意外な場所に意外なものがあるのを見かけると、人は違和感を覚えます。そば屋に本格的なインドカレーがあったり、餃子の王将に本格的なタイ料理があったりなど…。ですが、その違和感は次第に面白さへと変わっていき「どんなものか見てみたい」という好奇心を刺激します。
今回僕が意外な出会いを果たしたのは、熱田区の熱田神宮近くにあるラーメン店「天下一品 熱田店」です。天下一品といえば、言わずと知れた「こってりラーメン」の有名店で、僕も天下一品の門を叩くときといえば、それすなわち、こってりラーメンを食べたい気分のときです。その日も当然のごとく、こってりラーメンを注文しようと思っていたのですが…。
天下一品にこんなラーメンがあるの！？
ドロドロでこってりな天下一品のイメージとは一線を画す、鯛塩スープの「塩ラーメン」なるものを見つけてしまいました！「あっさりラーメン」ともかなり印象が異なります。これはかなり気になります。
今回の記事では、天下一品熱田店の塩ラーメンの味を確かめつつ、こってりラーメン以外のラーメンを食べながらこってりラーメンを食べたい気分も満たせる、裏技的な方法も伝授します！
じんわりと沁みる天下一品の塩ラーメン
塩ラーメンを食べていく前に、天下一品の店舗の話をしていきます。全国各地に店舗がある天下一品ですが、そのうち直営店の数は数えるほどであり、ほとんどの店舗がフランチャイズです。天下一品公式サイトの店舗一覧ではどの店舗が直営店でどの店舗がフランチャイズかは明記されていませんが、フランチャイジー企業側のWebサイトに運営店舗一覧が掲載されている場合があります。
直営店とフランチャイズの違いについては、細かな味の違いまでは僕の舌と経験ではわかりかねますが、最も大きな違いがメニュー構成です。こってりラーメン、あっさりラーメン、屋台の味、こってりMAXといった看板メニューとなるラーメンは共通なのですが、それ以外のメニューはフランチャイジーごとに差異があります。確かに、同じ天下一品なのに、徳島の店舗と京都の店舗と宮城の店舗と愛知の店舗では、それぞれで細かなメニュー構成に違いがありました。徳島店で好きだった明太子丼は他の地域では見かけませんでしたし、仙台で食べられた「土鍋チーズ天下一品」は仙台の天下一品フランチャイジー「こむらさき」が展開する店舗のみで食べられるメニューでした。
愛知県内には天下一品が10店舗あり、そのうちの5店舗（名古屋栄店、名古屋錦店、名古屋伏見店、守山国道19号店、岡崎店）は「大塚フーズ」がフランチャイジーとして展開しています。以前訪問した名古屋栄店では期間限定メニューとしてローストビーフ丼を提供していましたが、これはあくまで大塚フーズの店舗が独自に実施していた企画です。
熱田店は大塚フーズとはまた別系統のフランチャイズであり、ゆえに愛知県内の他の店舗で見たことのなかった塩ラーメンがメニューに名を連ねているということになります。
というわけで、天下一品熱田店にやってきました。地下鉄名城線を熱田神宮伝馬町駅で下車し、2番出口から熱田神宮やJR熱田駅、名鉄神宮前駅方面に歩くと程なくして右手に見えてきます。内装がモダンな雰囲気の名古屋栄店などと比較すると、熱田店は無骨さのある古き良き町中華的な雰囲気で、とても良い感じです。
注文したのはもちろん塩ラーメンです！注文時ににんにくを入れるか入れないか選べます。天下一品の塩ラーメンの正体が気になりすぎるので、今回はノイズになってしまうかもしれないにんにくを交えずに、味わってみることにします。
なるほど。なかなか、ハッキリとした味わいです。塩気に角がある一方で、鯛のふくよかな旨味が塩気の角を包み込んでいます。じんわり染みるというよりも、一口目から濃厚に鯛の旨味を感じさせてくるようなスープです。
麺は断面の四角い中細麺で、トッピングはチャーシュー、ネギ、メンマ、ワンタンです。大半がこってりラーメンと共通です。透き通ったスープの中にこれらがあるのがあまりに新鮮です。
こってりラーメンには入っていない独自トッピングのワンタンは、餡のショウガがかなり効いています。さっぱりとした食べ応えで、鯛塩スープとの相性も良好です。
こってりラーメンとはまた違った意味で、スープもたっぷり楽しみたくなるような一杯でした。
こってりラーメンを食べずにこってりスープを楽しむ裏技
皆様は、どういうときに天下一品へ行きますか？
僕だけでなく、おそらく多くの方がそうだろうと思うのですが、天下一品へ行きたいときというのは、それすなわち、こってりラーメン…もっと細かく言うと、あのこってりスープを食べたいときであるのです。ゆえに、あっさりラーメンが美味しいということを知っていたとしても、結局こってりラーメンを頼んでしまうのです。
ですが、2023年に登場したとあるサイドメニューが、悩める僕たちの救世主となりました。
その救世主の名は「こってり天津飯」です。その名の通り、餡の代わりにこってりスープをかけた天津飯です。
厚焼きの玉子に、粘度の高い濃厚なこってりスープが絡むと食べ応え満点です。玉子の中にはカニカマとたけのこがとじられており、食感の面で良いアクセントとなっています。そして、ご飯とこってりスープとの相性は、もう言わずもがなですね。
天下一品熱田店では、好きなラーメンにこってり天津飯を組み合わせることのできる「こってり天津飯定食」が税込1200円（塩ラーメンの場合は+50円）で提供されています。もう、僕の言いたいことがわかりますよね？
こってりラーメン以外のラーメンを頼みつつ、こってりスープを楽しみたい欲求を満たす裏技。それは、こってり天津飯定食に、こってりラーメン以外のラーメンを合わせることです！
塩ラーメンがはっきりとした味わいだったのは、こってり天津飯と合わせて食べたときに、鯛塩スープの味をこってりスープの味に埋もれさせないためだと気づきました。一緒に食べたからこそ気がつく発見です。2種類のスープを満喫できて、大満足の夕食となりました！
天下一品 熱田店 まとめ
熱田区の熱田神宮やJR熱田駅、名鉄神宮前駅からほど近い場所にある天下一品熱田店では、看板メニューのこってりラーメンとは一線を画す「塩ラーメン」が提供されています。はっきりとした味わいの鯛塩スープは、こってりスープにも負けないほどのパワーがあります。一方で、質感も相まって後味はさっぱりとしています。
天下一品熱田店では塩ラーメン以外にも、味噌ラーメンやからあげラーメンといった、他の店舗とは一味異なるメニューが提供されています。からあげラーメンは「罪の化身」すぎてゾクゾクしますね…。罪を重ねすぎて今更数え切れません。意識の低い大道勝己です。（仮面ライダーW）
天下一品 熱田店
愛知県名古屋市熱田区神宮4丁目6-2
営業時間：11:00〜14:30/17:00〜21:30
定休日：火曜日
※訪問時点での情報です。
天下一品のWebサイトはこちら↓
コメント