名鉄瀬戸線の尾張瀬戸行きの列車に乗っていると、尾張旭市の三郷駅のあたりで良い感じのスーパー銭湯が見えてきます。というか、線路沿いの壁に思いっきり「天然温泉 ことぶきの湯」と書いてあります(笑)場所も三郷駅から歩いてすぐのところなので、瀬戸市からの帰り道に立ち寄ってみることにしました。サウナチャンスがあれば、できるだけものにしていきたいですからね!
入店前は「よくある、街の小さなスーパー銭湯」ぐらいに考えていましたが…。いざ入浴してみると、期待を大きく超えてきました。年季の入った内装とは裏腹に、「設計者は未来のサウナブームを予知していたのでは?」と思わず考えてしまうぐらい、サウナーにとって嬉しい設備が揃っていました!
天然温泉の露天風呂

ことぶきの湯は、名鉄瀬戸線三郷駅を東口から出るとすぐ前方に見えてきます。徒歩2分程度の距離ですね。
下足箱がコインロッカー式なので、入館時には100円玉を用意しておく必要があります。入浴券の券売機は現金決済のみに対応しています。そして、受付に下足箱の鍵と入浴券を渡すと、更衣室のロッカーキーと交換してもらえます。

浴室内には日替わり風呂、シルク風呂、電気風呂、ジェットバス、足湯、タワーサウナ、水風呂があります。浴槽の種類はかなり豊富ですね。
入館した瞬間から感じていましたが、かなり年季が入っています。ことぶきの湯は2011年に「やまとの湯 三郷店」に居抜き出店しており、やまとの湯は2000年にオープンしているようです。設備の大部分は、オープン当時からそのまま使われていそうな感じです。洗い場の水道も、昔の銭湯のように、お湯の出る蛇口と水の出る蛇口の両方から水を出して適温を作るタイプのものでした。

露天風呂スペースには、低温サウナ「釜風呂」1、天然温泉の岩風呂、打たせ湯があるほか、外気浴用のととのい椅子や寝そべりスペースも配置されています。打たせ湯って最近のスーパー銭湯ではあまり見ない気がします。
天然温泉は外部から運んできたお湯を使っています。2025年9月より、それまで使用されていた三重県亀山市の源泉のお湯から、岐阜県池田町の源泉のお湯(池田温泉)へと変更されています。
平成初期で時間が止まったかのような雰囲気なんですよね。僕が子供の頃に家族と出かけていたような、平成のスーパー銭湯の空気がそのまま残っているような気がします。うまく言語化できないのですが、サウナやスパが「今時の若者に流行りのおしゃれなアクティビティ」として扱われるようになる前の空気がそのまま残っているとでもいいますか。
お湯は全体的に温かめですが、シルク風呂だけは不感温浴を楽しめる、ぬるめの温度に設定されているので、足湯やシルク風呂などでのクールダウンを適度に挟めばお風呂を長く楽しめそうです。
設計者はサウナブームを未来予知していた…?
ことぶきの湯の素晴らしいところは、サウナ関係の設備が充実している点です。
高温のタワーサウナは、最上段と下段に結構な高低差があって、一番低い床から天井までの高さは3mぐらいあります。エアコンを想像するとわかりやすいと思いますが、熱気は高いところに溜まります。ゆえに、室内の温度計こそ80℃台を指しているのですが、最上段ではじりじりとした熱い温度を楽しめます。一方で、入室して「熱いかも」と感じたら下段に行きましょう。わりと「熱すぎない」はずです。
ことぶきの湯ぐらいの規模のスーパー銭湯では、サウナ室が1つだけということが多いのですが、ことぶきの湯には嬉しいことに、タワーサウナ以外にもう一つサウナがあります。

男湯では「釜風呂」という名前のミストサウナとなっています。室温は70℃程度で、タワーサウナのように高温でじりじりと肌を焼かれるような感じこそ無いのですが、室内の湿度も60~70%程度がキープされています。
日本の夏を想像するとわかりやすいと思いますが、気温が同じでも湿度が高いと蒸し暑さを感じやすいです。気温(乾球温度)と湿度から計算する「不快指数」なんて指標もあるぐらいですからね。ですが、釜風呂ではこの多湿が有効に働き、「熱すぎないけれど、しっかりと汗をかけるミストサウナ」になっているのです。それにしても、ミストサウナやスチームサウナは施設によって、じんわり温かいところから、アチアチの滴が背中に垂れてくるようなところ(例:湯吉郎の『湯げ吉』)まであって、興味深いものです。
水風呂はタワーサウナを出てすぐの場所にありますが、水深が1mぐらいあります。ゆえに、肩まで浸かって全身をクールダウンさせるのが容易です。そして、水風呂から出てすぐの場所には屋内用のととのい椅子があるほか、露天風呂スペースにもととのい椅子と寝そべり処があり、快適な外気浴ができます。寝そべり処には屋根があり、寝そべるところの素材も断熱性のある素材なので、冷たすぎたり熱すぎたりしません。
施設の年季の入り方からして、オープン当時からあまり大規模なリニューアルはされていないとは思うのですが、サウナも水風呂も、令和のサウナブームで目の肥えた僕でも大満足できるような充実ぶりでしたね。竜泉寺の湯や湯吉郎、アーバンクアなどといった名古屋近郊の人気スーパー銭湯がこぞって、近年のサウナブームに対応すべく、サウナの規模や水風呂の水深を大きくしてきたというのに。ことぶきの湯(というか、前身の『やまとの湯』)は、「当時の設計者が四半世紀後のサウナブームを予知していたんじゃないか」というような荒唐無稽なことを思わず考えてしまうほどに良い感じでした。
それでも、サウナを施設のアピールポイントとして強く推しているわけでもなければ、食事処でオロポを出しているわけでもありません。この「令和サウナブーム前夜」の残り香こそが、ことぶきの湯の味わいであるように感じました。
天然温泉ことぶきの湯 まとめ
天然温泉ことぶきの湯は、愛知県尾張旭市の名鉄瀬戸線三郷駅のすぐそばにあるスーパー銭湯です。
施設名の通り、天然温泉のお風呂を楽しめます。露天風呂の岩風呂が天然温泉となっており、岐阜県池田町の池田温泉から運搬した炭酸水素ナトリウム泉の源泉を使用しています。お風呂の種類は全体的にかなり充実しており、サウナも高温のタワーサウナと低温の釜風呂(女湯は塩サウナ)が揃っています。様々な施設に訪問し、サウナに関しては目の肥えてきた僕もかなり満足できるものでした。
併設のお食事処「ことぶき」では、お風呂上がりの食事やお酒を楽しむことができます。
入浴料は以下の通りです。
大人(中学生以上):780円(平日)/850円(土日祝)
小人(小学生):300円
幼児(4歳~小学校入学前):200円
※3歳以下無料
尾張旭市内で唯一のスーパー銭湯なのもあって、地元の方が多く利用しており、「知る人ぞ知る」という感じではありません。それでも、平成初期で時が止まったかのような懐かしさと、充実したサウナをゆっくりと味わうことができて、「良いお風呂を見つけられたなぁ」と思えましたね。
外気浴をしていると、時々名鉄瀬戸線の列車が通る音が聞こえてくるのですが、その度に思いました。「あの列車に乗っている人も僕のように、車窓から見えることぶきの湯が気になって、入りに来たことがあるのかな」と。
天然温泉 ことぶきの湯
愛知県尾張旭市三郷町栄83
営業時間:9:00~0:00
※訪問時点での情報です。
天然温泉 ことぶきの湯のWebサイトはこちら↓


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