今や名古屋メシの代表格の一つとなった台湾ラーメンですが「台湾に『台湾ラーメン』という名前の料理は存在しない」ことは有名な話かもしれません。味仙の創業者である郭明優さんが、台湾の麺料理「担仔麺(タンツーメン)」を参考に作り上げたのが味仙の台湾ラーメンで、その名前はあくまで自身が台湾出身であることにちなんでいます1。
そして、そんな台湾ラーメンには、辛味が苦手な人に向けた「台湾ラーメンアメリカン」や、辛味がもっと欲しい人に向けた「台湾ラーメンイタリアン」といったバリエーションがあります。ただでさえ「台湾ラーメンという名前の名古屋メシ」という時点でややこしいのに、それがアメリカンだのイタリアンだの言い始めた日には、もはやどこの料理なのかさっぱりわかりません!
今回は、味仙藤が丘店の系列である「味仙 名古屋駅店」にて、通常の台湾ラーメンより辛味のパワーアップした「台湾ラーメンイタリアン」に挑戦してきました!
辛い台湾料理でお酒もご飯も進む!
名古屋およびその周辺地域の味仙は全て同じグループの店舗というわけではなく、明優さんとその弟妹がそれぞれ暖簾分けの形で出店した独立採算の店舗です。ゆえに同じ「味仙」という屋号でも、その味わいや提供メニューなどは、店舗間で細かな差異があるようです。例えば今池店、大名古屋ビルヂング店、JR名古屋駅店2は明優さんの営んでいた店舗ですが、矢場店と中部国際空港セントレア店は明優さんの長妹・早矢仕黎華さんの営む店舗です。

今回お邪魔した味仙名古屋駅店は、JR名古屋駅から1kmほど離れた場所にあります。実は最寄り駅で言うと名古屋駅ではなく、地下鉄桜通線国際センター駅となります。また、名古屋駅店は冒頭でも述べた通り、味仙藤が丘店の系列で、明優さんの末妹・杉山淑子さんが営んでいます。食べログでは、JR名古屋駅店との区別のために「名古屋駅店(柳橋)」と表記されています。
客席は1階から3階にかけて全154席あり、かなりのキャパシティを誇ります。宴会にも対応しています。訪問時は華金、もとい金曜日の夜ということで、多くの人が食事を楽しんでいました。

席に着くやいなや、ドリンクの注文を聞かれたので、ついついハイボールを頼んでしまいました。いやぁ、本当は頼む予定じゃなかったんですけどね!(え)料理やドリンクはモバイルオーダーが可能です。

人気メニューの「こぶくろ辛し和え」もライス(大、440円)と一緒に注文しました。豚の子宮(コブクロ)を、唐辛子とにんにくを効かせたタレで和えた一品です。
冷たく引き締まったコブクロのボイルの、ザクプリッとした食感がたまりません!酸味の効いたタレに、唐辛子とにんにくの辛味と香りが乗って、食欲が加速する一品です。ハイボールが程よくごくごくと流し込める口当たりなので、ハイボール・コブクロ・ハイボール・コブクロの無限ループが完成しそうな勢いでした。
辛いけど、もう一口行きたい!味仙名古屋駅店の「台湾ラーメンイタリアン」

お酒やコブクロから一足遅れて、今回の主役「台湾ラーメンイタリアン」がやってきました。オーダー時に、大盛りや台湾ミンチ増量などのカスタマイズも可能です。ゴロゴロと乗った大粒のミンチに、大粒のにんにく。そして、レンゲにたっぷりと盛られたいかにも辛そうなやつ…。これは食べるのが楽しみですね。
味仙名古屋駅店では、通常の「台湾ラーメン」、辛味を抑えた「台湾ラーメンアメリカン」、そして今回注文した台湾ラーメンの辛味強化版「台湾ラーメンイタリアン」の3種類を提供しているのですが、おそらくはレンゲ内の唐辛子の量で辛さを調節しているものと考えられます。
まずはスープから一口啜ってみます。あれ?意外に優しいぞ…?味仙今池店系列の大名古屋ビルヂング店では、出会い頭から辛さで殴りつけてくるような味わいだったスープでしたが、名古屋駅店のものは辛味で殴りつけてくる前に、ベースのスープに詰まった鶏ガラの澄んだ旨味と、醤油のすっきりとしたキレのある風味を感じさせてくれる猶予があります。

ですが、レンゲの上の唐辛子をスープの中に均等に混ぜていくと、やっぱり爆発的に辛い!全身の毛穴が汗を噴き出します。さっき飲んだハイボールの一部も汗に変わってしまったかもしれません。ストレート麺はのどごしが良く心地よい食感ではあるのですが、注意深く啜らなければすぐにむせてしまいます。
でも、辛いのに、汗が止まらないのに、次から次へ食べたくなってしまいます…!だって、ベースのスープがとにかく旨いんだもん!にんにくも火が通ってホクホクですし、台湾ミンチも食感が良くてとてもジューシーです。もう、ひと粒も残したくありません。辛さと美味しさを高いレベルで両立しているのは本当にすごいことだと思います。
辛味の強い台湾ラーメンイタリアンでしたが、無事に完食できました!
味仙 名古屋駅店 まとめ
味仙名古屋駅店は、中村区名駅にある台湾料理店です。JR名古屋駅から東に約1km離れた場所にあり、地下鉄の場合は桜通線国際センター駅が最寄りとなります。店内は広く、1階から3階にかけて154席があります。訪問時には多くの方が食事や飲みに利用していましたし、宴会にも対応しています。
台湾ラーメンは、辛味の弱い順に「台湾ラーメンアメリカン」「台湾ラーメン」「台湾ラーメンイタリアン」の3種類がラインナップされています。辛味はレンゲに盛られた唐辛子の量で調節されており、その構造ゆえに、台湾ラーメンのベースとなる鶏ガラスープ部分の旨味を堪能しやすくもあります。唐辛子をスープに全て混ぜてしまうと、やはりとても辛いのですが、それでもジューシーな台湾ミンチや深みのあるスープが旨く、箸が止まりません!
なお、台湾ラーメンアメリカンと台湾ラーメンイタリアンの名前の由来はそれぞれ、
アメリカン:アメリカンコーヒーのように、辛味の薄い台湾ラーメン
イタリアン:アメリカンコーヒーに対して、イタリアのエスプレッソのごとく濃厚な台湾ラーメン(諸説あり)
とされています3。
さらに、味仙矢場店には台湾ラーメンイタリアンの先を行く「台湾ラーメンメキシカン」<「台湾ラーメンアフリカン」<「台湾ラーメンエイリアン」なんてものもあるようで…。台湾ラーメンイタリアンは、辛くはありつつも美味しく完食できましたが、果たしてこれらはどうなのでしょう。コンディションの良いときに、ぜひ挑戦してみます!
味仙 名古屋駅店
愛知県名古屋市中村区名駅4丁目17-4
営業時間:17:00~23:15
定休日:日曜日
※訪問時点での情報です。
- 参考:元祖台湾ラーメン|<公式>味仙本店 – 元祖名古屋名物台湾ラーメンの中国台湾料理店
- JR名古屋駅構内「うまいもん通り太閤通口」の店舗。今回紹介する名古屋駅店とは異なります。
- 参考:台湾ラーメンの元祖「味仙」にはアメリカン、イタリアン、アフリカンという必殺メニューがある【名古屋を真っ赤に染める】-メシ通 | ホットペッパーグルメ
コメント
イタリアン、挑戦されたんですね!
一度食べてみたいです!!
私が最後に台湾ラーメンを食べたのは、1年前のセントレアです。
思ったより辛くなかったけど、それよりも醤油味が強すぎて、こんな味だったかなあ?って思いました。店舗によって味が違う可能性があるんですね。
国際センターのそのお店は、以前はそんなに並んでなかったですが、デララバ放送以降だと思いますが、最近は行列してます。
そのお店には入ったことないですが、私がよくビールを飲むYマーケットはその隣のお店です(笑)(店舗写真にも左側に映ってるお店です(^^)/)
コメントありがとうございます。
セントレアの味仙は、元々味仙今池店の直営店だったものが閉店した後に、今度は味仙矢場店の直営店が開店しています。味が記憶と違うのはそれが理由だと思います。
名古屋駅店のイタリアンは唐辛子が多いですが、一方でスープの旨味もしっかりと感じられます。
東海エリアにおけるデララバの影響力には驚かされます!愛ある深掘りが多いので、とても参考になります。
確かに隣に地ビールレストランがありましたね。行ってみます!