近年、若い世代の間で競馬人気が高まりつつあるようです。ゲームアプリ「ウマ娘プリティーダービー」のヒットも手伝って、往年の名馬や名レースに興味を持つ20~30代が多いのだとか。かく言う僕もその一人で、これまで競馬をあまり知らなかったのですが、ウマ娘でレースの楽しみ方を大まかに知ってから興味が湧いてきました。
とはいえ、競馬場や場外馬券販売所に行くのは、ハードルが高い気もしています。文字通り全てを賭けて勝負に出ている人たちの中で、物見遊山のにわかが居ると悪目立ちしてしまいそうで気が引けます。
そんな僕のような、競馬に興味を持ち始めたライトファンでも気軽に立ち寄れる競馬観戦施設が、2022年11月にクリスロード商店街にオープンしました。
今回はJRAの新たな競馬観戦施設「VIESTA(ヴィエスタ)」を紹介します!
馬券を売らない競馬観戦施設
むふふ… もうすっかり、お馬さんたちの力強くてたくましい走りの虜ですよ!
おや、マチさん!お買い物帰りかな?
いやぁ~、今日は、競馬を見に来たんですよ!
君の愛馬がずきゅんどきゅんと走り出すのかい!?
ばきゅんぶきゅんと駆けていっちゃいますよ~!よかったら一緒に見ましょう!
VIESTAはイオン仙台店の向かいにあります。競馬場にてレースの行われない平日には買い物の途中に活用できる休憩スペースとして開放されていますが1、レースの行われる土日には大型のスクリーンでレースを観戦することができます。
入場は基本的に無料ですが、リザーブエリア(スクリーンのある部屋。上の写真)への入場には予約が必要で、予約サイトにて事前に予約をする必要があります。
VIESTAの大きな特徴は「馬券の販売を行っていないこと」です。それゆえに、レースを観戦することだけに集中できますし、立ち見エリアのような場所(フリーエリア)もあるので、予約をしていなくてもレースをふらっと眺めることもできます。
リザーブエリアへの入場の際には紙のリストバンドを巻き、途中での退出も可能です。
リザーブエリアはターフを模したような形状になっています。緑の人工芝が眩しいです。
クッションや荷物を置くバスケットなどもあり、腰を落ち着けることができます。もっとも、リザーブエリアでは立ち上がらないとスクリーンが見づらかったりするのですが…
リザーブエリア中央には、スクリーンのよく見える有料の特等席「ラウンジ」もあり、こちらも予約サイトでの事前予約制となっています。
なお、いずれのエリアも20歳未満の方は予約することができないので、その点は要注意です。とはいえ、20歳未満の方でもフリーエリアからの立ち見は可能です。
実際にレースを観戦!
これは実際にVIESTAに訪問してから初めて知ったのですが、どうやら競馬場では割と頻繁にレースが行われているようなのです。中央競馬は各地の競馬場にて決まった日程(基本的に土日)でレースが開催され、一日に12レース出走します。日によっては、その12レースの中のどこかに「○○記念」などと呼ばれる重賞レースが挟まることもあります。なので特に「重賞レースが見たい」とかでなければ、レースが開催されている日なら基本的に、いつVIESTAを覗いても馬が走る様子を見ることができるわけですね。重賞レースで注目の馬たちの迫力の走りを見ることもできるし、それ以外のレースで今後注目したい馬を「青田買い」的に探すこともできます。あるいは一口馬主の方が馬の活躍を見に行くのにも良いかもしれません。
僕が訪問した2023年2月11日と12日の重賞レースはクイーンカップ(GⅢ)、京都記念(GⅡ)、共同通信杯(GⅢ)でした。
共同通信杯は、芝のマイルレースだからよくスズカさん2を走らせていたよ!
最近はウマ娘で重賞レースの名前を知る方も多いみたいですねぇ~
スクリーンにはレースの中継映像と同時に、出走馬の情報、人気順、予想順位が表示されます。
僕が知っている競走馬はウマ娘に実装されている往年の名馬ばかりなので、現役の競走馬についての知識は全くないのですが、現役の競走馬の中にはウマ娘に実装されている馬の子孫も多いので、親の名前を見て「あっ!あの馬の子孫なのか!ということは差しが得意なのかな?」などと想像するのが楽しかったです。
ゴールドシップの子孫が多かったのが印象的でした。皆「変な子」なんでしょうか… ちょっと気になりました(え)3
レースを実際に見て感じたのは、思ったよりも不確定要素が多いということです。それぞれの馬に得意な作戦があり、スパートをかけるタイミングも異なります。レース序盤で先頭に居たからといって、そのまま先頭でゴールできるとも限りませんし(そう考えるとサイレンススズカって凄かったんだなぁ)、1番人気の馬が終盤で後ろから差そうとしているけれど、前が詰まっていて思うようにスパートをかけられないというようなシーンも多くありました。
その一方で、人気の馬はある程度期待に応えて好走を見せてくれるので、レースは必ずしも運任せではないのだなとも思いました。馬の体重やコンディション、馬場の状態、騎手との相性、パドックでの様子、直近のレースの戦績など、あらゆる要素が予想の参考になるようです。初心者の僕にとってはいずれもちんぷんかんぷんなのですが、様々な情報からある程度の根拠を持って予想することも楽しそうです。
特に注目していた共同通信杯では、先行していたファントムシーフが終盤に見事な末脚を見せて1着になりました。競馬はレース展開が目まぐるしくて、一瞬も目を離せないですね。(エフフォーリアは残念でした…)
どのレースでも、馬たちの迫力のある走りは非常に見ごたえがありました。時に見事な逃げを、時に見事なごぼう抜きを見せてくれるので、こちらもドキドキします!
どーきどきどきどき!君の愛馬が!!
静かに見ましょー。
競馬を知り、親しむきっかけになる施設
若い世代での競馬人気はJRAも把握しているようで、VIESTAはまさに、例えば「ウマ娘で競馬に興味を持った」というようなライトファンでも気軽に競馬に親しめるようにというコンセプトで作られた施設です4。
VIESTAの良いところは、臨場感あふれる大画面でレースを楽しめる点と、常駐されているスタッフさんたちがとても丁寧に施設の使い方などを案内してくれる点です。
レースの行われる土日には、多くの通行人が足を止めてレースを観戦している様子をよく見かけます。街頭のテレビで甲子園を中継していたら思わず見入ってしまうのと同じような感じでしょうか。その点で「競馬を知ってもらう」という目的を大いに果たせているように思います。
競馬には駆け引きの面白さもありますし、屈強な馬たちが一斉に走る姿はそれだけで絵になります。レースの行われる土日に、皆様も気軽にVIESTAを覗いてみてはどうでしょうか!
お馬さんたちを見ていたらわたしもダッシュしたくなっちゃいましたよ~!むんっ!
商店街で走っちゃダメぇ!
VIESTA
宮城県仙台市青葉区中央2丁目4-3
なまこマンのスポーツ観戦記録はこちら↓
- 月・火曜日は閉鎖
- ウマ娘のサイレンススズカ
- ゴールドシップはいろいろな破天荒なエピソードで知られている馬です。「ゴルシ伝説」あたりのワードで検索するといろいろエピソードが出てきます。
- 参考:全国初の馬券を販売しない競馬観戦施設「VIESTA(ヴィエスタ)」に小島友実が潜入取材!
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