなのですね。想像以上の重さに、完食を諦めて、遭難しそうになってしまいます!
そんなときに救世主になってくれたのが、ストロングコーヒーでした(450円)。テーブルにやってきた瞬間から、コーヒーの濃い匂いがしました。これは効きそうです。
コーヒーにはセットのお菓子(クッキー)が付いてきます。
濃いめに抽出されたブラックコーヒー2の苦さが、甘口抹茶小倉スパのこってりとした甘さをリセットしてくれました。これが無ければ遭難もあり得たと思います。頼んで正解でした。
こうして、甘味をストロングコーヒーでリセットしながら食べ進めたおかげで、遭難せずに完食することができたのです!
ボリュームたっぷりカルボナーラ!「カルボエッグ」
後日、再訪問しました。
山に対して抱く感情は様々です。「登りたい」と思うこともあれば「遠くから眺めていたい」という気分の時もあるでしょう。
前述の通り、マウンテンには一般的な喫茶店メニューもあります。今回は登山ではなく、一般的な喫茶店メニューを頼んで、のんびりとマウンテンと戯れることにします。
先日の甘口抹茶小倉スパの麺が美味しかったので、普通のパスタを頂くことにしました。ミートボールナポリタンや、和風スパ等、気になるメニューはいろいろありましたが、今回注文したのはホワイトソースパスタより「カルボエッグ」です(1100円)。
「カルボエッグ」という名前の通り、卵を使ったカルボナーラです。あのもちもちの麺に、チーズの効いたホワイトソースがかかっています。さらに、にんにくの粒が丸ごと入っていて、パンチのある味わいです!ベーコンの旨味も出ているし、卵も良い具合に絡んでいます。とても美味しいカルボナーラです。
マウンテンは普通のメニューがしっかりと美味しいからこそ、大手を振って奇をてらったメニューを出せるのですね。一風変わったことをするには、必然的に基本もしっかりと理解しておく必要があるのです。だからこそ、あのヘンテコな甘口抹茶小倉スパの味わいも、食べ物として破綻はしていなかったわけですね。
こうして、この日の僕はマウンテンで、普通のお洒落な夕食を終えたのでした。一方で、近くの席には果敢にも甘口抹茶小倉スパに挑み、見事に遭難してしまっているお客さんもいました。風景を眺めるのも、果敢に頂に挑むのも、どちらも山(マウンテン)の楽しみ方なのです。
メニューを見ても迷宮入り!「スパイス合衆国」と「ひめちゃん」
三度、再訪問しました。
やはり山は眺めるだけでは物足りないです。「登ってこそ」と言いたいのですが、てっぺんまで登る元気はありません。てっぺんまで登らずに、中腹の辺りまでハイキングをしてみることにします。今回はいつぞやの甘口抹茶小倉スパのような大冒険はしませんが、メニューから程よくヘンテコなものを探して頼んでみましょう。
……と言いつつも、何が何やらさっぱりわかりません!慎重に見極めなければ、ハイキングのつもりが大冒険、からの大遭難ということになりかねません。
「大人のお子様ランチ」は何やら面白そうです。「バナナライス」… これは危険そうです。どんな物が出てくるかなんとなく想像できても、味の想像がつかないものから、何が何やらさっぱりなものまで様々です。メニューを見れば見るほどに、迷宮入りしてしまいます。
今回は前述の「ドリンクセット」で注文することにしました。注文したのはフードの「スパイス合衆国」とドリンクの「ひめちゃん」です。いずれもメニュー名だけでは何が出てくるか想像がつきません。なお、スパイス合衆国は950円なのですが、ドリンクセットは1000円ポッキリなので、実質50円でドリンクのひめちゃんが付いてくることになります。
果たして何が現れるのか、期待しながら待っていると、スパイス合衆国とひめちゃんが姿を現しました。
どうやら、見たところヘンテコな料理ではなさそうですよ!とりあえず一安心です(笑)
まずはスパイス合衆国から頂きます。なるほど。これはカレーですね。ご飯とルーがしっかりと混ぜ合わされたタイプのカレーに、生卵が落とされています。
一口食べてみると、とても美味しいカレーでした。「スパイス合衆国」の名前の通り、様々なスパイスが一体となっているようで、酸味、辛味、旨味、香ばしさが複雑に折り重なった味わい深いカレーとなっています。様々な旨味が重なったところは、どこか家庭で食べるカレーにも通じるところがあり、懐かしさと温かさを感じます。
ひめちゃんはピンクがかった炭酸ドリンクです。一体何が入っているのか、ゆっくり飲んでみます。何でしょう、これは。甘いです。フルーツの味です。華やかな甘酸っぱさは桃でしょうか?炭酸水にフルーツピューレが入っていることで、程よい甘さとなっています。ちなみに、会計時に何のジュースだったのかを店員さんに聞いてみましたが「ひめちゃんはひめちゃん」とはぐらかされました(笑)
気になる変な名前のメニューを頼んでみた結果、いずれも美味しい料理であり、遭難は回避することができました。例えるなら、恐ろしい罰ゲームの入った「罰ゲームガチャ」を回して、幸いにも「蜂の子を食べる」程度の軽い罰ゲームで済んだ… それどころか蜂の子はわりと好きなのでむしろご褒美でした… みたいな気持ちです(笑)
マウンテンで初見のメニューを注文するのは、びっくり箱をこじ開けていくような気分ですね。なんせ、メニューの説明なんてどこにも書いていないのですから!
マウンテン まとめ
昭和区の喫茶店「マウンテン」は、奇妙なグルメを楽しめることで有名な人気店です。メニューは非常に豊富で、一見すると何が出てくるのかわからないようなものも多々あります!
人気メニューは、抹茶ソースを絡ませ、粒あんとホイップクリームを上に乗せたパスタ「甘口抹茶小倉スパ」です。奇妙な取り合わせではありますが「こういうのもアリかな」と思える味わいです。麺も、もっちりとした食感です。
奇妙なグルメが人気な一方で、カルボナーラ等の一般的な喫茶店グルメや、コーヒーも美味しいです。
観光客のみならず、地域の常連の憩いの場としても愛されている、落ち着く喫茶店です!
(おまけ)
店舗玄関には、マウンテンの奇妙なメニューの数々を忠実に立体化したオリジナルガチャがあります。
現在、第一弾と第二弾がリリースされており、それぞれ5種類ずつラインナップされています。
どうやらこのガチャによると、謎の「あつげしょう」なるメニューは巨大なハニートーストのようなメニューだったようです。マウンテンには本当に謎が多いです!まあ、山には謎がつきものですからね。徳島の剣山だってそうですし(え)
喫茶 マウンテン
愛知県名古屋市昭和区滝川町47-86
営業時間:9:00~21:30
定休日:月曜日(祝日の場合は次の平日)
コメント
お~、ついにマウンテン行かれましたか~。
テレビでもよく特集されますからね~。
量が多いから学生が結構来ているお店かと思います。
以前はいちごジャムのパスタもあるそうで(メニューのイチゴスパかな?)、抹茶小倉スパはともかくイチゴはなぁと思ってました。
ちなみに、私はまだ行ったことありません(笑)
コメントありがとうございます。
マウンテンさんについては以前よりグルメ系のサイトで名前を何度も見ていたので、名古屋に転勤する話が出た時には「マウンテンのところだ!」と思っていました(笑)
なので、満を持しての訪問になりますね。確かに名古屋大学や中京大学からも近いし、量も多い印象でした。学生も利用されていると思います。
甘口いちごスパは確か春季限定の販売だったかと思います。
この記事でマウンテンの深い謎の全てをまだ解き明かせたとは思っていないので、それこそ甘口いちごスパ等のフルーツ系ヘンテコメニューにもまた挑戦してみたいですね。